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2017年6月 9日 (金)

今後の予定 2017年6月以降

定期的に今後の予定についてお知らせしています。

ご興味のある方は聞きに来てください。
1.大阪府臨床検査技師会 微生物検査部門定期講習会
http://www.osaka-amt.or.jp/cgi-bin/sche/sche35.cgi?cm=1
日時:2017年6月22日(木) 18:30~20:00
場所;大阪医療技術学園専門学校
テーマ:「ケーススタディー方式で学ぶグラム染色の見方・考え方」~尿とか膿汁とか~
備考:去年の喀痰の続きです。
2.第194回沖縄臨床微生物研究会
日時:2017年6月24日(土) 16:00~18:00
場所:那覇市立病院 3階講堂
テーマ:「明日の診療から使えるグラム染色読解術~もう菌(あなた)はチェックメイトされています~」
備考:どうして、その菌と言い切れるのか?病態を含めて理詰めでグラム染色像の読解術について紹介します。
3.第1回 耳原総合病院 GP+1セミナー(医師対象)
日時:2017年7月30日(日) 10:00~16:30
場所;耳原総合病院
4.第24回日本臨床微生物学会教育セミナー(募集は終了しています)
日時:2017年8月19日(土)~20日(日)
場所:神戸市立医療センター中央市民病院講堂
5.EBICセミナー in 神戸
http://www.ebic.jp/news/2017se2-in-kobe-2.html
日時:2017年9月2日(土)
場所:神戸大学医学部シスメックス会館
備考:毎年恒例のCLSIの話+岩田先生の講義 私はグラム染色の話。
7.その他
東北地区の研究会(9月予定)
中部地区の研修会(11月予定)
毎年恒例のグラム染色カンファレンス(第29回日本臨床微生物学会に併せて;場所は名古屋駅前)

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2017年6月 7日 (水)

【速報】「第1回薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰」における 優良事例の表彰決定!

「第1回薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰」における 優良事例の表彰決定しました。

http://www.cas.go.jp/jp/houdou/170607-1amr.html

M医院のM先生が、グラム染色を用いた診療支援について厚生労働大臣賞を受けることになりました。おめでとうございます。M先生とはこのブログがきっかけで知り合うことができました。グラム染色道場バンザイ。

M先生は日常診療の中でグラム染色を診療の第一線で使用し、診療内容と治療、患者への情報提供を行い、服薬指導に活かされています。

Photo_2 去年のテレビ番組より

グラム染色がAMR活動に無くてはならないものであることが証明されたと思います。
画期的な検査技術でもありませんし、高い検査機器も必要ありません。保険点数は61点。
Photo_5 10分程度で行える簡単な検査です。

Photo_4 色を青と赤に染め分けて菌種推定をします。

少し判読の技術が必要ですが、どこでも簡単にできて、菌と炎症所見が同時にわかる検査です。臨床検査の多くが菌のみを検出する仕事が多いのですが、グラム染色は炎症所見も読み取れることが大きなメリットです。細菌感染が起これば病巣に多核白血球が集まります。白血球と一緒に見える菌が起炎菌である可能性があります。

400 尿路感染症を起こしている大腸菌。

本当に最近、テレビでグラム染色を見る機会が増えました。たまに某放送局の総合内科をテーマにしたテレビ番組にもお手伝いする機会が増えましたし、動物愛好家の情報雑誌にも取り上げて頂きました。

Photo_6 某テレビ番組

18194760_1319115088169696_2166647_2 某情報誌

本当に、日常コツコツと行っている仕事について表彰を受けるというのはモチベーション上がりますね。明日からも頑張っていきたいです。

本当にブログ続けてて良かったと思います。グラム染色バンザイ。

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2017年4月 7日 (金)

【ご案内】第24回日本臨床微生物学会教育セミナーの開催について

下記のセミナーは応募者が定員に達したので、受付終了とさせて頂きました。

多数の応募ありがとうございました。

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勉強会の開催案内ばかりですいません。

今年の8月に神戸で教育セミナーを開催します。先日、学会ホームページにも掲載し、募集を開始しました。まだ先の話のようですが、予算取りなどあると思いますので早めに紹介します。

日程:平成29年8月19日(土曜日)午前9時~8月20日(日曜日)午後1時
場所:神戸市立医療センター中央市民病院 講堂
担当:笠原 敬(奈良県立医科大学感染症センター)、山本 剛(神戸市立西神戸医療センター臨床検査技術部)
テーマ:臨床現場で期待される微生物検査室の構築
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プログラム

8月19日(土曜日)1日目

午前(9時~11時30分)
 講義1:感染症医から見た微生物検査室のあり方
  講師 奈良県立医科大学感染症センター 笠原  敬
 講義2:同定感受性結果を待たずに検査結果を有効に活用するためのノウハウを学ぶ
  講師
  (1)塗抹検査結果をどう活かすのか?
   西神戸医療センター臨床検査技術部 山本  剛
  (2)簡易検査で報告できる同定結果
   関西医療大学保健医療学部 大瀧 博文
  (3)感受性検査結果を予測できる簡易検査の活用
   神戸大学医学部附属病院検査部 中村 竜也

