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2014年1月16日 (木)

菌種を推定するだけで満足感は得られるのか?

先日、大分県で講演させて貰いました。本当に自分にとっても良い機会を頂いたと思います。ありがとうございました。

さて、当日の内容は出てきた菌を報告する場合のポイントを病気と刷り合わせながら話をしてきました。

 ・臨床ではどのような対応で感染症を絞り込んでいくのか?

 ・血液培養で出てきたブドウ球菌は何を意味するのか?

 ・化膿性脊椎炎はどのように診察をして、微生物検査はそれにどう合わせるのか?

 ・細菌尿が確認されたらそれは何を意味するのか?

 ・無症候性細菌尿って何?

 ・予想を立てて菌の検索をして、予想が外れればそれは更に重要なメッセージがある。

などなど。

最近は色々とグラム染色のアトラスが増えた事、顕微鏡で写真を簡単に撮れるため菌の特徴を掴む機会が多くなったこともあり、菌種の推定をする検査室は増えてきたように感じます。

少し前は『そんなこと言って間違えたらどうするんだ!?』と言われた事もありましたが最近のそういう風潮を見ていると満更悪く無かったのではないかと前向きに思います。

そこで出てきたのが、見えた菌をどのように考えていけば良いのでしょうか?という内容を聞く機会が増えました。

臨床検査技師は病気について知る機会は学生時代から卒後教育までほぼありません。医師は病気について知る機会が多かったと思いますが菌については学生時代の授業のみで、実際感染症例にも触れあう機会も少なく興味が湧く時間も少なかったと思います。

お互いに知らなかったことは多分にあり、臨床現場ではそこをグラム染色1枚で繋げる力はあります。

鏡検で見える菌種、背景から伺える病態など総合的に考えて、疾病と繋げて立体的に構築する。こんなグラム染色をしていっても良いかもしれません。

当院では研修医を中心にグラム染色に興味がある方々には病気との刷り合わせを話す機会があります。やはり、その菌が臨床的にどの程度大切なのか?病気に対してどのように考えて次の一手をどう打つのがスマートなのか?など感染症の診断と治療にたいして効率良く向き合うためにグラム染色をどう活用するのか考える機会が多くあります。

グラム染色は迅速診断としての利用価値が高い上に、安く、多数菌が居ても確認することができる非常に有用性の高い検査だと感じてます。

こういうのもその一つでは無いでしょうか?

尿ですが菌以外にも食物残渣のような構造物が多量に確認される場合は何をかんがえますか?報告書に何を残せばこの患者にアプローチ出来るでしょうか?

Photo×1000

画像では確認しにくいが膀胱腸瘻の疑いと報告出来て早期に処置できる1例です。

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