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2017年10月19日 (木)

グラム染色カンファレンス in 岐阜

下記のカンファレンスは、募集開始から4時間余りで定員に達しました。多数ご応募ありがとうございました。


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微生物学会に併せて、毎年グラム染色カンファレンスを勝手に企画しております。

今回も岐阜で開催をする予定です。
昨日から申込を開始しましたので告知します。

・日 時:2018年2月9日(金)19:00~21:00 (受付開始18:30~ )

・場 所:「旬菜 clover dining」

・参加料:5,000円(飲食代込み)

・募集人数:70名

・症例提示

1 タイトル未定
杏林大学医学部附属病院・米谷 正太

2 タイトル未定
日本医科大学付属病院・根井貴仁

3 タイトル未定
西神戸医療センター 臨床検査技術部 山本 剛

今年も表紙に正解が隠れてますが全員が外れる問題を出します。

20170120_194320 去年の模様です。

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2017年9月13日 (水)

みなさん感染防止対策加算の連携カンファレンスのネタに困りませんか?

平成24年から感染防止対策加算の取得条件には年4回のカンファレンスがあります。今年は平成29年ですので、開始して5年目です。もう20回くらいのカンファレンスをしていることになりますので、皆さんの施設でもそろそろネタがつきてきたかもしれません。

皆さんはネタをどのように探していますか?

昔、このブログを感染委員会にそのまま出している施設があると聞きましたが、こういう院内感染ネタはこのブログではなく、厚労省で一元化して紹介して欲しいですよね。
今回はこんなネタ提供です。

AMRアクションプランが示されて1年以上経過がしました。IDSAのASPガイドラインにはじまり、本年は抗微生物薬適正使用ガイドラインと8学会合同の適正使用に向けたガイダンスも出てきました。活字ばかりなので手軽に読むには抵抗がありますよね。

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抗菌薬適正使用のためのガイダンス:http://www.kansensho.or.jp/guidelines/pdf/1708_ASP_guidance.pdf

先日のカンファレンスではこのAMRネタから耐性菌のデータと血液培養の重要性について話をしました。1連の流れですね。

血液培養は重要なのは知っていますが、院内でしていないし、結果解釈に困るし、そもそもどのタイミングで採血したら良いのか分かりにくい、職員に教育するにも自分が熟知していないので自信が無いなど、院内で血液培養検査を実施してなければ中々十分な介入ができないのが現状です。だって、院内実施していても十分で無い施設も多いのですから。

抗生剤が要らない施設が無いように、血液培養が要らない施設は無いのです。

とりあえず、施設間の比較をするために適切な採取ができるか検証をしなければなりません。あまり複雑なパラメータを比較しても良くないので、最低①1000患者当たりの採取セット数と②2セット採取率を比較することは良いかと思います。抗菌薬で言えばAUDを比較するみたいなものですかね。

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①は延べ入院患者数と血液培養のセット数(2セット採取でも1回なら1セットで換算)が分かれば十分です。延べ入院患者数は自院の医事統計で調べてください。もしくは病床数に30をかけて、90%をかけると90%の稼働率としての延べ入院患者数が概算できます。

=総セット数÷延べ入院患者数×1000

②は血液培養の総セット数と2セット採取数が分かれば十分です。

=2セット採取数÷総セット数×100

今年の当院は①が32.7、②が90%でした。

おそらく、自院で血液培養をしている施設とそうでない施設の開きは大きいと思います。
うちは慢性期なので血液培養の対象患者が少ないんですよとか、救急患者があまり居ないので陽性になりそうな患者が居ないんですよ、という話も聞きますが、腎盂腎炎の患者も少ないのでしょうか、肺炎患者も少ないのでしょうか。腎盂腎炎や肺炎などは高齢者の感染症に当たり前のようについてくるので必要でしょうし、ルートキープ出来ない場合はCVも作るので余計に血液培養は重要になってくると思います。何度も言いますが、「抗生剤が要らない施設が無いように、血液培養が要らない施設は無いのです。」