午後(13時~17時30分)
 講義3:耐性菌サーベイランスを現場に活かす
  講師 大阪国際がんセンター感染症センター 河村 一郎
 講義4:微生物検査と抗菌薬サーベイランス
  講師 京都薬科大学 臨床薬剤疫学分野 村木 優一
 講義5:本音で語る 微生物検査室ディレクターの仕事
    ~微生物検査技師の人材育成と効果~
  講師
  (1)大学病院の立場から
   順天堂大学病院医学部附属病院順天堂医院臨床検査部 三澤 成毅
  (2)市中病院の立場から
   亀田総合病院臨床検査部 大塚 喜人
  (3)検査センターの立場から
   株式会社エスアールエル 島川 宏一

ランチョンセミナー(仮題)微生物と免疫
  講師;奈良県立医科大学免疫学講座教授 伊藤 利洋

8月20日(日曜日)2日目

午前(9時~12時)
 講義6: 感染制御における微生物検査技師の役割
  講師 金沢医科大学臨床感染症学 飯沼 由嗣

 演習:ケーススタディ方式によるグループディスカッション
  プレゼンター
  (1)兵庫県立尼崎総合医療センター感染症内科/ER総合内科 松尾 裕央
  (2)兵庫県立こども病院感染症科 笠井 正志

講義の順番については入れ替わる場合があります。日程等は後日ホームページでお知らせします。

参加費:5,000円
交流会費:4,000円
募集人数:100名(先着順受付)
参加資格:当会会員であること
申し込み方法
E-mailまたはFAX・往復はがきに、以下の事項を明記し、下記事務局までお申し込みください。(1)第24回日本臨床微生物学会教育セミナー参加希望、(2)交流会の参加希望、(3)所属、(4)氏名(フリガナ)、(5)会員番号、(6)連絡先住所、(7)電話番号、(8)FAX番号、(9)メールアドレス、なお、往復はがきで申込の際は返信用はがきに宛名・宛先を忘れずにご記入ください。

締め切り:平成29年7月14日(金曜日)必着
申込先
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-26-2 五反田サンハイツ1209
日本臨床微生物学会事務局 E-mail:jscm@qk9.so-net.ne.jp
TEL:03-5437-1480 FAX:03-5437-1488

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神戸の夜を堪能して頂けるような意見交換会も考えています。

皆様宜しくお願いします。

Photo

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2017年1月14日 (土)

来週は臨床微生物学会総会・学術集会(長崎)

来週の20日から長崎で第28回臨床微生物学会総会・学術集会が開催されます。

当日は色々と勉強したいと思いますので楽しみにしております。
個人的にも少しお手伝いをさせて頂きますが、昨年好評でした企画(医師を震撼させた微生物検査企画)を今年もする予定です。
今回は会長企画3として3日目に開催をします。
今回は聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院と神戸大学病院の先生にプレゼンターをお願いしております。演者とフロアで一体感のある内容にしたいのですので宜しくお願いします。
「主治医を感激させた微生物検査―検査技師の知識・経験と第六感―」part2
1 月 22 日(日) 10:00~12:00
第 1 会場(長崎ブリックホール 2F 大ホール)
座長:佐々木雅一(東邦大学医療センター大森病院)
山本 剛(西神戸医療センター臨床検査技術部)
1.グラム染色が診断の鍵となったある感染症の 1 例
―インフルエンザ発症から入浴中に溺水した意識障害の患者―
若竹 春明,田中 洋輔
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院
2.四肢に多発する有痛性紅斑を主訴に受診したステロイド内服中の 70 歳代男性の一例
西村 翔,楠木 まり
神戸大学医学部附属病院
最終日ですので、もし時間があれば参加してください。

初日の夜はグラム染色カンファレンスが開催されます。これもまた学会とは違う楽しみの一つでしょう。楽しみです。
https://beginnersinfectionconference.wordpress.com/2016/12/12/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0%E6%9F%93%E8%89%B2%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B9%E9%96%8B%E5%82%AC%E6%A1%88%E5%86%85/
写真は硝子体液で確認ができた肺炎球菌です。こういう緊急度の高い疾患では培養が待てない分、このようなグラム染色像が確認できればラッキーですね。
迅速性があり、安価で感度や特異度は良くないですが、多様性を秘めた検査ですので積極的に診断検査に取り込みたいですね。周囲には多核白血球もあり炎症巣からの検出が推定されますので、コンタミネーションとの区別も可能です。

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2016年10月19日 (水)

