グラム染色は61点に
中央社会医療保険審議会の答申が出ていましたね。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000037024.html
微生物検査は概ね24年度改正と比べても同じ点数で差がありません。
点数がアップしたのはグラム染色と抗酸菌培養の液体法くらいです。
グラム染色(排泄物、滲出物又は分泌物の細菌顕微鏡検査 その他のもの)は評価すべき医学的な有用性が示されているとされていましたが、保険点数は現行の50点から61点へと2割程度アップすることが決まりました。
2014年1月24日の中央社会医療保険審議会資料(5ページ)
○医療技術の評価について(医療技術評価分科会からの報告)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000035075.pdf
グラム染色が軽視されている国とは違い、日本ではグラム染色の有用価値が高まっていることが証明されたのでしょう。ありがたい話です。
グラム染色は専門性が高いのですが、特に機材は必要無く試薬とやる気があれば出来るものなのでもっと感染症診療のスクリーニング検査として汎用されることが望まれます。
やはりグラム染色の醍醐味は
安価で、早く結果が分かり、一度に複数菌感染していても菌の検出が可能で、菌検出が臨床に与えるインパクトが大きいことです。インパクトの大きさは日常的に検出が稀な菌種であれば更に高くなるでしょう。
例えば、肺炎患者の喀痰からノカルジア菌が検出された場合はそうでしょう。肺ノカルジア症は教科書でも見られる疾患ですが実際遭遇する機会は少ないかもしれません。
また、例えばCA-MRSAによるprimaryの急性胆嚢炎なんかは非常にインパクトが高いでしょう。
宝探しではありませんが、日常的にグラム染色による診療支援を行っていると色々なドラマが垣間見れる気がします。
皆さん、これからも頑張っていきましょう。
| 固定リンク
「その他」カテゴリの記事
- 第26回教育セミナー当日のプレゼン資料(2019.10.19)
- グラム染色で病気の原因を探る(2019.05.03)
- 第30回日本臨床微生物学会にて話ていたプライドのこと(2019.02.05)
- 先日書いた記事の解釈について(2019.01.01)
- グラム染色はどこまで使えるのか?(2018.12.14)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
尿沈渣と同じ点数になりました。尿路感染症では必ず尿沈渣をしますが、当地では、グラム染色を同日にするとグラム染色の算定はできません。顕微鏡検査というカテゴリーのようですが、こういうことがグラム染色の普及につながらないのかもしれません。
投稿: motoyasu | 2014年2月14日 (金) 11時47分