血液培養の報告には色々とオプションがつけれますが、それを知らない医師も多いのが現状です。グラム染色の結果が直ぐに貰えるのも知らないし、グラム染色の結果で抗生剤の処方内容が劇的に変わるということも知る機会が無いのかもしれません。

グラム染色結果を参考に不明熱と思われている患者の身体所見を取り直しているとわかることも出てきます。菌体の特徴を掴み、菌種推定をして臨床症状と照合しながら感染症の原因臓器を特定して、それに併せた抗生剤を処方することこそ、ASPに必要で簡単なアクションになるかもしれません。最終的には同定・感受性結果がDefinitiveには必要ですが、それ以前に抗生剤を絞り込むことができる場合もあります。

Gas2 血液培養のS. pyogenes(A群溶連菌)

連鎖が長いのが特徴。ボトルは溶血し、皮膚軟部組織感染症を疑うとなればカルバペネムでなくペニシリン(PCGやABPC)で対応可能かもしれません。

S_mitis_gordonii3 血液培養のS. mitis(Viridans streptococci)

連鎖が長いのが特徴。ボトルは褐色に混濁し、心雑音があれば感染性心内膜炎を疑ったたり、ケモ中で粘膜障害があれば発熱性好中球減少症の原因が菌血症であることがわかるかもしれません。Viridansはペニシリン耐性、セフェム耐性菌が問題になるので、感受性がわかるまでペニシリンやセフェムにVCMを加えても良いかもしれません。CFPMも万能ではありませんので。感染性心内膜炎ならPCGのMICによってはアミノグリコシドを併用しないとダメかもしれません。

2 血液培養のE. faecalis

連鎖が短いのが特徴。泌尿器や消化器に何らか感染症のフォーカスがあればこの菌である可能性が出て来る。Enterococcusはセフェムが無効ですが、E. faecalisならペニシリン、E. faeciumならVCMが第一選択になります。菌種不明であれば併用またはVCMによる初期治療開始になります。

検査室も外部委託していてもその情報はfaxか何かで届くのですから、そこからのアクションは非常に大切です。

Gpc

安易な発想で申し訳ありませんが、アルゴリズムを書き出してみました。これが正解ということではありません、一応こういうことでグラム染色は使えそうですという一例です。ある程度の幅を持って見ていくことが大切です。

出てきた菌を少し解釈しながら報告に活かすのは検査室の大きな役割であり、ASには必要です。そのためにも血液培養の採取状況を比較し合うのは重要な感染対策の一つでは無いでしょうか。

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2017年8月28日 (月)

細菌検査室はAMR活動に必要なのは明確なことである

臨床検査技師以外の方は読んでもピンと来ないかもしれません。すいません。

先日からセミナーや研修会やらと参加していますが、勉強会をするたびに出てくる言葉は「微生物検査室はAMR活動から取り残されそうである。」という話題がある。

先日8学会合同で抗菌薬適正使用のためのガイダンスが出ていますが、あまり微生物検査について言及されているものがありません。血液培養2セットが必要とか、感受性はMICを測定してその評価に当てましょうとか、バイオマーカーを有効活用しようとか。。。そもそも、このガイダンスは最初ガイドラインだったのですが、初期作成段階で臨床検査技師がメンバーに入っていなかったこともあり、抗菌薬適正使用について記載内容が現在の細菌検査の現状を反映していないことが一つの要因と思う。しかし、記載されないことは、それだけで済まれることでは無いと考えることができないだろうか?