第26回神戸グラム染色カンファレンスのご案内

神戸では毎年3回でグラム染色に特化したカンファレンスを開催しています。

グラム染色は迅速で安価で感染症診療には有用性が高いよっていう話をチラホラ聞くことができますが、実際結果をどのように報告するのか、グラム染色をどう読むのか、抗生剤選択時に何を注意するのかなど具体的な話がまとまらないことがあると思います。

このカンファレンスでは主に微生物検査技師だけでは無く、医師、研修医、学生、薬剤師と看護師が混じって結果についてどう考えていくかグループディスカッション方式で進めていく、コアな感染症の勉強会です。

ご興味のある方は参加して、そのリアルさを体感してください。

今回はどういう症例が飛び出てくるのでしょうかね。楽しみです。

まるでレアポケモンが出た時のように、毎回名物となったプレゼン用のパワーポイントに詰め寄る場面もあり。

Photo 前回発表して頂いた兵庫県立こども病院の方々

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第26回グラム染色カンファレンスのご案内

今回下記の内容にて第26回グラム染色カンファレンスを開催予定です。

この会は日常的に感染症診療の一環で行われている『グラム染色』から得られる感染症情報を活用し、どの様に感染症診療へ切り込んでいくのか、医師・臨床検査技師、薬剤師、それぞれの立場から考え、活発なディスカッションを行うという新しいスタイルの会であります。お忙しいとは興味のある方は出席ください。

日 時 ; 平成28年10月27日(木) 18:50~
場 所 ; 三宮研修センター 5階 505号室
参加費 ; ¥500

司会;
兵庫県立尼崎総合医療センターER総合診療科 山本修平 先生
住友病院臨床検査技術科 幸福知己 先生

発表(予定)
① 「こりゃ~びっくりするくらいいるなぁ!」
担当:神戸大学医学部附属病院
   感染症内科 海老澤 馨 先生
   検査部 大沼 健一郎 先生

② 「70才、排液増量」
担当:西神戸医療センター
   臨床検査技術部 山本 剛 先生

http://www.f-road.co.jp/kenshu/

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この場をお借りして今後の予定

①2016年10月29日(土)

奈良県臨床検査技師会 14:00から17:00

場所;奈良県立医大

テーマ;グラム染色講習会 講義など

http://naraamt.or.jp/Kaiin/News/news201610.html

②2016年11月5、6日(土日)

日臨技中四国地区研修会 

場所;島根県立中央病院

テーマ:呼吸器材料グラム染色所見のポイント

https://www.jamt.or.jp/studysession/area/branch/chusikoku/


③2016年11月26日(日)

日臨技中四国支部学会

場所:高知市文化プラザかるぽーと他

http://www.e-g.co.jp/jamt49chushi/


④2016年12月23日(祝日)

ONCR 4th

場所;東京都のどこか

また告知します。

⑤2017年2月16日(木)

香川県臨床微生物研究会

場所;高松市のどこか

また告知します。

宜しければ足を運んでください。

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2016年10月12日 (水)

質量分析 ゲットだぜ!?

更新が遅くなりすません。色々と忙しくて後回しになっています。

さて、この時期は次年度の予算要求を行っていく施設が多いと思います。やはり微生物検査室の目玉は「質量分析機器」ではないでしょうか。

オーバーナイトでしか菌種同定できなかったのに、数分で終わってしまうという、寝台特急でしか行けない場所をリニアモーターカーで行くような、まさに夢のような機械なので欲しいと思っている施設は多いと思います。質量分析機器については、販売メーカーさんのPRや各種学会、勉強会でも質量分析機器の有用性について話を聞く機会が多いと思いますが、有用なのは十分理解していると思います。

じゃ、購入してランニングすると患者に大きなメリットがあると思い、買ってやろうという人が現れるのを待つのですが、現実はそう甘くありません。なんせ「高い」。マンションが1件買えるほど。ランニングコストが大幅下がるのでという売り込みも無用と思われるほど高額です。そのため、市中病院の予算内で購入しようと思うとかなりハードルが高くなります。恐らく市中病院の機器購入のための予算は大学病院検査部の機器予算と同じくらいですしね。病院の建て替えや巨大な力が動かない限りそんなにポンポンと買うことはできないでしょうね。

質量分析機器をどのようにすると買ってくれるのか?少し考えたいと思います。

1.ランニングコストが下がることの魅力をアピールする

確かに異常なくらいコストダウンが図れるのは確かである。
同定キットやパネルを使うと1回分は2000円ほどかかるとして、質量分析機器では100円程度。単純計算で1900円/1菌種のコスト削減が可能です。

例えば、検査依頼が1ヶ月1000件、感受性率が30%として。1ヶ月57万円、年間684万円の削減になります。感受性を別途行うランニングコストが1000円として1ヶ月27万円、1年間324万円になります。年間324万円貯金して9年程度で完済できます。

