第30回日本臨床微生物学会にて話ていたプライドのこと
先日開催された第30回日本臨床微生物学会総会・学術集会に参加してきました。初日から色々な企画が盛り沢山で皆さんは聞きたいものも聞けなかったと思います。
師範手前も最後の最後で壇上に上がる機会を作って貰いましたが、すでに開始前から会場前は大混雑でした。会場に入れなかった皆様、主催者に代わり深謝させて貰います。人気者ですいません。
学会事務局より当日は本ブログに沿って話をしてくださいとのことでしたので、微生物検査技師としてのプライドを医師へのメッセージとしてプレゼンテーションしました。
ところで、「プライドってなんだろう?」 って考えながら作りましたが。
皆さんも微生物検査に誇りを持って何か医師へメッセージを送るとしたら何を伝えますか?
そう考えると、なかなか難しいことのように思いますが、そうではありません。毎日、どのような考えを持って仕事に直面しているのか? その考えをまとめることが大切です。
当たり前ですが、仕事は自分の生活のためにするものです。
自分のした仕事の対価を収入として貰っていることを忘れてはいけません。
仕事があるのは、患者がいるからで、検体をオーダーしてくれる医師がいるからです。
我々の知識は色々な患者から採取される色々な検体から成り立っているため、患者に育てて貰っていることは忘れてはなりません。なので、自分のベストを尽くし患者へ結果をフィードバックすることは必須事項です。直接治療にはタッチできませんので、医師を介して治療に関わることができます。つまり、自分の成果は患者の上に成り立っており、ベストを尽くすことが必要だということがわかります。
例えば喀痰のrejection criteriaがありますが、外観上質が悪い喀痰だからって全てrejectして良いのか?という問題があります。
唾液の中に少しでも膿性部分があればそれを上手にかきとりグラム染色をすることをしなければなりません。洗浄しても上手く分離できない場合もありますが、例えば爪楊枝を使い膿性部分のみをかきとる技術こそが微生物検査技師としてのプライドの一つではないかと考えています。
また、質の悪い喀痰がある場合は、品質評価が悪いと表示するだけでなく、悪い喀痰である理由と、その結果が培養に与える影響についてもしっかりとコメントできなければなりません。胸部Xpで浸潤影がない唾液性の喀痰であれば尚更そのコメントが必要で、耐性菌が検出されたら治療してしまえと思うかもしれません。グラム染色はAMR対策に本当に一役買って出る検査の一つなんだからしっかりとコメントできる時はしなければなりません。
当日はそんな微生物検査技師としてのプライドをどう持と仕事に向き合うのか?について少しの時間お話をしました。皆さんも頑張っていきましょうね。
また、どこかの機会で同じような話ができれば幸いです。
| 固定リンク
「その他」カテゴリの記事
- 第26回教育セミナー当日のプレゼン資料(2019.10.19)
- グラム染色で病気の原因を探る(2019.05.03)
- 第30回日本臨床微生物学会にて話ていたプライドのこと(2019.02.05)
- 先日書いた記事の解釈について(2019.01.01)
- グラム染色はどこまで使えるのか?(2018.12.14)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
我々の知識は色々な患者から採取される色々な検体から成り立っているため、患者に育てて貰っていることは忘れてはなりません。なので、自分のベストを尽くし患者へ結果をフィードバックすることは必須事項です。直接治療にはタッチできませんので、医師を介して治療に関わることができます。つまり、自分の成果は患者の上に成り立っており、ベストを尽くすことが必要だということがわかります。
この部分シェアさせてください。
投稿: | 2019年2月14日 (木) 02時42分
宜しくお願いします。
投稿: 師範手前 | 2019年5月 3日 (金) 11時54分