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2014年8月29日 (金)

腸球菌のアミノグリコシド高度耐性試験 再掲載

最近、相談が増えてきたものの中にメーリングリストやSNS、研究会等で腸球菌の感受性、特にアミノグリコシド高度耐性(HLAR)試験があります。

過去ログ(2011年)に記載していたのですが、ブログ史上初めてのリバイバルをすることにします。(http://gram-stain-id.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/hlar-59a0.html)

少しだけ追加修正もしました。

感染性心内膜炎の項はα-Streptococcus(Streptococcus Viridans group)、次いでEnterococcusの順で記載があります。双方とも急性というか亜急性で持続菌血症を起こしている場合に感染性心内膜炎へ発展することは良く知られています。α-Streptococcusはもともと口腔内に多く住み、虫歯の原因にもなる菌です。エナメル質を融解しやすく、弁膜に付着しやすいという話のあります。

さて、心内膜炎の治療薬についてアミノグリコシドの併用について記載があります。

しかし、連鎖球菌群はアミノグリコシドに自然耐性を示すため、感受性の判定基準を決めているCLSIでは、α-StreptococcusやEnterococcusにはアミノグリコシドの判定基準はありません。当然、S. penumoniaeやS. pyogenesにもありません。

ガイドライン上でアミノグリコシドの併用が推奨されている理由の一つにはシナジー(相乗)効果があり、。α-Streptococcusでは第一選択薬のPCGのMICが0.12μg/ml以下であるか、0.5μg/ml以上であるかで治療方針が変わっているようです。


シナジー効果は菌の細胞壁にあるペニシリン結合蛋白(PBP)へPCGの親和性を上げる(弁膜内への移行性も亢進させる)ことや耐性化防止を目的にしています。どうやら、PCGを継続使用していると耐性化が進み(MICの上昇)、生体弁の場合に弁膜内への移行も下がり治療効果が落ちる可能性が出てくるという理屈です。なので、アミノグリコは併用薬として標準的に用いることが必要になるようです。これはPCGだけでなく、VCMの時も同じです。


これはEnterococcusに関しても同じである。


・E. faecalisはペニシリンの親和性が良く第一選択薬として使用される機会が多い。

・E. faeciumはペニシリンの親和性が悪く、PCGを第一選択薬として用いる機会が少なく、VCMが選択される機会が増えます。

・Enterococcusはα-Streptococcusと違い、セフェムの親和性が悪く、in vitroで感受性に出ても(MICが低い)、in vivoでは治療に適さない。

そして、Enterococcusのところにはアミノグリコシド高度耐性という名称が出てきます。

高度耐性といっても元々耐性では無いかと思われる方が多いと思いますが、この高度耐性試験という言葉には意味があるようです。ゲンタマイシン(GM)について説明します。

・アミノグリコシド低感受性とはGMのMICが256μg/ml以下のものを指す。

・アミノグリコシドの耐性機序の中でもMICが256μg/ml(256-384μg/ml)以上のものがあり、PCG(この場合はABPCとして書かれている)との併用効果が見られなくなる。

つまり、GMのMICが256μg/mlより高い場合(次のMIC値は500μg/ml)は併用しても臨床的意義が下がりますよということになります。


つまり、CLSIの判定基準を参照するとGeneral Comments3には、『ABPC、PCG、VCMとの併用効果判定をするためにGMとSMの高度耐性試験を行いなさい。』と記載される訳である。


さて、高度耐性試験は実際ルチンでされているのでしょうか?恐らく殆どの施設でEnterococcusが出てきたからと言って実施している訳でありません。当院でも菌血症時には全てする程度です。

試験が難しいからでしょうか?