しかし、ランニングコストが下がるとは言うが、そんな高い買い物は直ぐにできる訳ではありません。例えばプリウスは少し高いけどガソリン代が浮くから買いに行こうって言っても、見積もりを見ると、買えないよねってなりますよね。しかし、ランニングコストが下がるのはアピールポイントの一つです。

2_2 プリウスも車体が安くなれば良いですけどね。

この場合に必要な知識としては、年間の件数や今後の見通し、物品の購入代金などを元々管理しておくと良いと思います。いつまでも物品担当部門に任せっ切りではいけません。

2.維持費の計算

・電気代は恐らく1件あたり30-50円。
・消耗品費は上記参照。ここに質量分析の試薬代と消耗品費が加わります。
・保守点検料は保守を結ぶかどうかで異なる。
 特に保守を結んだ場合のメリットと結んでない場合のデメリットはしっかりと記載する必要があります。

 保守を結んだ場合:安心して使える。保守の範囲内での故障が無料で受けれる。ただし保守範囲外の場合は有償。

 保守を結んでない場合:壊れなければラッキー。お金がかかりません。しかし壊れるとかなり高額な請求がかかります。技術料や出張料に加えて高額な部品代。まさに高い技術の裏には高い人件費と材料があります。
 
 日本に導入されて、まだ時間が経っていないので故障リストは殆どありません。故障しない機械に高額な保守費用を投じることになると言われかねません。この辺はメーカーとの交渉でしょう。

保守料が200万円とすると324万円から200万円引くので、残った貯金が124万円になります。

さらにレーザーを5000万ショット撃つと交換が必要です。窒素レーザーの交換費用はかなり高額ですが、窒素レーザー自体は簡単なものですので意外に安いようです。何が高いんでしょうかね。

3.アウトカムの計算

一番問題なのは、導入にあたり新規で保険点数が付かないこと。
通常、新規で購入する機器の場合は要求時に増収見込みがどの程度あるのかアピールタイムがありますが、これは全く期待できません。もともと、培養・同定で保険点数が付いており、同定まで進まなくても収入があります。そのため、同定のみで保険点数を計算して、収入について検討しようとしても無理が生じます。つまり使用頻度に応じた計算(前述)が必要になります。

1_2 自動機器のランニングコストは意外に高い

なのでここでバックアップデータとして必要なのは入院期間の短縮や抗生剤の処方量削減、死亡率低下などなど。

下記の文献によると、

・入院期間は23.3±21.6日(導入前)→15.3±17.3日(導入後)
・30日後の死亡率(菌血症?)は21%(導入前)→8.9%(導入後)
・医療コストは7.8万ドル(導入前)→5.2万ドル(導入後)
と削減が可能だそうです。ただし外国のデータです。

では、日本のデータはどうか? 探した限りではありません。
導入したので、どうでしょうか?というデータは多いのですが、今後先駆者たちから出てくることを願います。

先駆者? そうです。当院には残念ながらありません。市中病院ですので、そんなお金は準備しようにも院内の優先順位はまだまだ上位機種ではありません。そりゃ、CTやMRI、内視鏡を新規で購入する方が利用頻度も高いし、増収見込みも上がるのでガチで戦っても勝ち目がありません。

先日、mecA遺伝子導入によるコスト削減を検討していますが、質量分析機器の大きなメリットはグラム陰性桿菌の種類が直ぐにわかることです。グラム陰性桿菌は菌種により自然耐性を持つので菌種同定が早くなるだけでもメリットは大きいと思います。
ただし、重症患者や発熱性好中球減少症患者においては既に耐性菌のことを考慮して抗生剤が選択されていることもあり、大きなアウトカムが変わることは無いと思います。
どちらにしても報告を早くすることに加えて介入をすることが大きなメリットとなるでしょう。

4.どうしたら買えるか?

関西人である私は私生活において根切り交渉をしてきましたが、この機器は値引きが見込めません。だったらどうしようか?

3 関西人は全て値切る訳ではないそうです


個人的に宝くじが当たれば即購入ですがそうは行きませんね。

感染症に造詣のある医師を確保するのが良いかと思いますが、日本に感染症医は1500人程度。全ての病院には常駐していません。感染防止対策の一貫として周囲の方々に協力してもらいながら導入までこじつけるしかありません。なので、感染症に興味のある医師を捕まえて離さないことが良いでしょう。

感染症に興味のある医師を確保することが必要ですが、医学生のうち感染症に興味がある生徒は1クラスに1人程度。全員が嫌いな学年もあると思います。
しかしどうして興味を持たないんですかね?不思議ですね。

しかし、感染症は日常的に遭遇しやすい疾患の一つです。しかも生活習慣病と異なり、適切に治療することで治る。適切に治療するにあたり微生物検査のデータは不可欠で、それをいかに早く適切にどう治療に絡めるのか考えることが大切です。

上記のデータで菌血症の死亡率(導入前)が20%とあるが、厳しいことを言うが単純に高すぎると思います。20%というデータすら取っていないところは質量分析機器への道は更に険しいものになると思うので、しっかりとクリニカルインディケーターをラボでも取ってアピールすることが重要かと思います。微生物検査に携わっている方たちはそのエビデンスを作っているので、そこに貢献すべきでは無いかと思いますがどうでしょうか?

