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2016年7月25日 (月)

秋田にて

7月23日の土曜日は秋田県臨床検査技師会でお話させて頂きました。

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人生初の秋田県でした。念願のスーパーこまちにも乗車できてテンションマックスで伺いました。

Photo念願のスーパーこまち(秋田駅)

さて、講演内容は秋田小町さんの要望もあり、初級者でも分かりやすい内容をお願いされていましたので、喀痰と尿のみ話をさせて頂きました。

とは言っても、毎回そうですが喀痰の話は1時間では終わりませんで、タイトな内容となってしまいました。

講演は2時間も時間を頂きまして、グラム染色の基礎(30%)+喀痰(50%)+尿(20%)という構成です。グラム染色の基礎では、染色時の注意事項、一般的な報告方法。喀痰と尿については検体を頂いてから鏡検が終わるまでのプロセスについてケースを交えながら話を進めていきました。

例えば、グラム染色だけでは重症かどうか、急ぐ症例かどうか分かりにくいことが多いのですが、色々な検体を処理しているうちで「あ、これ急ぐよね。」というのが混じってきます。あまり見かけない菌が見えた場合は当たり前は当たり前ですが、普段よく見ますが、ここの材料からは出てこないよなという症例もその一つです。
混濁した髄液が出てくれば誰でも急ぐことは分かりますよね。

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こういう症例は、帰る間際であったり、週末でバタバタしている時間に限ってきませんか?

今日、忘年会なんだよね~。だから結果は明日で良いかな?なんて思う人は居ないとおもいます。きっと採取した現場では何でも良いから早く結果が欲しいと思っているに違いありません。髄液穿刺は来院して直ぐ抜く場合もありますが、大方データが揃ったり診断が終わりの方に出てくることも多く、既に時間が経過していることもあり、結果は早く欲しいところです。うちでこれほど濁った髄液の場合は、最初に遠心せずに塗抹を作成し、後に沈渣の塗抹を塗ります。遠心せずに直接塗抹を作成して菌が見えたら早く診断に繋がるからです。

当日はノカルジア肺炎+膿胸とMRSAの腹腔内感染などについて説明していきました。

【ノカルジアはなぜ急ぐか】
検出が稀なので、遭遇する症例として稀になります。検査室で「おー、写真撮らなきゃ。」では無く、これは「非コモンなので、結果急ぎそう。」になります。検査室では何回か見ても、医師に取っては千載一遇です。また、菌の形が類似のActinomycesはペニシリンが第一選択ですが、ノカルジアはβ-ラクタマーゼ産生するのでペニシリン耐性になります。これこそ、キニオン染色が大きな影響力を持つことになります。

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【MRSAの腹腔内感染】
横隔膜下臓器では、腸内細菌科の感染が多くなります。また、手術や悪性腫瘍に関連した疾患の場合は緑膿菌などのブドウ糖非発酵菌のリスクが高くなります。つまり、菌が判明していない場合は緑膿菌と腸内細菌科を中心とした治療が先行することが多くなります。

グラム陽性球菌やCandidaについては最初から想定していないことが多いと思います。そこで、このようなグラム陽性球菌Cluster形成のある場合はどうでしょうか?やや小型のClusterで貪食多数であればS. aureusの可能性が高いと考えることができます。また、MRSAのキャリアであればMRSAの可能性は高まり、ブロードなβ-ラクタムであっても効果が無いかもしれないことが分かります。つまり、普段は遭遇するのですが、そこの部位から出にくい菌であれば、初期治療薬でカバーできていないことがあり、報告が早い方が良いのです。

【喀痰の解説】
喀痰の解説はいつも肺の解剖学的な内容と喀痰の成因をベースに塗抹像の解説をしていきます。いつも、菌の接着部位とそこから出てくる体液との関係、グラム染色像の特徴を整理して話します。

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また、患者の状態が悪い時に出てきた菌の臨床的意義はどう解釈するのか?貪食像は全て治療対象なのか?という内容に触れました。喀痰中のCandidaは貪食していても殆ど肺炎の原因とはならないという内容を取り上げました。

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また医師にはどういった内容を伝えると効果的なのか、メッセージ性の強い報告を端的に済ませるにはどういう内容で話すれば良いのか?など、普段、自分自身相談を沢山貰う中でまとめたことについて話を交えました。
4_2 まだまだこれ以上にあると思います。

最後に、懇親会もして頂きました。

普段、悪いことばかりしている私に、なまはげは温かく迎えてくれました。
また、Kさんに教えて頂きました ババヘラアイス は美味しく頂きました。

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秋田の皆さんは本当に熱い方が多く、良い刺激を頂きました。
秋田の皆さんお世話になりました。

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