そうでもありません。現在は自動機器で出るものもあれば、Etestでも測れるし、ディスク拡散法でもチェックが可能です。今回はディスク拡散法を紹介します。


GMとSMは通常、腸内細菌などで感受性しているディスク(BD製ではGM10というもの)では無く、高度耐性用として販売されています。それほど高価な商品ではありません。このGM10というのは1枚のディスクに含有されているGMの濃度を示します。高度耐性用はこの濃度が違いGM120という120μg/ml含有のディスクを使用することになります。


GM120のディスクはミューラーヒントン培地(MHA)を使用して、通常の感受性の方法を使い、好気条件の35±2℃で16-18時間培養しディスクの径が6mm以下(阻止円が見られない)であれば耐性と判断します。256μg/mlじゃ無いじゃないかと相談を受けることもありますが、GM120とはGMのMICが512μg/ml以上であることを示します。よって高度耐性の確認になります。SMの高度耐性はGMと少し違い、SMのMICが1024μg/mlという意味です。

通常、分離される腸球菌のうち2-4割ほどの分離率である高度耐性株ですが、感染性心内膜炎を考慮するような病態での時は実施した方が臨床に即した形での報告となります。

また、一部ではEnterococcusであればβ-ラクタマーゼ産生菌の報告もあり、心内膜炎という重症疾患でPCGを使う場合はβ-ラクタマーゼの有無を検討を考慮すべきでしょう。


米国の感染性心内膜炎のガイドラインを見て見ると、治療期間は生体弁で標準4週間、人工弁では標準6週間になります。アミノグリコシドなので副作用も出現しやすく、TDMを実施して治療に役立てるようにとも記載があります。またonce daily doseでは無いので、このTDMは非常に重要になります。SMのTDMは残念ながらコマーシャルラボでもTDMを実施していないので、少々使いにくいかもしれません。

薬効のこと、検査のこと、治療期間のこと、経過のことを含めて考察することは、ICTの活躍の場面では無いかと思います。また、アミノグリコシド高度耐性株でもペニシリンのMICが0.1-1μg/ml下がることが分かっています。体外試験の結果であり実際には使用されないケースも多いと思います。


前述したように、手前味噌ですが、当院では血液培養から腸球菌が出た場合、β-ラクタマーゼの有無、GM高度耐性は全てチェックすることを数年前より行っています。万が一後で感染性心内膜炎が見つかった場合にも備え万全の体制で診療支援を行っています。やはり、重症化が予測される疾患の場合は、ある程度先読みして検査を実施することも必要になるのでしょう。


皆さん、試験の意味と行うタイミングについてしっかりと考え導入をしていきませんか。


写真は血液培養からの腸球菌(E. faecalis)とGM高度耐性試験を実施した画です。GM高度耐性は感受性と耐性を並べてました。腸球菌は連鎖が短く、E. faecalisはやや楕円になり肺炎球菌に類似するのが特徴です。E. faeciumは少し違います。

参考文献)


・CID 2003,36,615-621.

・Circulation 2005,111,e394-e434

・JAC 2004,54, 971–981.

・CID 2000,31,586-589.

6002 ×1000

Hlarアミノグリコシド高度耐性試験

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2014年8月22日 (金)

CarbaNPテストをしてみました

先日、K大学のT先生とM先生、I先生のご厚意でCarbaNPテストをする機会を頂きました。

カルバペネムは絶対的な抗菌活性を示す抗菌薬として位置づけされることが良くあります。特にグラム陰性桿菌に対しては殆ど感受性を示すので最終兵器として臨床現場でも使われることが多いと思います。また、一般的にはグラム陽性菌+グラム陰性菌+緑膿菌+嫌気性菌の複合感染菌が疑われたり、重症患者であったりと使う場面を限って使われる機会も増えてきました。

1990年代からカルバペネマーゼを検出するためのスクリーニング法が色々と出てきました。

・チオール化合物を利用し阻害反応を見るもの:2-MPA法、SMA法
・キレート剤で亜鉛活性を無くす方法:EDTA法
・カルバペネム活性の低下を肉眼的に観察するもの:変法ホッジ試験