そういっていますが、ここ数年予算申請をしていますが、うちにも入るでしょうかね。予算要求の回答が出る頃はもう少し先です。果報は寝て待て。

コスト計算やアウトカムの検討をしっかりと行い、質量分析機器をゲットしていきましょう。
ようやくポケモンもLv23になりました。20を超えてからは中々レベルアップするのに苦慮しています。皆さんのポケモンはどうですか?Lv50になって、ポケスポットをくるくるすると質量分析機器をくれないでしょうかねえ(笑)。

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2016年9月22日 (木)

菌の擬食化

皆様、更新が遅くなりましてすいません。

別にサボっていた訳ではありませんが、ブログを書く時間が少し無かっただけです。
簡単な呟きであればFACEBOOK版がありますのでまた機会があれば見てください。
さて、今回はためになるかどうか分からない情報です。

https://www.facebook.com/GramStainGym/

菌の擬人化というものは沢山ありますが、今回はN大のN井先生のご要望もあり、なんと擬人化では無く、菌を擬食化してみました。如何ですか?この芸術作品は。

グラム染色像を相手に伝えるのは難しいですよね。


あ~あの形、こういう形といっても中々伝わらない。何か印象的な形象を伝えたい、そう思ったことはありませんか?

そういうお助けアイテムとして今回は代表的な染色像について食物に例えてみました。
まずはブドウ球菌。よく分離されるものとしてStaphylococcusとMicrococcusがありますが、経験上このような染色像に違いがあります。

何と言っても黄色ブドウ球菌は菌体外毒素やフィブリンの影響もあり菌や菌体周囲が赤く見えるのが特徴的ですね。

また、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)は菌種によって大きさが少し違うのが特徴です。Micrococcusは2つもしくは4つのものが多く見え、菌はStaphylococcusと比べてやや大きめです。

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次に表現しにくいグラム陰性桿菌。N井先生のご要望でソーセージに例えて違いを検討してみました。

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やはり、E. coliやKlebsiellaなど腸内細菌群は直線状に見えることが特徴的ですが、緑膿菌はやや湾曲して見えることがあります。Acinetobacterは球菌状に見えることが多いですが、たまに陰性桿菌として見えます。Klebsiellaはアメリカンドッグのように菌周囲に莢膜があるのが特徴です。Klebsiellaの莢膜過剰産生菌の場合はやや大きめのアメリカンドッグでしょうか。ストリングテスト陽性なのはこの菌かどうかの鑑別の一つですね。

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ブドウ糖非発酵菌ではStenotrphomonas maltophiliaは緑膿菌と少し違い菌が集塊を作ることが少ないように思います。緑膿菌の大きな特徴はバイオフィルム。恐らくバイオフィルムはこのように水(βラクタム薬)を通すことがないのでしょうね。

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最後に防御機構ですが、貪食像はこんな感じでしょうか。美味しそう。

βラクタムはPBPに作用するので菌の中央部から形状変化(バルジ化、もしくはフィブロブラスト化)するのでこんな感じでしょうか。

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こうしてみると何となく身近に思えますね。
しかしバカですね(笑)。

たまにはリラックスして仕事しましょうね。

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2016年8月26日 (金)

医学生も微生物検査室に行こう

先日、定期的に参加している外部のカンファレンスで一つ提案を頂きました。


「医学生も微生物検査室に行って欲しいけど、中々説明が上手くいかず重要性について理解してくれない学生が多い。何を学習できるか教えて欲しい。」
医学生を経験していない私なので少しズレているかもしれませんが、息子の意見も参考に自分なりに考えてみた。

1.微生物の検出をするのは微生物検査室である
病原微生物の検出をすることは、感染症の原因微生物を特定することです。ここで言葉として出てくるのが臨床微生物学と感染症学の2つです。少し整理してみることにする。

①臨床微生物学とは
感染症の診断のために必要な検査とその治療方針の決定で、起因微生物を特定し、感受性検査を参考に治療方針を開発する学問。英語ではClinical Microbiologyである。

②感染症学とは
臨床微生物学とは画線を引いた、あくまでも病原微生物により引く起こされる患者の病態解析とその診断および治療法についての学問のこと。あまりキレイに書かれているものがありません。英語ではInfectious Diseaseである。

