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2017年3月25日 (土)

たまに受ける質問の中で 腸球菌のβ溶血のこと

講演とかする機会があり、渡航地でたまにこういう質問を受けます。
 
「血液培養のグラム染色所見でグラム陽性連鎖状球菌。遠心すると完全(β)溶血しているので溶連菌と言ったら腸球菌が出てきて外してしまいました。」
Photo血液培養からのE. faecalis(短連鎖で横長)
20170325_131502血液培養液を遠心すると完全(β)溶血しています。
確かに完全溶血しているため、溶血と連鎖球菌を繋げると溶連菌と思います。
自分自身は経験しておりますので、あまり動揺しませんが、腸球菌のうち特にEnterococcus faecalisの一部はβ-ヘモリジンがあり、完全溶血するものがあり、そういう株は病原性が高いことが知られています。血液培養よりそういう株が出た場合はまずは感染性心内膜炎を疑うことにしています。
大学教育では腸球菌は不完全(αもしくはα’)溶血と習い、ルチンでも培地上に灰白色のα溶血したものを多く見るので、そこに気づかないことがありそうです。
失敗しないためにもまずは菌1つ1つの形態を見て菌種が何か考える習慣をつけると間違わないようになります。
Gas3血液培養からのS. pyogenes(菌は1つ1つは丸い)
また、血液培養からEnterococcusが出ていますし、感染性心内膜炎を疑う場合はアミノグリコシド高度耐性試験は治療方針を決定する上で必須です。必ずしましょう。

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