もともと、今回は外国で作成されたガイドラインを日本語訳にして類似のガイドラインを作っているのだから、日本の現状に合わないのは皆さんご存知の通りだが、部分的には共通している話題もある。

Photo 8学会合同で発表されたガイダンス
http://www.kansensho.or.jp/guidelines/pdf/1708_ASP_guidance.pdf

IDSAのガイドラインでは質量分析を使用しても抗菌薬適正使用のために直ぐに繋がるものでは無いとか、培養検査の意義はどれだけあるのかとぼんやりしか書いていない。グラム染色を用いた診療が日本では進んでいるが、記載が無い。このガイドラインを参考にした場合には、AMR活動において細菌検査室には何ができるのか?と思わざるを得ないと考える。

細菌検査室が行っている業務には菌を分離して報告をするのが最低限行えることであるが、これは当たり前のことである。この作業は細菌検査室がしなくて誰がするのか?と考えると必然的に答えがでてくる訳である。

検体採取の指示は誰がするのか?ですが、それは医師です。もしくは一部看護師さんが医師にお願いしてしていることがある。医師以外は検査処方権が無いからである。

結果の解釈は誰がするのか?

・菌の臨床的意義付けをするのは医師か臨床検査技師
・感受性の結果から抗生剤を選択するのは医師か薬剤師

果たして今の状況でどの施設も臨床検査技師が検出菌の意義付けを話できるのかという疑問がある。認定臨床微生物検査技師であればその意義付けはできるだろうが、微生物に対しての知識が無い場合は到底無理である。そういう状況が今回のAMRから少し外れているのかもしれない。菌のことでテレビやラジオなどメディアに臨床検査技師が登場することはあまりないことも国民の認知度が低い原因の一つかもしれない。分離した菌の同定をするのが臨床検査技師であれば、国民へのメッセージも臨床検査技師が行うべきであると良く思う。

例えば、菌の臨床的意義付けをする場合は対象臓器に影響の強い菌かどうかが肝心である。一番特徴的なのが大腸菌の尿路感染症である。尿から大腸菌が大量に出ていて、発熱があれば急性腎盂腎炎を疑うため、抗生剤の投与を行うので、感受性に見合った抗生剤の選択をしなければならない。尿を出して、グラム染色でGNRが多数見えると、「ああ、大腸菌かな」と思う訳で、GNRの臨床的意義付けが行われる。そこには臨床検査技師がどの程度役立っているのか明確でものはない。

翌日発育して大腸菌だろうと思われるコロニーが生えてくる。まあ、細菌検査をはじめて1ヶ月もあれば大腸菌のコロニーなどは見分けがつくわけである。推定菌を返さないまでも、GNRの選択培地に発育するのでグラム陰性桿菌であることは明確である。そこにも臨床検査技師がどれだけ役に立っているのか明確なものはない。

Mac_e_coli GNRしか生えない培地(マッコンキー寒天培地)に赤色コロニー。当たり前だが腸内細菌群と言えない臨床検査技師は居ないと思う。

さらに次の日には感受性検査結果が出てくるが、検出菌が大腸菌でCTX耐性、CAZ耐性、LVFX耐性、CMZ感受性となれば、ESBL産生大腸菌の可能性が高くなります。大腸菌のESBL産生菌は、今や市中で分離される大腸菌のうち2-3割を占めている菌です。安易にCTRX投与、LVFX投与とすると足元をすくわれかねない内容です。結果はLISで飛んで画面で確認ができる。それを医師や薬剤師が見て抗生剤の変更を行う。ここにも大腸菌ESBL産生菌の検出が直接治療にどの程度結び着き、臨床検査技師がどれだけ役に立っているのか明確なものはない。

そうです。臨床検査技師がしている普段から仕事はAMR活動には欠かせない存在なのですが、いつしかAMRには必要なの?と思われる仕事に変わっているのです。確かに、臨床検査技師がベッドサイドに赴き、結果について医師や薬剤師に説明したりする機会は少ないので、尚更検査結果について顔が見えるものでは無いのである。役に立っているのかでは無く、役立てれるものに検査結果を臨床検査技師が使えているのかどうかである。昔から菌を分離して診断や治療に貢献してきた、院内感染対策に貢献してきた歴史は長いので自覚をもってやれば良いのです。

積極的に気になる検査結果は医師に報告をする。耐性菌であれば感受性の抗生剤について提示を行う。変更するかどうかは医師が決定するのであり、検査結果に基づいた処方提案をすることは別に間違ったことではないと思う。

