ソーセージ理論
グラム染色所見でグラム陰性桿菌を区別したいという相談を多く受けますが、どの程度で鑑別ができたか?という具体的な論文は見当たりません。
特に多く聞かれることに「腸内細菌と緑膿菌の区別ってどうするのか?」 ってのが多いです。
教科書的ではClinical Microbiology Procedure Handbookという微生物検査の聖書がありそこにはこう書いています。
腸内細菌科(目):
Gram-negative bacilli: thick, short to medium length with rounded ends; antimicrobial agent-affected organisms may be pleomorphic, filamentous, and/or irregularly staining. (直線的な桿菌、短~長いものまである。辺縁は丸く、抗生剤が作用されたものは長細くなったり変体する)。
Pseudomonas属:
Gram-negative bacilli: thin, medium to long length; alginate capsule may be seen surrounding cell; antimicrobial agent-affected organisms may appear filamentous, coiled, and/or pleomorphic.(細い桿菌、中~長いものまである。辺縁は丸いものから尖ったものまである。抗生剤が作用されたものは長細くなったり変体する)。
個人の見解としては細いGNRは腸内細菌ではない。太すぎるGNRは緑膿菌ではない。
緑膿菌と形態が似ている菌としてKlebsiellaがあります。ムコイド株の緑膿菌とKlebsiellaは本当に良く似ているのですが、じっと見ると少し違いがあります。
緑膿菌とKlebsiellaは、培養すると全然違うコロニー形成するし、使用する抗菌薬も違う。だったらグラム染色所見で違いがあっても良いのでは無いか?と思う人も多いと思います。
臨床医の中には、どうしてこの2つが区別できないんだと思う人が居るでしょうし、この2つのGNRはこんなにも違うんだと逆に感心する人も居ると思う思います。
これが"The 緑膿菌"です。
少し話を変えますが、GNRを表現するとき困りませんか?細い、小さい、ムコイドなどなど。肺炎球菌のようにわかりやすくならないのかと思いますよね。教える方も大変です。そんな時はソーセージ理論です。東京から福岡に行ったN井先生からヒントを頂き自分の表現方法をソーセージに例えました。
実にくだらないと思いますが研修医教育に使ってみてください。ソーセージだけに意外と美味しいと思います。
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