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2015年12月 3日 (木)

中部地区微生物研修会に参加してきました

11月29日に三重県で開催された中部地区の微生物研修会に参加してきました。

いつもそうですが、三重県の微生物検査技師のネットワークの良さと熱意には本当に圧倒される思いです。今回も負けないようなプレゼンをしなければいけないと思い参加しました。

朝一番の講義なので、ボーっとさせないような内容を作っていきましたが、私自身が少々寝坊しまして、危うく遅刻しそうでドキドキものでした。

当日のハンドアウトを差し上げれなかったのでここにURLを貼りますのでダウンロードしてください(参加されなかった方もダウンロードはできますが個人的に利用ください)。

http://xfs.jp/i87yVY

さて、今回のテーマは臨床医とのコミュニケーションについてですが、普段から微生物について、感染症について、抗菌薬について相談を貰うことが多く、微生物検査結果をもとに各科医師と薬剤師とも話しながら診療を進めています。昔から感染症に興味がある医師は在籍されていますが、各自の診療が大変なこともあり、相談窓口になる機会が増えてきました。電話での相談が主ですが、年間300件ほどの相談があります。

相談を貰う時に気をつけていることは以下の通りです
・分かりやすい用語で話をする
・医師が何を目的として相談してきているのかはっきりさせる
・医師との接着点について考える
・診療録の内容を理解するようにする(特に来院時現症、身体所見など)
・画像所見があれば読影してから話をする(CTは読影されていることがあります)
・ラボデータに振り回されないようにする(特にCRP値は参考にするではなく利用する)
などなど

特に診断したい疾患に対して適切な微生物検査が選択できているかは本当に考えないといけない内容です。

というのは、診断のために提出する材料で全ての微生物を網羅しているものと思い込んでいることが多いからです。

例えば、レジオネラ肺炎を例にしますが、診断には尿中抗原や喀痰からのLegionellaの証明になります。国家試験ではヒメネス染色という言葉も出てきます。そこには特殊環境が必要で、B-CYEやWYOなどの専用培地を使うという言葉は無いことが多く、通常検出率の高い、肺炎球菌やインフルエンザ菌、緑膿菌と同じように培養すれば検出が可能と思われているに違いありません。じゃ、毎回専用培地を入れれば良いよね と思われるかもしれませんが、それじゃコストに見合わなくなります。

医学生の感染症学の教科書を見る機会がありますが、感染症診断のための手順について書かれています。一方、臨床検査技師の教科書には培地の種類、菌の性状や病原因子を中心に記載があり、感受性の具体的な方法については薄い内容になり、診断については殆ど記載がありません。つまり、医師と微生物検査技師とでは全く異なる教育を受けて臨床現場に出てくるため、お互いの接着部位について深く理解するためにはコミュニケーションが必要になります。

では、医師から何を聞き出し、どういう結果について返せば良いのか?難しいと思うでしょうが、ある材料では検出が珍しい菌が発育した場合(尿からノカルジアとか、腹腔内膿瘍からA群溶連菌とか)は現場も多きな転機を迎えたりします。

培養していて「あれ、これちょっと変よな」という感覚を養うことが大切です。唐突に質問して良いものか?と躊躇うこともあるでしょうが、診療の邪魔にならない程度に教えて貰えば良いと思います。

その時は、どうして質問をするのか?をしっかりと最初に伝え、その理由について後付けをする。培養の条件を考えたいから、同定検査に役立つから、感受性検査で追加すべき抗菌薬があるから・・など。また、電話した時は「お時間を少し頂けないでしょうか?」という心遣いは忘れないようにしましょう。

出来れば伝えた内容はカルテに記載するようにしましょう(施設ごとに記載して良いか確認してください。また主治医にも一言相談してください)。

同じ目線で話をし、微生物についての説明をする。お互いの理解が深まれば良い医療ができるはずでは無いでしょうか。

そういう時間を大切にしていくことは、きっと患者さんにも大きなメリットがあるはずです。
まとまりの無い話でしたが、皆さんご清聴ありがとうございました。三重県の世話人の方どうも丁寧な対応をして頂きありがとうございました。

写真はグループワークです。経験年数に応じて耐性菌について考える面白い企画でした。NDMにESBLに、AmpCに、OXAにグラム陰性桿菌は本当に難しいですね。

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