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2014年2月18日 (火)

第11回医師・臨床検査技師・薬剤師・看護師のための感染症学セミナー

臨床微生物学会では『医師・臨床検査技師・薬剤師・看護師のための感染症学セミナー』というのを開催しています。

開催の内容は、各種感染症の診断、治療および微生物検査についてのレクチャーとケースカンファレンスを通じて、コモンなものからレアなものまでの臨床感染症学ならびに臨床微生物検査のノウハウを楽しく学ぶことができるように企画されています。ようは、検査室や臨床現場だけでは片付ないことは多くお互いの情報共有を深めて考えて行きましょうという会です。

今回のテーマは抗酸菌感染症です。

日時:平成26年3月2日(日曜日)12時30分~17時30分(受付開始:12時~)
場所:神戸大学医学部会館シスメックスホール

参加費(会員、非会員)2,000円

1.抗酸菌の検査方法 塗抹・培養検査から感受性検査まで
独立行政法人国立病院機構 福山医療センター 永礼  旬

2.結核の行政者担当者の対応
神戸市中央区保健福祉部主幹 藤山 理世

3.ショートレクチャー 非結核性抗酸菌症と遺伝子検査
岐阜大学大学院医学系研究科病原体制御学分野 大楠 清文

4.ケースカンファレンス 2題予定

http://www.jscm.org/m-info/111.html

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抗酸菌は菌の検出方法は大まかに決定しているので検査はそれほど難しいものではありませんが結果の解釈や同定・感受性の進め方については考えるものが多く、特に治療の有無については難しいものがあります。

結核菌は抗酸菌の中でもメジャーな菌なので同定も迷うことは少ないでしょうし、感受性は全例しなければ治療期間の決定や効果判定についても丁寧にケアが出来ないと思います。この点については検査室で仕事をしていても分かり難いですが大事なことです。

また、医師や薬剤師、看護師では日常慣れない抗結核薬の服用指導もありますし、NTMでは注射薬が主体になる菌種もありますので、治療方針についてテキストブック片手に行うことが多くなるでしょう。分からないことは誰に相談すれば良いのかなんて考えた場合は本当にどうすれば良いのかと考えている人は多いでしょうね。

結核菌は社会的影響力がとても強い微生物の一つですので、検査室で『結核菌が検出されました。』という報告1つが公衆衛生の中でどういう役割を果たしているのか?ということを検査室は考えて報告されているでしょうか?ラボの中でも昨日分離された結核菌と数年前に別の方から分離された結核菌が同一と分かれば少しは介入方法も異なることがあるでしょうが、かなり大がかりな仕事ですのでその辺は行政との関わりを密に取る必要も出てくるでしょう。遠い場所から『接触者と考えられるので菌株の提供を・・』と言われることもあると思います。

抗酸菌症は直面した時に俊敏に対応できるように日常から大事な感染症の一つと思います。ガフキー出たから結核病院に任せようとか、行政が何とかしてくれるとか思っていませんでしょうか。患者を中心とした医療を提供するのであれば少しは前向きに検討をしても良いように思っています。

1932478_593786380702574_510433826_n患者にはサージカルマスク、スタッフは微粒子マスク

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2014年2月12日 (水)

グラム染色は61点に

中央社会医療保険審議会の答申が出ていましたね。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000037024.html

微生物検査は概ね24年度改正と比べても同じ点数で差がありません。

点数がアップしたのはグラム染色と抗酸菌培養の液体法くらいです。

グラム染色(排泄物、滲出物又は分泌物の細菌顕微鏡検査 その他のもの)は評価すべき医学的な有用性が示されているとされていましたが、保険点数は現行の50点から61点へと2割程度アップすることが決まりました。

2014年1月24日の中央社会医療保険審議会資料(5ページ)

○医療技術の評価について(医療技術評価分科会からの報告)

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000035075.pdf

グラム染色が軽視されている国とは違い、日本ではグラム染色の有用価値が高まっていることが証明されたのでしょう。ありがたい話です。

グラム染色は専門性が高いのですが、特に機材は必要無く試薬とやる気があれば出来るものなのでもっと感染症診療のスクリーニング検査として汎用されることが望まれます。

やはりグラム染色の醍醐味は

安価で、早く結果が分かり、一度に複数菌感染していても菌の検出が可能で、菌検出が臨床に与えるインパクトが大きいことです。インパクトの大きさは日常的に検出が稀な菌種であれば更に高くなるでしょう。

例えば、肺炎患者の喀痰からノカルジア菌が検出された場合はそうでしょう。肺ノカルジア症は教科書でも見られる疾患ですが実際遭遇する機会は少ないかもしれません。

6001_7喀痰 ×1000

また、例えばCA-MRSAによるprimaryの急性胆嚢炎なんかは非常にインパクトが高いでしょう。

Mssaptgbd_2PTGBD×1000

宝探しではありませんが、日常的にグラム染色による診療支援を行っていると色々なドラマが垣間見れる気がします。

皆さん、これからも頑張っていきましょう。

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2014年2月 4日 (火)

第18回神戸グラム染色カンファレンスのお知らせ

ブログ更新が著しく滞り、皆様には大変ご迷惑おかけしております。

学会でも色々とファンの方々からお声を掛けて頂きましてありがとうございました。

さて、毎度のことながら神戸グラム染色カンファレンスの開催時期が近づいて気ました。

今回も下記の内容で開催しますので興味のある方はご参加下さい。

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【お知らせ】第18回神戸グラム染色カンファレンス

日時:平成26年2月20日(木) 18:50~(終了はたぶん21:00頃)
場所:神戸 三宮研修センター

http://www.f-road.co.jp/kenshu/

参加費:500円

司会:住友病院 林三千雄先生、中央市民 竹川 啓史先生

演題1:『すっぱいブドウにご用心』
姫路循環器病センター 羽山ブライアン先生、山本啓子先生

演題2:『発熱、左下腿腫脹をきたした40代男性』
神戸大学 五十嵐渉先生、小林泰菜先生

今回はどんな症例が出るんでしょうか。楽しみです。

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先日は第一回のオフ会を開催しました。関東から九州まで30名弱の参加者にお集まり頂きました。優勝は聖マリアンナ医科大学病院のOやなぎ先生でした。おめでとうございます。

優勝の副賞としてなぶり書きのサイン入り特製微生物検査アトラスを差し上げました。

会の内容ですが何問か質問を出します。勿論グラム染色ありですが臨床所見や放射線画像もありです。最終的にグラム染色を見て菌種推定を行う方式です。

設問の形式は大阪でしているDHC(Diagnostic High-level Conference;通称 ど変態カンファレンス)を参考にさせて頂きました。一応主催者には許可を頂きました。ありがとうございます。

Thinking timeは5分間。

その間質問オッケーですが自分だけ有利になるような質問を考えなければなりません。例えば、血液培養のグラム染色でグラム陰性桿菌が確認出来た場合ですが、『陽性は好気ボトルだけですか?』というと皆さん分かるのでダメです。緑膿菌を疑う場合であれば、『汚染されたプールに入るとこえで皮疹出る事があるやつですね。(緑膿菌性毛包炎のこと)。』というとある程度分からない人がいるので自分に有利になります。

私はいつもスライドの1枚目に答えを隠して出題します。今回はこのようなものでした。さあThinking!!

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皆さん大変楽しんで頂いたようで、次年度も学会に合わせて開催予定です。興味のある方が参加宜しくお願いします。

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