ただし、耐性菌については機序などは知っていても、抗生剤に対しての知識はそこまで長けてないのが現在の問題点である。分からないのであれば薬剤師と相談して処方提案をより確実なものにすれば良いだろうし、起炎菌でない可能性があれば処方変更する場合に疑義を言えば良いのだから。感染症を専門にしている医師で無ければ、菌の病原性に基づいた抗生剤処方はハードルが高すぎることであり、そこに医師と薬剤師と臨床検査技師の立ち位置が自ずから決まってくるのでは無いかと思う。

培地に生えた菌は全て病原菌ではない。
培地に生えないけど病原菌はそこにある。

細菌検査は培地というツールを上手に使いながら、いかに病原菌を栽培し、目に見える形にするのか。また、生えた菌が必要なものか、不要なもので退治が必要なのか、しっかりと臨床的意義を考えながら結果を報告していくことは本当に必要な時代になったと言える。

そういう意味で、グラム染色の結果をより具体的に行うことはAMRに繋がると思う。
皆さん、やれること、気付いたことは言葉に起こし、suggestしていきましょう。

尿から分離された大腸菌のグラム染色所見

3 尿に見える大腸菌(孤立した菌が多く、中型で辺縁がやや丸い)

これをみて、どういう疾患が考えられるのか、感受性率はどうなっているのか、頭に浮かべながら見ていく習慣をつけていくと良いと思います。

尿検体の場合は

・腎盂腎炎なのか?(実質臓器感染なのか)
・膀胱炎なのか?(管腔臓器感染なのか)
・男性なら前立腺炎なのか?(尿路感染症と違い抗生剤の投与期間が違う)
・そもそも無症候性細菌尿なのか(抗生剤処方が必要なのは妊婦と泌尿器手術前のみ)

を類推していく必要があります。

ESBLであれば検出時に使用抗生剤をチェックして耐性の抗生剤であれば報告をする。

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2017年8月24日 (木)

今年もしますEBICセミナー in Kobe 2017

何かと感染症や臨床微生物のイベントが多い神戸ですが、今度はEBICセミナーを開催します。

毎年開催していますEBICセミナーですが、神戸開催も今年で4年目(?)です。

http://www.ebic.jp/news/2017se2-in-kobe-2.html

CLSIは日本で汎用されている薬剤感受性検査の基準です。毎年細かく更新されていきますが、中々まとめて知る機会がありません。EBICセミナーではこれらをダイジェストにお知らせしていくと同時に、感受性検査結果をいかに有効に臨床現場で使えるようにするのか考える貴重な機会を提供してくれます。

去年と同様CLSIの解説は順天堂大学の上原先生が解説してくれます。
今話題のAMRについては神戸大学の岩田先生のレクチャーがあります。

お時間があれば是非参加してください。
私はいつも臨床で役に立ったグラム染色の症例についてお話をします。
今回も30分時間を頂き、症例に沿って菌の鑑別や症例との融合、抗生剤の選択について簡単に話していきます。

グラム染色所見は菌が見えるのも見えないのも情報として必要です。鑑別に挙げたが菌が居なければ鑑別から外れる可能性がありますし、鑑別に挙げた疾患では非コモンな微生物であれば非常に臨床的意義が高くなります。

日常、感染症例に遭遇している中で、「この情報はどう読むのか?」と悩んだり、「あ、出来れば早く情報欲しかったなあ」と後悔する症例はあると思います。そういう症例は直ぐに解決しないので、1つ1つ解消していき、次回同じ症例に遭遇した場合に使えるようにしていくことが大切です。

今回は2例準備しました。時間があればおまけ症例2つ入れ込みます。

皆さん宜しくお願いします。

写真は紹介する1つのグラム染色像です。材料は眼脂です。

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2017年8月 8日 (火)