日本ではこの2つが同じような意味を持つように解釈される場面があるが、①は検査診断学で②は診断学なので意味が違う。

そのためか、感染症の診断=病原微生物の検出 という感覚で感染症診療に望んでいる若い医師を見る機会が多いが、病原微生物の検出は診察室や病室でしているのでは無く、検査室で行っていることを忘れて欲しくないと思っています。当院では研修医ローテーションで微生物検査室が選択できることもあり、実際ローテートで回ってきた研修医には感染症診断というより、臨床微生物学を中心に感染症診療について説明をする。

何度も言いますが、病原微生物の検出は診察室や病室でしているのでは無く、検査室で行っているため、医学生も微生物検査室に訪問して病原微生物に触れることで、微生物検出のためのプロセス、感受性検査の解釈、耐性菌など最新の情報について知ることができる。

2016824

2.医学生の教育と実際の臨床現場のニーズ
日本の医学部教育は臓器別に行い、臓器横断的な内容に乏しい。そのため、臨床現場に直接参加できる体制づくりができていないため、学生自らが課題を持ち学生生活を送らなければ、初期研修医時には系統的な感染症診断を行うだけの力がついていることは無く、微生物検査室と疎遠であれば、ほぼ永久的に良質な感染症診療を行うことは無いのであろう。そのため臨床感染症を学ぶために感染症専門医の門戸を叩き、感染症診療の原則に基づいた修練を展開していく中で、微生物検査に触れる機会も多くなる。
やはり感染症学と臨床微生物学は切っても切れない存在だと思う。

参考文献)大曲貴夫:感染症診療における検査室の役割(モダンメディア)
3.プロセスを知ることができる分かる。
微生物検査は生化学や血液検査とは違い機械化が進んでいない。また微生物の増殖に影響を受けるため結果が日単位で進む。そのため今診断し、治療方針を決定する上で結果が出ていないことは大きな障害となる。

今分かることは材料から直接グラム染色をして主たる微生物を確認し、それに応じた抗生剤を絞り込むことが必要である。同定・感受性には3日ほど時間がかかるが、最終同定までにはある程度起炎菌は絞り込めることがある。例えば緑膿菌と腸内細菌(例えばKlebsiella)は同じ陰性桿菌であるが、形態も培地上のコロニー性状も全くことなるので、初期治療選択の翌日に緑膿菌に活性の無い抗生剤で開始していた場合は翌日修正できる。初期治療薬の絞込みや途中経過を知り選択した抗生剤の妥当性について検討することは患者の予後にも繋がる上に、広域抗菌薬の乱用を防ぐこともできる。

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4.効率を求めるアメリカとそうでない日本
アメリカの医療は効率を期待することが大きく、これは医療費が膨大になることを防ぐ理由の一つでもある。診療のみならず微生物検査についても同じで、材料の質が悪い検査は行わないことがある。また、グラム染色は臨床検査技師の特権であり、他職種は法的な理由がありすることが出来ない。

日本はどうか。そこまで効率を極める検査は行われていない。検査材料については来るものを拒まず行い、唾液から出たMRSAをVCMで治療するという行為は日常的に良くある。グラム染色は臨床検査技師のみならず、医師や初期研修医、薬剤師なども行うことができ、実際診療に活かしていることも見かける。

しかし、最近の日本の医療ではDPCの導入など効率化についても言及される場面も多くなってきている。そのため微生物検査の位置づけは重要である。

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グラム染色では抗生剤を絞ることなんて難しいでしょう?と未だに思っている学生も多いでしょうし、そもそもグラム染色を使い初期治療をより確実なものにできると教育を受けている2年生や3年生は殆どいないと思う。

学生でもグラム染色はできるが、技術習得には環境を自ら整える必要がある。染色操作や顕微鏡の観察方法などもそうであるが、学生の間に微生物検査室を訪問し、スキルを高めておくことは将来の診療に大きな財産となるに違いない。

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医学生の皆様へ、5年生と6年生で病院研修を行う時は微生物検査室も是非研修に行ってください。勉強がんばって。

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2016年7月25日 (月)

秋田にて

7月23日の土曜日は秋田県臨床検査技師会でお話させて頂きました。

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人生初の秋田県でした。念願のスーパーこまちにも乗車できてテンションマックスで伺いました。

Photo念願のスーパーこまち(秋田駅)

さて、講演内容は秋田小町さんの要望もあり、初級者でも分かりやすい内容をお願いされていましたので、喀痰と尿のみ話をさせて頂きました。

とは言っても、毎回そうですが喀痰の話は1時間では終わりませんで、タイトな内容となってしまいました。

講演は2時間も時間を頂きまして、グラム染色の基礎(30%)+喀痰(50%)+尿(20%)という構成です。グラム染色の基礎では、染色時の注意事項、一般的な報告方法。喀痰と尿については検体を頂いてから鏡検が終わるまでのプロセスについてケースを交えながら話を進めていきました。

例えば、グラム染色だけでは重症かどうか、急ぐ症例かどうか分かりにくいことが多いのですが、色々な検体を処理しているうちで「あ、これ急ぐよね。」というのが混じってきます。あまり見かけない菌が見えた場合は当たり前は当たり前ですが、普段よく見ますが、ここの材料からは出てこないよなという症例もその一つです。
混濁した髄液が出てくれば誰でも急ぐことは分かりますよね。

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こういう症例は、帰る間際であったり、週末でバタバタしている時間に限ってきませんか?

