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2018年7月27日 (金)

12月の医療法改定と微生物検査の対応について

本年12月13日に医療法等の⼀部を改正する法律の⼀部の施⾏に伴う関係省令の整備に関する省令の改定があります。

既にISO(15189や9001)の認定を受けている施設、または直近で認定を受ける施設では既に手順書の作成がされているので大きな問題は無いと思いますが、精度管理を曖昧にしてきた施設では何のことがわからないので、少し解説します。ただし、私も全て把握しておりませので詳しくはインターネットなどで確認してください。

今回は医療法の改定と臨床検査技師に関わる規則の細則が改定になります。

検査に関わる精度(品質)管理、精度(品質)保証、品質のマネージメントがしっかり行えているか確認できるものが必要となり、医療機関が自ら行う検体検査の精度の確保に関する基準として以下の内容が義務付けられます。そうです、義務なんです。

・精度の確保に係る責任者の配置

・精度の確保に係る各種標準作業書・日誌等の作成

・遺伝子関連・染色体検査の精度の確保に係る責任者の配置

生化学や免疫に関しては自動機器が中心であり、標準化が随分前から進んできたのですが、微生物については遅れています。

ISO認定施設では品質管理について、責任の所在を明らかにし、手順書の作成や日誌の整備を行いますが、今回はISOとっていようがなかろうが医療機関であれば作成しなければなりません。「そんなの大変やん。」、「定時で帰らないとダメなので私は関係ないわ」や「作っていることにしておいたらいいやん」など通用しません。今の業務に上乗せして手順書の整備を行わないといけないので、早めに作成に取り掛からないと年末は大変なことになります。

微生物検査は外注だから・・・というのもダメで、院内でインフルエンザ検査など簡易検査を実施していると、この手順書を作成しないといけません。

今回は以下の条件が必須条件になります。

Photo_4

1.精度の確保に係る責任者の配置(医師または臨床検査技師)

2.精度の確保に係る各種標準作業書・⽇誌等の作成

1)各種標準作業書の整備

検査機器保守管理標準作業書(検査に⽤いる検査機器等の保守管理を徹底するために作成される標準作業書)、

及び測定標準作業書(検査・測定担当者の検査手技の画一化を図り、測定者間の較差をなくすために作成される標準作業書)

2)各種作業日誌・台帳の整備

試薬管理台帳、及び検査機器保守管理作業⽇誌、測定作業日誌、統計学的精度管理台帳、外部精度管理台帳

また、以下の条件は努力目標(できれば行うべき事項であり、今後必須条件に変わる可能性あり)となります。

3)検体検査の精度の確保のために努めるべき事項

内部精度管理の実施、及び外部精度管理調査の受検、適切な研修の実施

今まで臨床検査については、品質・精度管理の基準について法律上の規定がなかったのですが、第193回通常国会において以下の法律が成立しています。その施行が本年12月であり、手順書がない医療機関においては作成が必要になります。

・品質・精度管理に係る基準を定めるための根拠規定を新設(医療法の改定)

・品質・精度管理に係る基準を省令で定める旨を明確化する(医療法・臨床検査技師等に関する法律の改正)

Photo_3

標準作業書は他院のをコピペすることは原則禁止なので、一から作っていかないいけません。たぶん、ISOの施設に聞いてもくれないと思います。

部門の作業書なので部門に関係する職員のみ周知して、確認した内容が必要でしょうかね。

今回は努力目標となった精度管理の実施状況ですが、特定機能病院(恐らく大学病院)と一般病院(恐らく国立病院機構や自治体病院)は報告書によると以下の通り

1)特定機能病院

・培養同定(実施率68%)  内部精度管理70%、外部精度管理90%

・感受性(実施率67%)  内部制度管理67%、外部精度管理95%

・病原体核酸検査(実施率28%)  内部精度管理87%、外部精度管理92%

2)一般病院

・培養同定(実施率34%)  内部精度管理66%、外部精度管理98%

・感受性(実施率34%)  内部制度管理62%、外部精度管理90%

・病原体核酸検査(実施率13%)  内部精度管理88%、外部精度管理93%

大学病院のほとんどがISO取得しているので実施率が高く、一般病院のほとんどがISOを取得していないので実施率が低いことがわかります。

参考文献

検体検査の精度管理等に関する検討会について(省令改正)

https://www.city.otaru.lg.jp/jigyo/hokenjo/shomuiyaku/tsuchisyu30.data/kentaikennsa.pdf

検体検査の精度管理等に関する検討会とりまとめ

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000200534.pdf

臨床検査における品質・精度の確保に関する研究

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000182681.pdf

本当にこれからどうなるんでしょうね。

グラム染色に関することは

・染色液の品質保証を行うために定期的(まあ、毎日でしょうね)に基準株を染める

・菌数測定(技能評価なので年1回程度ですかね)を行い陽性率を算出する

・目合わせを行う(血液培養であれば複数人で確認する、フォトサーベイで年1回目合わせする)

などでしょうか。

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