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2013年8月26日 (月)

9/7は岩手県に行きます

9/7に岩手県で話をさせて頂く機会を頂きました。

http://www.iwateamt.or.jp/gyoji/25/2013%209th%20taisei.pdf

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第9回岩手県耐性菌研究会

日時:平成25年9月7日(土) 15:00~17:15

場所:マリオス18階 184会議室

http://www.malios.co.jp/

テーマ:適切な抗菌薬の選択のために必要な微生物検査情報~グラム染色の有効活用~

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話する内容の最終段階を詰めています。

グラム染色の話ですが

・喀痰のグラム染色は皆さん興味がある

・尿のグラム染色も染める機会が多い

・喀痰以外の材料も臨床検査技師の方は染める機会が多い

・見えても結果解釈に困ることが多い

・断言するには後押ししてくれる何かが欲しい

などなど、時間が限られている中で話をしようと思うと内容に迷うことが多いです。

個人的は同じストーリーで話はしません という勝手な意見を持っています。

それは聴衆を飽きさせないように考えていることですが幅の広い内容をコンパクトに話ので全てが伝わらないことがあります。

さて、岩手県は旅行では何回か行っている場所です。グラム染色の話は始めてですのでブログ内で調査しました。

過去4カ月間のデータを集計すると、閲覧回数は47都道府県の中で32番目。割合として0.9%。140万回のアクセスがあるので12600人に開かれているということが分かりました。結果、グラム染色の話をがっつりと聞いた人は少ない。ということからガッツリと肺炎にターゲットを絞り話す方が良いのかと思ったりしています。そうすると尿が話できない。自問自答を繰り返しながら時間が過ぎて行きますが、当日までにはしっかり仕上げたいと思います。

今は、ガッツリと肺炎(喀痰グラム染色の話)を考えいますが、肺の画像所見と喀痰グラム染色の話、感度と材料評価の話、患者背景別(市中肺炎、院内肺炎、誤嚥性肺炎、VAPなど)の見方などなど。分かり易い内容に努めたいと思います。

岩手県の皆さま、宜しくお願いします。

1に肺炎球菌、2に肺炎球菌、3,4が無くても5に肺炎球菌と喀痰グラム染色には肺炎球菌の科学は避けれませんので、とりあえずこのスライドは入れます。

Haien_2
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番外編

9/10(火)は兵庫県臨床検査技師会で6月の続きを行います。

今回は病態とグラム染色についてをする予定です。

http://www.hamt.or.jp/gyouzi/link/EV2013/ev1309-P4P5.pdf

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2013年8月16日 (金)

血液培養5日で、ロン!

訳があり血液培養のデータを取っています。

血液培養の培養日数のことがたまに話題になりますが皆さんの施設では何日間培養しているのでしょうか?

・自院の患者背景を考えて培養日数を設定している。

・7日間(または6日間)培養している。

・メーカーからの推奨されるがまま5日間で培養している。

血液培養は自動機器の導入が進み、その検出率が向上してきたと言われています。

用手法の場合は最初の数日間は朝、昼、夕と1日何回も振倒培養をしなければならなかったのですが、自動機器はそれを機械的にしてくれます。しかも、陽性かどうかの判断は寒天に発育させるのでは無く、培地成分を分解した際に発生する炭酸ガスを管底のセンサーが感知して、一定以上のガス発生が認めた場合に陽性となる仕組みを持っています。自動機器は検出感度の向上ができたため、陽性までかかる時間の短縮も可能となりました。

22陽性ボトルは左(右は培養前) BacT/ALERTの場合

自動機器の培養日数が5日間で良いのかどうかの検討は下記の論文が引用されることが多いですが、用手法と自動機器の検出感度を比較した場合に累積陽性率は用手法で7日間であったものが5日間で良かったということで、5日間を超えて発育した細菌の臨床的意義は低いものが多く、5日間は適切な日数設定だそうだ。

Time to Detection of Positive BacT/Alert Blood Cultures and Lack of Need for Routine Subculture of 5- to 7-Day Negative Cultures(JOURNAL OF CLINICAL MICROBIOLOGY, OCt. 1992, p. 2743-2745)

本当に5日間で良いのか?という疑問に対しては以下のような答えが多いようです。

・前述したように5日間を超えて発育した細菌の臨床的意義は低い。

・日常的に良く遭遇する細菌(大腸菌や黄色ブドウ球菌など)は3日以内に発育することが多い。

・5日間あればViridans Streptococcusによる感染性心内膜炎はほぼ100%検出できる。

・機器を効率よく稼働させるために5日間培養でも十分やっていける。

などなど。

確かに、Common diseaseをメインに対応している市中病院の多くはこの範疇に入ってくるので5日間で設定しても良いのでしょう。

疑り深い私としてはこの5日間を超えて陽性となる細菌は本当に臨床的意義は低いのか考えてみた。

陽性例475例のうち、5日間を超えて陽性になったものは8例ありました。

陽性となったものは、

Propionibacterium 3例、嫌気性GNR 2例、Klebsiella 1例、Moraxella 1例、Viridans Streptococcus 1例でした。

Propionibacteriumが一番多いのは予想通りでした。このPropionibacteriumが検出された患者背景を見てみると3例中1例は化膿性脊椎炎(骨生検でも同一菌種検出)であり、2例は皮膚消毒不十分によるコンタミネーションとなりました。Propionibacteriumですがこの3例を含めて10例の検出がありましたが、7例は5日目までに培養が陽性になり、コンタミネーションとなりました(陽性時間:3.6~6.0日)。

Propionibacteriumは嫌気ボトルが優先的に陽性になり下記の形態がグラム染色上で分岐した陽性桿菌が確認できるため、培養結果をまたなくても介入が可能です。稀に陰性に染まるのがクリニカル・パールでもあります。

600×1000

上記の他の菌種でコンタミネーションとして考えられた症例は1例のみで、トータル8例中5例で原因菌と判断されました。疾患別では消化器がんの術後や化学療法中の発熱、化膿性脊椎炎、尿路感染症がありました。

このように何気なく検査している内容でも検証してくことで実際の検査内容が適正化できたり、普段雑菌扱いのPropionibacteriumも原因菌として検出されるデータも掘り起こすことができます。

最終的にこの結果から5日間培養で良いのか、やはり7日間培養を継続する必要があるのか迷います。この結果から考えると現行の7日間培養は継続するか、5日間培養に変更して患者背景によって培養期間を変更してみるかになると思いますが後者は検査者によっても、主治医によってもバラツキが生じるので7日間培養を継続することになりそうです。 

Photo抗菌剤吸着樹脂(APB)ボトル

もう直ぐBacT/ALERTも抗菌剤吸着樹脂が本格導入されるので検出感度も向上しそうで楽しみですね。

検査には必ず限界値が存在します。通常は検出しても良いものでも検出できない場合も少ないですが含まれてきます。現時点で何が良いのか、どういう結果が期待され、どのくらいで結果が生まれるのか考えながら検査を続ける必要があるのではないでしょうか。

例えば、感染性心内膜炎でも培養に時間がかかるBartonellaについては28日間以上の培養日数が必要ですので、5日間で『陰性』と返っても当たり前な結果が返って来ます。Cryptococcusについては早くても5-14日間培養が必要ですので同じことですね。

何事も検査室と医師とのコミュニケーションは大切だと思います。

追記:『ロン』とは麻雀用語で他人が捨てた牌で自牌が上がる(場が終了する)ということです。

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