耳原GP+1セミナー体験記

7月30日に大阪の耳原総合病院でGP+1セミナー感染症編が開催されお話する機会を頂きました。

20170730_093931 キレイな病院ですね。

今年、耳原総合病院には総合内科に、あの藤本卓司先生が赴任され一層厚みのある診療が行われているようです。藤本先生と言えば感染症レジデントマニュアルの著者であり、グラム染色所見を感染症診療の一つとして、初学者向けに分かりやすく、またポケットサイズの参考書を作られています。http://www.igaku-shoin.co.jp/bookDetail.do?book=81168

個人的には藤本先生とは感染管理のお仕事でご一緒させて頂いた15年程度のお付き合いがあり、今回呼んで頂きました。この研究会で学んだ内容は数知れず。http://www.kipn.net/index.htm
当日は、私のグラム染色・培養検査の話と
・埼玉医大 岡先生の感染症プラチナ特講 (感染症プラチナマニュアル:https://www.medsi.co.jp/books/products/detail.php?product_id=3556

・滋賀医大ベストティーチャー賞長尾先生の胸部画像のお話 (やさしい呼吸器教室:http://tnagao.sblo.jp/

・耳原総合病院の藤本先生の身体所見のお話

+総合内科の河村先生より感染症・身体所見クイズ

と盛り沢山の内容でした。

こんな講師陣の中に混じって良いのかと少し感激しながら参加しました。
当日は声を掛けて頂いた藤本先生はじめ、耳原総合病院のスタッフ(特に医局課長の川畑様)の皆様ありがとうございました。

20170730_094011
募集人数が50名でしたが、当日は研修医や専攻医中心に100名近く参加されており、中にも学生が何人が居られました。

20170730_100359 熱気ムンムンです。

当日は微生物が苦手な受講生も多いと思い、かなりベーシックな内容からGP+1だけに、+1として同定・感受性が終わるまでに推測できるものについて話をしました。

微生物検査は原因菌の特定に必要な検査であり、その内容を深読みすることは臨床推論を行う上でかなりのアドバンスであると思います。

特にグラム染色所見を用いた感染症診療については、患者さんが来て主座がわかればそこの材料を採取、染めて抗生剤を絞るとなんと簡便な方法なんでしょうか。しかも炎症の状態も目の当たりにできます。

培養検査はグラム染色の欠点を補うことができる検査です。グラム染色より感度が良いので、グラム染色では確認が出来なかった菌について考察することができます。また、グラム陰性桿菌とざっくり切っても、翌日培養で確認すると培地上のコロニーが全く違うので、グラム染色所見より明確に菌種推定ができます。


2 細菌性腸炎患者の糞便グラム染色所見
グラム陰性桿菌ばかりで、らせん桿菌(Campylobacter)も無いし、これだけではわからないかな。

3 DHL寒天培地上のコロニー。

これだけハッキリしていれば十分に菌種推定が可能ですね。

7 緑膿菌とKlebsiellaの違いを言葉にするとこうなります。

当日は会場からグラム陰性桿菌で菌が細い場合には腸内細菌群は除外しても良いのでは無いか?という高度なコメントも頂きました。

2017gp1緑膿菌とKlebsiellaもグラム染色所見ではよく見れば違いが分かるのですが、分からなくても翌日検査室に行けば菌の色や形は大きくちがいます。

緑膿菌には抗緑膿菌作用の抗菌薬が必要ですが、Klebsiellaには必要がありません。抗緑膿菌作用を狭めるだけでも抗菌薬の絞込ができていることになります。

コロニーの見方は教科書的には色々あり、臭いや色、光沢、粘り気なども参考になります。
1 培地や培養の条件にも左右されますね。

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また、グラム染色の大きなメリットは複数菌でも同時に検出可能なことと、それが感染巣から出てきているかどうかの確認も可能なところです。肺炎球菌は尿中抗原でも検出可能ですが、M. catarrhalisは不可能で、尿中抗原のみ陽性でペニシリンだけを使うと失敗するので、グラム染色所見を同時に考えて抗菌薬を選択することが必要です。