今日、忘年会なんだよね~。だから結果は明日で良いかな?なんて思う人は居ないとおもいます。きっと採取した現場では何でも良いから早く結果が欲しいと思っているに違いありません。髄液穿刺は来院して直ぐ抜く場合もありますが、大方データが揃ったり診断が終わりの方に出てくることも多く、既に時間が経過していることもあり、結果は早く欲しいところです。うちでこれほど濁った髄液の場合は、最初に遠心せずに塗抹を作成し、後に沈渣の塗抹を塗ります。遠心せずに直接塗抹を作成して菌が見えたら早く診断に繋がるからです。

当日はノカルジア肺炎+膿胸とMRSAの腹腔内感染などについて説明していきました。

【ノカルジアはなぜ急ぐか】
検出が稀なので、遭遇する症例として稀になります。検査室で「おー、写真撮らなきゃ。」では無く、これは「非コモンなので、結果急ぎそう。」になります。検査室では何回か見ても、医師に取っては千載一遇です。また、菌の形が類似のActinomycesはペニシリンが第一選択ですが、ノカルジアはβ-ラクタマーゼ産生するのでペニシリン耐性になります。これこそ、キニオン染色が大きな影響力を持つことになります。

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【MRSAの腹腔内感染】
横隔膜下臓器では、腸内細菌科の感染が多くなります。また、手術や悪性腫瘍に関連した疾患の場合は緑膿菌などのブドウ糖非発酵菌のリスクが高くなります。つまり、菌が判明していない場合は緑膿菌と腸内細菌科を中心とした治療が先行することが多くなります。

グラム陽性球菌やCandidaについては最初から想定していないことが多いと思います。そこで、このようなグラム陽性球菌Cluster形成のある場合はどうでしょうか?やや小型のClusterで貪食多数であればS. aureusの可能性が高いと考えることができます。また、MRSAのキャリアであればMRSAの可能性は高まり、ブロードなβ-ラクタムであっても効果が無いかもしれないことが分かります。つまり、普段は遭遇するのですが、そこの部位から出にくい菌であれば、初期治療薬でカバーできていないことがあり、報告が早い方が良いのです。

【喀痰の解説】
喀痰の解説はいつも肺の解剖学的な内容と喀痰の成因をベースに塗抹像の解説をしていきます。いつも、菌の接着部位とそこから出てくる体液との関係、グラム染色像の特徴を整理して話します。

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また、患者の状態が悪い時に出てきた菌の臨床的意義はどう解釈するのか?貪食像は全て治療対象なのか?という内容に触れました。喀痰中のCandidaは貪食していても殆ど肺炎の原因とはならないという内容を取り上げました。

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また医師にはどういった内容を伝えると効果的なのか、メッセージ性の強い報告を端的に済ませるにはどういう内容で話すれば良いのか?など、普段、自分自身相談を沢山貰う中でまとめたことについて話を交えました。
4_2 まだまだこれ以上にあると思います。

最後に、懇親会もして頂きました。

普段、悪いことばかりしている私に、なまはげは温かく迎えてくれました。
また、Kさんに教えて頂きました ババヘラアイス は美味しく頂きました。

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秋田の皆さんは本当に熱い方が多く、良い刺激を頂きました。
秋田の皆さんお世話になりました。

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2016年7月 6日 (水)

血液培養からブドウ球菌が出たら全てCEZ+VCMなのか?

皆様、この1ヶ月間お休みしておりました。
更新が無いのでブログ愛好家が減ってしまいそうです。
皆様、今後とも宜しくお願いします。

今日は、先日研究会で報告させて頂いた内容について紹介します。

血液培養が陽性になり、グラム染色をするとグラム陽性球菌でクラスター形成が確認された。推定菌はStaphylococcusですが、気になるのがMRSAですよね。

Cvmrsa4 ☓1000(血液培養)

血液培養陽性時の処理は以下のような行程です。

血液培養陽性→サブカルチャー(寒天培地に分離)→18時間培養→コロニー形成→同定・感受性開始→18時間→結果判定

になります。既に血液培養陽性になるまでに18時間程度掛かるので、血液培養採取して結果が得られるまでは54時間程度かかります。

Mecapcr  

通常はグラム染色所見での介入、培養での中間報告、同定感受性検査結果報告時の3箇所で介入を行いますが、PCRを用いた場合は殆どの症例でグラム染色+mecAの結果の1箇所のみで介入が終了します。

