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2016年5月16日 (月)

塗抹検査の効率化と適正化

先日、技師会の地方会で「塗抹検査の効率化と適正化」について話をする機会を頂きました。

塗抹検査はある程度推定菌が外れるという考えで行う検査であり、それがそのまま診断には繋がらないものなので、今回のお題目は少し難しかったのですが、自分なりにまとめてみました。
塗抹検査を適正化を持ちつつ効率化を生むのは以下の場合である
・塗抹検査で菌種推定できる。
・推定菌により、感染臓器や微生物の特定、感受性結果が予測される。
また、
・そもそも感染症が否定的である(細菌感染が否定できるを含む)。
などがこれに該当する。
4塗抹検査の効率化と適正化の関係

具体的な例は以下の通りです。
・髄液で莢膜を持つグラム陽性双球菌が確認できる→肺炎球菌を強く疑う
・墨汁染色で莢膜を持つ酵母様真菌が確認できる→Cryptococcus
これは直ぐ様介入できる大事な検査結果ですので、効率化と適正化がほぼイコールの検査結果です。
共通ワードは莢膜です。莢膜のような菌体に特徴がある場合には効率化と適正化を同時に期待できます。また、迅速化が求められる髄膜炎例では、結果報告に時間がかかる微生物検査にとっては効率の良い検査になると思います。
これは一例ですが、適当に自分なりにこの状況でこの菌が見えたらこう推定するとグレード分類をしてみた。(仮)師範手前の分類とでも言いましょうか。結構評判が良かったです。
3決定打としたかったんですが。。(真似しちゃダメよ 笑)
やはり、塗抹検査に求められるのは迅速性であり、それが治療の適正化にどのように繋がるのか考えると、重症度が高い場合は効率の良い検査のを絞り込む必要があり、そのために検査を行うべきである。

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また、肺炎球菌のことばかり出しますが、肺炎球菌性肺炎の場合ですが、グラム染色所見は材料の品質評価が良いほど培養の検出感度が高くなります。当たり前のことです。
尿中抗原もありますが、感染症を起こしたタイミングにより検出感度は低いことがあります。グラム染色で多量の肺炎球菌が確認されるが、尿中抗原陰性という結果に遭遇したことがある人は多いはずです。尿中肺炎球菌抗原だけで肺炎の診断を終わろうとし
ているところがありますが、それでは大きく足元を掬われることがあります。
次に、肺炎球菌は自己融解を起こしますのでグラム染色で多量に確認されても培養で少ししか発育しないことがあります。付け加えると材料評価が悪ければ口腔内レンサ球菌に混じるため釣菌しが難しくもなるし、肺炎球菌性肺炎の場合は喀痰から肺炎球菌が見えたということを明示しておくことで、培養の検出感度も高くなります。こえが培養の適正化に繋がり、診断も適正化に繋がる効率の良い検査になります。
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やはり材料評価の良い検査材料は微生物検査の命と言って良いでしょう。
喀痰も洗浄して、膿性部分を適切に染めましょう。
下記は同じ喀痰を染めました。
7 洗浄前(これじゃなかなか抗生剤を絞れません)
8 洗浄後(これなら抗生剤を絞れます)
こういうことを重ねていくことで、薬剤耐性菌の発生頻度も減らすことが可能になりますし、無駄な抗生剤投与を減らす、無駄な医療費を削減するなど、あらゆる可能性が高くなります。
先日、ある会社の勉強会があり、「グラム染色は診断のための検査として良くないですよ。」とキッパリ言われてしまいました。あらそうですかって感じです。
確かに最新機器と比べるとそうでは無いと言われますが、そう言われないようにグラム染色による介入を増やし、アウトカムを良くする症例を増やすことは大切です。最新機器を用いても介入が曖昧だと、患者に対して良い医療とは言えませんし、曖昧な診断に対しても良い改善策と言えません。高い技術に頼り過ぎの検査はいつか技術に溺れることがあります。グラム染色だけでも良くないですし、しっかりと検査を評価して、あらゆる角度から感染症を考える必要があると感じました。
学会でお話をさせて頂きましたブログ愛好家の皆様、学会でお世話になった皆様、貴重な時間を頂きありがとうございました。グラム染色道場はまだまだ続きます。
更新が少し緩慢ですが今後ともよろしくお願いします。
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コメント

初めまして、地方で検査技師をしております。
ご質問させて下さい。
喀痰のグラム染色で糸状菌が(-)で翌日の培養で糸状菌が(少数~1+)の経験が何度があります。
その際にPAS染色を実施することがあるのですが、その有用性について、何か知っていらっしゃることがありましたら教えて下さい。
個人的にはグラム染色で糸状菌は見えにくい?印象にあります。そこでPAS染色を実施してみる方法などはいかがなのでしょうか?(手間や施設の問題などもあると思いますが)
よろしくお願い致します。

投稿: よし | 2016年8月18日 (木) 10時20分

よし様

コメントありがとうございます。
グラム染色のみで深在性真菌症を追いかけるのは難しいものがありますよね。肺アスペルギルス症の場合もそこに入りますが、喀痰から検出を早くする場合ですが、当院でも特殊染色をしています。幸い蛍光法が使えるのでファンギフローラY法を使い染色をしています。
肺真菌症を疑う症例について実施していますが、医師が疑わなくても喀痰の色などを参考にすることがあります。肺アスペルギルス症はやや緑がかった黒い痰のことが多いからです。

なのでPAS染色でも実施することは意義があると思います。
実際に見えても発育しない症例は結構ありますので。

投稿: 師範手前 | 2016年8月22日 (月) 20時28分

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