5 翌日培養ではこんなに違います。

6 肺炎球菌は自己融解を起こします。

培養の欠点をグラム染色で補えますし、グラム染色の欠点を培養で補うこともできます。
ここに身体所見と画像所見、総合的に捉える診察スキルが加わると巨大なパワーが得られるのは間違えないですね。

医師の皆さんは検査室から診療のコツを教えてもらう機会があると思ってもこなかったと思いますが、検査室には色々と情報があります。気になれば検査室に顔を出してみては如何ですか。

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2017年7月 7日 (金)

【ご案内】第28回神戸グラム染色カンファレンス開催 7/13

 神戸では年に3回のペースでグラム染色をテーマに感染症診断・治療に関するカンファレンスを開催しています。グラム染色から切り込んで得られる情報をもとに感染症診療をどう進めていくのか、医師、臨床検査技師、薬剤師のそれぞれの立場から学んでいく会です。参加者はテーブルディスカッションを通して活発に討議を行う新しいタイプのカンファレンスです。お時間のある方はご参加宜しくお願いします。

日時:平成29年7月13日(木) 18:50~21:00頃

場所:三宮研修センター(神戸市中央区八幡通4-2-12)

参加費:500円
一般演題
1.「肺気腫の既往のある80歳男性の肺炎」
明石医療センター総合内科 水木真平先生、検査科 森下絵梨先生
2.「人を惑わせる宝石」
大阪急性期・総合医療センター総合内科 中島隆弘先生
(追加発言)
神戸市立西神戸医療センター臨床検査技術部 山本剛先生
どんな症例が出てくるんでしょうかね。非常に楽しみです。
2017713

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2017年7月 1日 (土)

沖縄県臨床微生物研究会にお邪魔しました

先週の土曜日(24日)に沖縄県で講演する機会を頂き行って参りました。

人生2回目の沖縄でちょっぴりレジャー気分。
沖縄は神戸から飛行機で1本。最近はLCC路線が繋がり安くて6000円程度で行けます。なんとリーズナブルな時代なんでしょう。

20170624_102835
神戸は20℃前後、しかし那覇は35℃近く。梅雨明けでもう真夏でした。

沖縄で時間ができたので、何かしておきたいと思い「沖縄そば打ち体験」をしました。
読谷村のバアバに怒られつつようやくできた沖縄そば。太麺で頂きました。

お昼を済ませ会場に行き講演開始です。

いつもは20~30人程度の研究会ですが、60名を超える方に来ていただきました。
臨床検査技師以外にも医師や研修医、看護師、薬剤師と多職種の方が来ていたそうです。

1498558003163 会場は熱気むんむん。


グラム染色の聖地ですので生半可なことを言えませんので教科書には書いてないこと、授業では習う機会の無かった内容を中心に話しました。

グラム染色には限界があり、染まらない菌、染まっても細胞の区別は分離困難であることについて話しました。

16 マイコプラズマは細胞壁が無いので染まりません。


しかし、何もなければマイコプラズマも鑑別すべき微生物の一つになります。

教科書に書いていない内容では、毎回させて頂いている喀痰の成因と喀痰グラム染色の対比の話をしましたが、染色像のバックグラウンドをもとに起炎菌を推定していく話をしました。

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時間が無かったのですが、尿と膿についても少し加えました。ちょっと前に大阪でしたものと同じです。

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膿尿に始まり、膿尿に終わる尿路感染症のグラム染色。

膿尿にも奥深い意味が隠されています。少しだけ紹介しました。

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膿は全ての菌が培養でフォローできている訳では無いのでどういった菌がどの程度いるのか確認をすることが大切である。脳膿瘍についてはどういう菌が見えているかで成因が変わるので、感染源を特定する上でグラム染色は有用ですという話をしました。

最後は心構えです。見る前にしっておくとより理解が深まります。

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夜は懇親会をして頂きました。

沖縄の熱い、暑い夜は非常に楽しかったです。
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翌日は沖縄のナイス・ガイ2人に美ら海水族館まで連れて行ってもらいました。感激。
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念願のサニーゴもゲットです。

