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2015年3月 3日 (火)

検体採取等に関する指定講習会を受講しました

4月より臨床検査技師の業務に検体採取が加わる予定です。前回の法改正は昭和45年で採血行為が加わりました。それから44年が経過し、今では外来採血は主に検査室で臨床検査技師が行っているところが多いと思います。

臨床検査技師は昭和45年にこの採血業務と生理機能検査業務(米国では臨床検査技師免許に加えて取得が必要)が加わりました。今回は今後の社会保険制度の改革の一つであり、来る団塊世代の後期高齢者が増加することが予想されていますので、それに合わせチーム医療への参画および医師や看護師の負担軽減による業務分担でもあると思います。

4月に法律改正となる予定ですが、4月より検体採取を行う場合ですが、この指定講習会を受講せずに行った場合は法律違反となります。厚労省は職能団体である技師会を通じて講習会を行っていますが、講習会は5年の経過措置の中でしか受講できません。つまり、現在の免許取得者で今受講しなければ検体採取はできないことになります。専門性の高い技術系の学会や研究会はありますが、やはり技師会は職能団体ですのでその辺は使い分けが必要かと思います。

2日間の受講をしましたが主な内容は以下です

・臨床検査技師に関わる法律の話、医療倫理

・微生物学的検査等の検体採取(鼻腔分泌物、咽頭粘液、直陽の糞便)に必要な知識・技能・態度

・味覚・嗅覚検査(アリナミンの静注は除く)に必要な知識・技能・態度

鼻腔分泌物については2009年の新型インフルエンザ発生時に、外来で押し寄せてきた疑い例、不安例の患者対応をしている時に、臨床検査技師が行うのが望ましいと思った次第です。

特に微生物検査は今行っている業務になるので興味深く聞き込みました。
「ただ採取するだけでしょう」と思っていましたが、採取時の心構え、患者とどう接するのか(接遇など)、検査結果の解釈、安全対策・感染管理などのタクソノミーが与えられていて非常に勉強になりました。

皮膚科の材料では主に白癬と疥癬の話が中心でしたが、白癬について深く学べたのが多きな収穫でした。

・皮膚病変でカンジダは衛星現象をとるが、白癬はそれが無い。また、白癬は陰嚢に感染しない。

・頭部白癬はT. mentagrophytusで皮膚を採取するよりヘアブラシを材料にする。

・爪はKOHにを添加して温めることで早く溶解する

・癜風(Malassezia)は病変が小さく、菌は染まり難い。

などなど。普段ジャイアントコロニーみて同定して、治療方針が変わりそうな場合は電話したりとかしていましたがもっと身近に感じました。

こんなサイトを紹介して頂きました。鏡検やスライドカルチャー、ジャイアントコロニーなどの操作について動画付きで紹介があります。マニア必見です。


鼻腔と咽頭採取について
・鼻出血の対応。正しい止血方法、出血しやすい患者背景(鼻腔腫瘍や鼻中隔湾曲がある、ワーファリン、バイアスピリン、ウロキナーゼなどの抗血栓剤、高血圧、肝機能低下している患者)の特徴を掴む

・舌圧子の使い方

・禁忌(急性喉頭蓋炎の場合)について

普段菌検査だけでは分かり辛い臨床現場での対応例について交えながら紹介がありました。深頚部膿瘍についてはたまに話題になっていましたが参加者にはその怖さについて理解しやすい内容で説明がありました。

間には「これ正しいの?」という内容もありましたが、今まで臨床検査技師として大学教育でも、大学院でも受けたことの無い内容ばかりで非常に充実した2日間でした。

ただ、気になった点があります。個人的な意見も含めて記載しますが。

・感染症の治療と診断内容、感染対策については正しくないものが混在している(これは講師のレベルにもよるので仕方ない)

・テキストがシンプルすぎる。字が小さい。講師の意図と少し差があるように見受けれる。

・講習会のテキストは統一でタクソノミーに基づいて話してるが、講義内容が会場によって差がある。(同一講師の場合は日程調整が不可能)
・ビデオ放映が単調過ぎて眠くなる(講義すると受講料が高くなるのでやむを得ない)。

・ずっと寝ている人いる(こういう人には終了証書を渡さないで欲しい)。

・座席が狭く辛い(会場をお借りしている都合やむを得ない)

・実務委員が煩い(お手伝いなのでやむを得ない)

感染対策をしている都合上気になった点
・電極の消毒方法が良くない(基本滅菌と言いながら消毒を勧めている)

・設問で防護具について問うもの(耐性菌だから標準予防策を遵守するというもの)があったが、予防策の対応は耐性菌だけでは無いので正解が無い。

などなど。

日常どれだけ厳密に仕事に向きあって無いのか再認識できて良い機会でした。
現場に行って、採取して、直ぐに検査して、結果をお知らせして、説明する。
検査のプロが責任をもって採取をする。今後当たり前のことになるでしょうね。

写真は爪周囲炎のA群溶連菌

Gas 小さくて周囲が赤いので溶連菌疑います

写真は皮膚糸状菌のスライドカルチャーです。綺麗ですね。

Mycrosporum Microsporum

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コメント

詳細なご報告、ありがとうございます。
来週末に受講予定ですので、大変参考になります。

当院でどこまで実施できるようになるか分かりませんが、
まずは知識を蓄え、今後、技術を磨いていければいいと思います。

投稿: Kei | 2015年3月 6日 (金) 08時20分

Kei様 予想以上に会場狭いよ。メモとれるほど机広く無いし。

会場には売店がありません。飲み物類は大学前のFMで買っていくことをお勧めします。
会場には食堂があります。安価ですが最初混みます。早めに行くのが良いと思います。

Good Luck!

投稿: 師範手前 | 2015年3月 6日 (金) 19時58分

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