第11回医師・臨床検査技師・薬剤師・看護師のための感染症学セミナー
臨床微生物学会では『医師・臨床検査技師・薬剤師・看護師のための感染症学セミナー』というのを開催しています。
開催の内容は、各種感染症の診断、治療および微生物検査についてのレクチャーとケースカンファレンスを通じて、コモンなものからレアなものまでの臨床感染症学ならびに臨床微生物検査のノウハウを楽しく学ぶことができるように企画されています。ようは、検査室や臨床現場だけでは片付ないことは多くお互いの情報共有を深めて考えて行きましょうという会です。
今回のテーマは抗酸菌感染症です。
日時:平成26年3月2日(日曜日)12時30分~17時30分(受付開始:12時~)
場所:神戸大学医学部会館シスメックスホール
参加費(会員、非会員)2,000円
1.抗酸菌の検査方法 塗抹・培養検査から感受性検査まで
独立行政法人国立病院機構 福山医療センター 永礼 旬
2.結核の行政者担当者の対応
神戸市中央区保健福祉部主幹 藤山 理世
3.ショートレクチャー 非結核性抗酸菌症と遺伝子検査
岐阜大学大学院医学系研究科病原体制御学分野 大楠 清文
4.ケースカンファレンス 2題予定
http://www.jscm.org/m-info/111.html
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抗酸菌は菌の検出方法は大まかに決定しているので検査はそれほど難しいものではありませんが結果の解釈や同定・感受性の進め方については考えるものが多く、特に治療の有無については難しいものがあります。
結核菌は抗酸菌の中でもメジャーな菌なので同定も迷うことは少ないでしょうし、感受性は全例しなければ治療期間の決定や効果判定についても丁寧にケアが出来ないと思います。この点については検査室で仕事をしていても分かり難いですが大事なことです。
また、医師や薬剤師、看護師では日常慣れない抗結核薬の服用指導もありますし、NTMでは注射薬が主体になる菌種もありますので、治療方針についてテキストブック片手に行うことが多くなるでしょう。分からないことは誰に相談すれば良いのかなんて考えた場合は本当にどうすれば良いのかと考えている人は多いでしょうね。
結核菌は社会的影響力がとても強い微生物の一つですので、検査室で『結核菌が検出されました。』という報告1つが公衆衛生の中でどういう役割を果たしているのか?ということを検査室は考えて報告されているでしょうか?ラボの中でも昨日分離された結核菌と数年前に別の方から分離された結核菌が同一と分かれば少しは介入方法も異なることがあるでしょうが、かなり大がかりな仕事ですのでその辺は行政との関わりを密に取る必要も出てくるでしょう。遠い場所から『接触者と考えられるので菌株の提供を・・』と言われることもあると思います。
抗酸菌症は直面した時に俊敏に対応できるように日常から大事な感染症の一つと思います。ガフキー出たから結核病院に任せようとか、行政が何とかしてくれるとか思っていませんでしょうか。患者を中心とした医療を提供するのであれば少しは前向きに検討をしても良いように思っています。
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コメント
当日参加受付ますので宜しくお願いします。
投稿: 実務委員 | 2014年2月22日 (土) 00時49分