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本当に沖縄の方々にはお世話になりました。お話できてないことは沢山ありますが、患者さんを中心にしてグラム染色像の確認を続けていってもらい、「ん?これいつもと違うな。」という感覚があれば、是非主治医とディスカッションをしてください。色々なものが見えてくると思います。

また話する機会があれば宜しくお願いします。

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2017年6月 9日 (金)

今後の予定 2017年6月以降

定期的に今後の予定についてお知らせしています。

ご興味のある方は聞きに来てください。
1.大阪府臨床検査技師会 微生物検査部門定期講習会
http://www.osaka-amt.or.jp/cgi-bin/sche/sche35.cgi?cm=1
日時:2017年6月22日(木) 18:30~20:00
場所;大阪医療技術学園専門学校
テーマ:「ケーススタディー方式で学ぶグラム染色の見方・考え方」~尿とか膿汁とか~
備考:去年の喀痰の続きです。
2.第194回沖縄臨床微生物研究会
日時:2017年6月24日(土) 16:00~18:00
場所:那覇市立病院 3階講堂
テーマ:「明日の診療から使えるグラム染色読解術~もう菌(あなた)はチェックメイトされています~」
備考:どうして、その菌と言い切れるのか?病態を含めて理詰めでグラム染色像の読解術について紹介します。
3.第1回 耳原総合病院 GP+1セミナー(医師対象)
日時:2017年7月30日(日) 10:00~16:30
場所;耳原総合病院
4.第24回日本臨床微生物学会教育セミナー(募集は終了しています)
日時:2017年8月19日(土)~20日(日)
場所:神戸市立医療センター中央市民病院講堂
5.EBICセミナー in 神戸
http://www.ebic.jp/news/2017se2-in-kobe-2.html
日時:2017年9月2日(土)
場所:神戸大学医学部シスメックス会館
備考:毎年恒例のCLSIの話+岩田先生の講義 私はグラム染色の話。
7.その他
東北地区の研究会(9月予定)
中部地区の研修会(11月予定)
毎年恒例のグラム染色カンファレンス(第29回日本臨床微生物学会に併せて;場所は名古屋駅前)

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2017年6月 7日 (水)

【速報】「第1回薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰」における 優良事例の表彰決定!

「第1回薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰」における 優良事例の表彰決定しました。

http://www.cas.go.jp/jp/houdou/170607-1amr.html

M医院のM先生が、グラム染色を用いた診療支援について厚生労働大臣賞を受けることになりました。おめでとうございます。M先生とはこのブログがきっかけで知り合うことができました。グラム染色道場バンザイ。

M先生は日常診療の中でグラム染色を診療の第一線で使用し、診療内容と治療、患者への情報提供を行い、服薬指導に活かされています。

Photo_2 去年のテレビ番組より

グラム染色がAMR活動に無くてはならないものであることが証明されたと思います。
画期的な検査技術でもありませんし、高い検査機器も必要ありません。保険点数は61点。
Photo_5 10分程度で行える簡単な検査です。

Photo_4 色を青と赤に染め分けて菌種推定をします。

少し判読の技術が必要ですが、どこでも簡単にできて、菌と炎症所見が同時にわかる検査です。臨床検査の多くが菌のみを検出する仕事が多いのですが、グラム染色は炎症所見も読み取れることが大きなメリットです。細菌感染が起これば病巣に多核白血球が集まります。白血球と一緒に見える菌が起炎菌である可能性があります。

400 尿路感染症を起こしている大腸菌。

本当に最近、テレビでグラム染色を見る機会が増えました。たまに某放送局の総合内科をテーマにしたテレビ番組にもお手伝いする機会が増えましたし、動物愛好家の情報雑誌にも取り上げて頂きました。