いずれもディスク拡散法を利用した方法です。

変法ホッジ試験は数年前からCLSIのドキュメントにも記載されているスクリーニング方法で、E. coliのATCC株を用いて、ミューラーヒントン培地とカルバペネムのディスクを使い、カルバペネマーゼの産生を見るものです。クローバーリーフ試験とも言い、カルバペネマーゼ産生菌であれば阻止円が歪みクローバー状の切れ込みができると陽性と判定する方法です。

感度と特異度が90%を超えるため良いスクリーニングには向いているとされています。

Kpc1 KPC-2(左側と右側) 中国にて今から5年前にしました。

20131228_144830 IMP-1/6(左側)、右側はESBL産生菌

ただし、中央に置くディスクはエルタペネム>MEPM>IPMの順に検出率が向上します。エルタペネムは現在日本で使用されていない抗菌薬ですが、ディスクは既に販売されていますので購入することは可能ですなようです(すいません調べていません)。

最近は色々な相談を受けて実際してみますが、MBL産生菌であれば綺麗に陽性反応を示しますが、ESBLやAmpCが過剰産生された菌に関しても陽性反応が出てしまう傾向があるようです。少し技術が無いと判定が難しくなります。

Photo 変法ホッジ試験の偽陽性(J. Antimicrob. Chemother. (2010) 65 (2): 249-251.)

複合酵素を同時に産生している場合は偽陽性、偽陰性となる例も出てきます。偽陰性については亜鉛含有量を増やすと良くなるという報告もあるようですが市販培地を使うのであれば対応が困難になりそうです。

先日、CLSIの来年度のドキュメントの概要が臨床微生物学会のHPに掲載されていました。カルバペネマーゼ産生菌についてはCarbaNP法の掲載が決まったようです。
(http://www.jscm.org/kokusai/2014_clsi.html)

少し調べてみました。フランスの研究者であるNordmanさんとPoirelさんがカルバペネム耐性菌を見つけるスクリーニング方法として考えた方法です。反応原理は極めてシンプルです。(EID,vol18,No.9,2012,1503-1507)

pH指示薬であるフェノール赤による色の変化でカルバペネマーゼの産生を確認するものです。細菌検査をされる方であれば、身近にTSI培地というものがありますがあの色の変化です。陰性は赤のまま、陽性は黄変するのを肉眼的に観察します。

菌は1白金耳に溶菌剤を混和して30分間インキュベーション。上清みを採取して指示薬+イミペネムを混合した液体と混和して2時間以内に判定をするものです。

Dsc_0233_2 左が陽性(P. aeruginosa IMP-1)、右が陰性(ESBL CTX-M)

反応時間が2時間以内と書いていますが、酵素活性が高いものは5-15分もあれば十分に見ることができます。また、1度に複数検体の処理をしても手間はかからないこともあり大量処理も可能です。

ムコイド株の場合は反応が遅く出ることがあり2時間は必要であるとか、カルバペネマーゼの種類によっては偽陰性になることがあるという報告もありますが、今のところ日本で検出率が高いIMP型の場合はESBLやAmpCが混合していても検出可能なようです。(Antimicrob. Agents Chemother. September 2013 vol. 57 no. 9 4578-4580)

Carbanp60
・遺伝子検査の場合は機材の導入や技術が必要になる。遺伝子の存在=耐性とは限らない。

・変法ホッジ試験も少し熟練技が必要。また複合酵素産生株は判定が難しくなる。偽陰性もある。

・SMA法はMBLの特異的な検出法であり、KPCの検出には向いていない。

どの臨床検査も100%の成績を保持することは困難であり、色々な検査法を検討してより確実な結果が出せるようにしていくべきだと思います。

CarbaNP法ですが、実際やってみての感想です。少しだけコツがありますが、これなら細菌検査室がある施設であれば可能かと思います。皆さんも機会があればトライしてみてください。
本日は誕生日に更新できて光栄です。皆様、ブログを今後ともご愛顧下さい。よろしくお願いします。

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2014年8月16日 (土)