じゃあ、最初からMRSAを想定して何でもかでもMEPM+VCMでカバーするのは理にかなっているかもしれませんが、なんだかしっくりいきませね。

だったら、血液培養陽性後直ぐにS. aureusかコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)かくらい分けれんもんかな?と思いますが、最近では質量分析機器を用いた菌種同定も病院検査室に導入が進んできて1時間程度で同定ができるようになりました。しかし、うちもその一つなのですが、かなりの高額機器なので導入できていないところが多いです。早く欲しい。

質量分析機器が無くても、グラム染色所見だけでS. aureusかCNSか分けることも可能な場合があります。

 ・バクテアラートを使用:感度89%、特異度98%(J Clin Pathol 2004;57:199–20)

 ・バックテックを使用:陽性予測値は 90%,陽性尤度比 11.4(感染症学雑誌 2008,82:656-657)

まあ、90%程度は判断ができそうです。

Cvmrsa2 ちょっと赤いS. aureus(バクテアラートSA)

1 赤くなく、少し大きめのCNS(バクテアラートSA)

しかし、S. aureusと分かっても肝心のMRSAかどうか分からないですよね。

S. aureusだし、コンタミネーションの可能性も少ないし、MRSA考えて一先ずはCEZ+VCMを使用してみようか?という風になりますかね。

通常、感受性をすると丸2日掛かりますが、早めに感受性結果が分からないものか?

→血液培養液を使って感受性を直接することも出来ますが、感受性をするにしても、そこから1日は掛かるので明日まではCEZ+VCMを入れることになります。感受性判明時にはCEZかVCMのどちらかが無駄になってしまいますが背に腹は代えられない状況です。

長くなりましたが、今回は、この状況でmecA(MRSAの耐性遺伝子)を調べて治療薬の選択を早期に検討を行えば、どの程度処方に影響が出てくるか、コスト面を中心に考えてみました。mecAと同時にS. aureusの判定も同時に可能なPCRを用いました。

PCRにかかる時間はたったの35分。血液培養のグラム染色をしてから1時間程度でMRSAかどうかの判定は可能です。

血液培養でS. aureusが検出された20例を対象としました。2例はコンタミネーションとなったので、最終的には18例となりました。MRSAは6例、MSSAは12例です。

・MRSA6例のうち5例はβラクタムが初期治療で使用されていた。

・MSSA12例のうち1例で抗MRSA薬を使用していた。

つまり、初期治療後から血液培養陽性後のPCR検査結果まで18例中の6例で不必要な抗生剤が投与されていたことになります。まあ、最初からMRSAが出ると思って、最初からVCMも投与すること無いので当然の結果と思います。

当院は血液培養を採取したら夜間・休日を問わず検査室に送り培養を開始しますので、血液培養採取から陽性までの平均時間は15時間です。そこから処方薬の検討が行われるまで少し時間がかかります(陽性確認から報告・介入までの平均時間は2時間)ので、その間に不適切な抗生剤にかかるコストはMRSA1例あたり2700円程度、MSSA1例あたり451円でした。初期治療でβ-ラクタムを処方する機会が多いのでMRSAの場合は全て不適切になってしまいますね。

そしてS. aureusと判明したのでCEZ+VCMに変更すると過程して

①同定・感受性が終わるまでCEZ+VCMを併用する

②その場でmecAを調べてCEZもしくはVCMのどちらか選択をする

この①と②を比較するとmecAを測定した方が37万円コストが下る(MRSAの場合は1人あたり4000円、MSSAの場合は1名当たり32000円のコスト削減)結果となりました。

13533138_1042372725843935_323498838 当日ボツにしたスライドです。

mecAをすることで適切な抗生剤を早期に選択できることに加えて、余分な抗生剤処方を減らすことが図れました。

ちなみに追加でCNSも10例検討していたので、グラム染色を用いてのS. auresかCNSかの鑑別は感度99%、特異度100%となりました。S. aureusで1例でmiss readingがありました。個人的にはMALDI-TOF MSから頂いた、眼LDI-TOFということで高い検査技術の提供ができました。

PCRはCNSでも行っていますが、CNSと判明した時点でコンタミネーションの判断が早くできたので処方されずに経過観察で済んだ症例は半分以上ありました。ここでも余分な処方薬を減らすことができました。

結局、血液培養ではStaphylococcusが確認された場合は、グラム染色をしてS. aureusかどうかの菌種推定するのと、mecA遺伝子の測定をしてMRSAかどうかの確認をすることで十分に対応ができそうに感じました。菌種同定のみでは処方薬の変更は難しい局面も出てくるでしょうね。

しかし、質量分析機器を使うことで推定では無く、確定菌種を報告できることは大きなメリットであり、今は入っていませんが、もし導入が進めば検討してコストの計算をしていこうと思います。

さらに詳しい結果は、何らかの形で報告させて頂く予定です。

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