Photo_6 某テレビ番組

18194760_1319115088169696_2166647_2 某情報誌

本当に、日常コツコツと行っている仕事について表彰を受けるというのはモチベーション上がりますね。明日からも頑張っていきたいです。

本当にブログ続けてて良かったと思います。グラム染色バンザイ。

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2017年4月 7日 (金)

【ご案内】第24回日本臨床微生物学会教育セミナーの開催について

下記のセミナーは応募者が定員に達したので、受付終了とさせて頂きました。

多数の応募ありがとうございました。

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勉強会の開催案内ばかりですいません。

今年の8月に神戸で教育セミナーを開催します。先日、学会ホームページにも掲載し、募集を開始しました。まだ先の話のようですが、予算取りなどあると思いますので早めに紹介します。

日程:平成29年8月19日(土曜日)午前9時~8月20日(日曜日)午後1時
場所:神戸市立医療センター中央市民病院 講堂
担当:笠原 敬(奈良県立医科大学感染症センター)、山本 剛(神戸市立西神戸医療センター臨床検査技術部)
テーマ:臨床現場で期待される微生物検査室の構築
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プログラム

8月19日(土曜日)1日目

午前(9時~11時30分)
 講義1:感染症医から見た微生物検査室のあり方
  講師 奈良県立医科大学感染症センター 笠原  敬
 講義2:同定感受性結果を待たずに検査結果を有効に活用するためのノウハウを学ぶ
  講師
  (1)塗抹検査結果をどう活かすのか?
   西神戸医療センター臨床検査技術部 山本  剛
  (2)簡易検査で報告できる同定結果
   関西医療大学保健医療学部 大瀧 博文
  (3)感受性検査結果を予測できる簡易検査の活用
   神戸大学医学部附属病院検査部 中村 竜也

午後(13時~17時30分)
 講義3:耐性菌サーベイランスを現場に活かす
  講師 大阪国際がんセンター感染症センター 河村 一郎
 講義4:微生物検査と抗菌薬サーベイランス
  講師 京都薬科大学 臨床薬剤疫学分野 村木 優一
 講義5:本音で語る 微生物検査室ディレクターの仕事
    ~微生物検査技師の人材育成と効果~
  講師
  (1)大学病院の立場から
   順天堂大学病院医学部附属病院順天堂医院臨床検査部 三澤 成毅
  (2)市中病院の立場から
   亀田総合病院臨床検査部 大塚 喜人
  (3)検査センターの立場から
   株式会社エスアールエル 島川 宏一

ランチョンセミナー(仮題)微生物と免疫
  講師;奈良県立医科大学免疫学講座教授 伊藤 利洋

8月20日(日曜日)2日目

午前(9時~12時)
 講義6: 感染制御における微生物検査技師の役割
  講師 金沢医科大学臨床感染症学 飯沼 由嗣

 演習:ケーススタディ方式によるグループディスカッション
  プレゼンター
  (1)兵庫県立尼崎総合医療センター感染症内科/ER総合内科 松尾 裕央
  (2)兵庫県立こども病院感染症科 笠井 正志

講義の順番については入れ替わる場合があります。日程等は後日ホームページでお知らせします。

参加費:5,000円
交流会費:4,000円
募集人数:100名(先着順受付)
参加資格:当会会員であること
申し込み方法
E-mailまたはFAX・往復はがきに、以下の事項を明記し、下記事務局までお申し込みください。(1)第24回日本臨床微生物学会教育セミナー参加希望、(2)交流会の参加希望、(3)所属、(4)氏名(フリガナ)、(5)会員番号、(6)連絡先住所、(7)電話番号、(8)FAX番号、(9)メールアドレス、なお、往復はがきで申込の際は返信用はがきに宛名・宛先を忘れずにご記入ください。

締め切り:平成29年7月14日(金曜日)必着
申込先
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-26-2 五反田サンハイツ1209
日本臨床微生物学会事務局 E-mail:jscm@qk9.so-net.ne.jp
TEL:03-5437-1480 FAX:03-5437-1488

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神戸の夜を堪能して頂けるような意見交換会も考えています。

皆様宜しくお願いします。

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