第 8 回グラム染色から学ぶ感染症診断・治療研究会(GSSG)のご案内

残念ですが、長年続けてきました「グラム染色から学ぶ感染症診断・治療研究会(GSSG)」は今回を持ちまして閉会させて頂くことになりました。今や、グラム染色は日常診療の中で根付く施設も多くなり、勉強会も増えてきました。これからもずっと診療の中でグラム染色は役立つ機会は増えると思います。

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グラム染色から学ぶ感染症診断・治療研究会(GSSG)の第8回例会を下記日程で開催いたします。今回のテーマは「日常感染症診療で役立つグラム染色」です。これまでの例会と同様にグラム染色の基礎知識の確認、顕微鏡を使っての実習、症例検討をグループワーク(即席 ICT)でおこないます。今回も前回と同様、午前のみの参加、午後のみの参加、午前午後通しての参加いずれかを選べるようにいたしました。初心者でも理解しやすいように基礎的な内容を数多く盛り込んでいますのでグラム染色に興味のある方であれば職種・経験年数を問いませんが、看護師の方は、ICN、ICT メンバー、リンクナースの方が望ましいと思われます。是非ご参加ください。これまでに参加された方も大歓迎です。

テーマ:日常感染症診療で役立つグラム染色

日時:平成 26 年 9 月 7 日(日)9:00-16:30(受付は 8:30 から)

場所:大阪市立大学医学部学舎 5 階 微生物実習室(午前)、6階 中講義室(午後)

対象:医師、臨床検査技師、薬剤師、看護師(ICN、ICT メンバー、リンクナース)

募集人数:午前の部 60 名、午後の部 120 名 (先着順)

(午後の部には午前・午後通しの人が含まれますので午後の部のみは最大 60 名)
参加費:1 日(午前+午後)3000 円、半日(午前または午後のみ)2000 円(資料代込み)

申し込み先:西神戸医療センター 山本 剛 まで(email; gssgidあっとyahoo.co.jp )あっとを@に変更下さい。

なお、申し込みの際に、氏名、施設名、所属または診療科、職種、参加区分、連絡先(メールアドレス、電話)が必要です。上記の内容を記載の上でお申し込み下さい。
申し込みを確認したら一度こちらからメールを返信いたします。確認メールが届かない場合は再度ご連絡下さい。


― プログラム ―
8:30- 午前の部 受付開始(5F エレベータホール)
・ 午前のみの参加者と午前と午後通し参加者の受付をします

9:00-12:00 午前の部 グラム染色の基礎知識
・ 適切な検体採取法と保存
・ 実習「基本的な染色手順とその確認」
・ 顕微鏡使用による、実際の標本の判定(実習、Q&A)

12:00-13:10 お昼休み お昼は午後から参加の方の受付します。

13:20-16:30(終了予定) 午後の部 症例検討
・ グラム染色から考える症例検討をQ&A形式で 4 例予定しています
・ 即席 ICT によるグループディスカッション方式を予定しています

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写真は生来健康な方から分離された市中肺炎例で緑膿菌です。
こういう度肝を抜く菌なんかが出てきたとき、グラム染色で推定できると良いでしょうね。

Cpdx2 ×1000

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2014年8月 5日 (火)

Campylobacter見つけ隊

ブログ更新が滞っておりまして読者の皆様にはご迷惑おかけしております。

猛暑があり、大雨がありと日本の気候は日々変動が多いです。
皆様、体調には十分気を付けてお過ごしください。

さて、今回は先日の臨床微生物迅速診断研究会で報告した内容をfixさせて話をしていきます。

グラム染色所見を確認する上で菌の形態的特徴を掴むことは菌種推定には欠かせないと思います。中でも、らせん桿菌はその形状が良く解り、グラム染色初心者でも菌種推定が容易な菌の一つと思います。

