石鹸による手洗いはコロナウイルスに有効か?
(一部内容を変えて掲載し直しました)2020年5月10日 13時更新
新型コロナウイルス感染症の予防対策に手洗いが有効とされています。手洗いは皮膚に付いた病原体を洗い流すし衛生を保つ意味がありますが、体液汚染が少ない場合はアルコール消毒で代用が可能です。アルコールは使用時に体熱の熱損傷が多く、なんとなく「手洗いよりアルコールの方が効きそう」と思いがちですが、新型コロナウイルスのみならず手洗いが感染防止対策の基本です。
一般的なコロナウイルスの構造を示しましたが、ウイルスの遺伝情報となるN蛋白を脂質で取り囲み、蛋白が分布しています。エンベローブは石鹸で表面構造を破壊し、簡単に破壊されウイルスは失活します。石鹸で取り囲まれたウイルスの残骸は水洗で排出されるため非常に衛生的ですが、新型コロナウイルスはS蛋白が他のコロナウイルスに比べて長く感染性が維持され石鹸の効果が少し劣ると言う報告もあります。大量にウイルスを含んでいる場合は手洗い後にアルコール消毒をすることで感染性はよりなくなります。
阪大微研究所のHPより拝借(http://www.biken.osaka-u.ac.jp/news_topics/detail/1077)
https://www.nytimes.com/2020/03/13/health/soap-coronavirus-handwashing-germs.htmlを改変
手洗いはシャッとするのではなく、20〜30秒間しっかりと揉み洗いをして洗い残しが無いようにすることも大切です。
また、手洗い後はペーパータオルで拭き取り、しっかりと乾かしましょう。布タオルやハンカチで拭き取ることも良いですが他人との共用は避けることが必要です。5月4日に公表された「新しい生活様式」でも手洗いがの大切さが示されました。病院のみならず家庭でも手洗いの重要性を再認識する良い機会です。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html
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