らせん桿菌で思いつくのがCampylobacterですが、ヒトに感染し発症するCampylobacterではCampylobacter jejuniが有名ですね。Campylobacter腸炎は日本の食中毒を起こす菌の中では1番多い菌です。この菌は鶏肉や牛肉、ミルクなどの生食を介して感染する菌です。鶏肉の汚染度を調べたところ80%以上汚染されていたという報告もあり、しっかりと加熱をして食べることが食中毒の防止になりますね。また、鶏肉を食べていない場合でも、一緒に調理した鶏肉を下処理したまな板は洗ったかとか、焼く前の菜箸を使いまわししなかったのかなど聞くことも診断価値を上げるためのコツかもしれません。やはり問診は大事です。
(http://www.nhs.uk/Conditions/Food-poisoning/Pages/Causes.aspx)。

経験上、Campylobacterは急性心筋炎を起こすこともあり、Campylobacter腸炎後3-5日で胸痛出現した場合は少し鑑別に上げても良いと思います。これはまた後日まとめて公開します(JACC Vol. 59, No. 9, 2012,Update on Myocarditis February 28, 2012:779–92など)。

さて、便の塗抹でCampylobacter腸炎を診断できるのか?ということを調べました。
当院で4500件あまりの外来患者さんの便を調べたところCampylobacterが3%ほど培養で分離されました。たった3%なので有用性の高い検査かどうか問われると、もともこもないですが、まあらせん桿菌が見えた場合に診断可能だと思い集計をしました。

培養で分離された検体について調べるとグラム染色でCampylobacterが確認されたのは45%程度。年齢構成で調べると小児と成人では差はありませんでした。感度と特異度を算出したところ、感度44%、特異度99%、PPV86%、NPV98%でした。感度は低めですが、特異度が高くCampylobacterが見えた場合は診断価値が高い検査であることは解りました。これは各報告を見てみると同じような結果でしたので特に話題性は無いかもしれませんが平均的なものであることが解りました。Campylobacterは後染色にはサフラニンを用いるよりフクシン(パイフェル)を用いる方が見やすいです。

2 便のグラム染色で見えたCampylobacter(12時の方向)

これでは少し物足りないので、便中の白血球数も一緒に考えました。Campylobacter腸炎の場合は病理学的にも白血球が出現しやすい状態ですので、白血球の出現頻度について考察しました。白血球出現率は63%と菌を見つけるより高い感度で診断できるのが解りました。これは小児より成人の方が多く見られました。ただし、便中に白血球が多く出現する腸炎の市中感染の起炎菌としてShigella、Salmonella、EHECなどがあります。そのため特異度は高いとは言えません。
(Pathology (August 2004) 36(4), pp. 343–344,Clinical Infectious Diseases 2001; 32:331–50)

500 便中に白血球が多数出てきます

これをどう使うのか?ですが。潜伏期間と便中白血球にらせん桿菌の確認を加えることでCampylobacter腸炎の診断に役立つことが解りました。外来で発熱を伴う下痢症の患者で潜伏期間は3-7日の間、便のグラム染色で白血球が多く見えた場合は、もう気持ちMAXでCampylobacterを探し、らせん桿菌が見えればCampylobacter腸炎は確定的となります。

ただし、ヒトから分離されるらせん桿菌は色々報告があります。

例えば、Helicobacter cinaedii(らせん回数が多いが4つ程度。主に血液から分離されることが多い)
Photo_2 F中病院のHさんからお借りしました

Brachyspira pilosicoli(らせん回数がかなり多く、長い。たまに血液から分離される。)

Photo_3 M病院のTさんからお借りしました

などがありますので、らせんの回数や集族しているかどうかの鑑別ポイントをしっかり押さえる必要があります。

困った例ではヒトに常在するCampylobacterが検出される場合があること(JOURNAL OF CLINICAL MICROBIOLOGY, Feb. 2005, p. 585–588)。Campylobacterはjejuniだけで無いのでしっかりと同定が必要です。

2_2 真中のらせん桿菌(Campylobacter curvus)

便からCampylobacterが分離されることが少ない施設ではグラム染色自体全くしないという施設もあると思いますが症例を絞ってしてみるのは良いPracticeを産むきっかけになるのでは無いでしょうかね。皆さんの施設でもCampylobacter見つけ隊を結成してみてはどうですか。

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