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2013年7月30日 (火)

複数菌が見える場合のグラム染色の見方

色々な場所に行きレクチャーをさせて頂く機会が増えました。

自分自身として勉強のために始めたブログですが、この数年で人気者になってしまいました。皆さまのご愛顧ありがとうございます。

多くがネット上に記載している内容について共感できることが多くハマったり、分からないことを調べていると辿りつきそのままハマる方が多いように聞きます。

元々、行間を読むような内容について自分自身に疑問を抱き、調べものをしている間に問題解決がなされ、自分自身のみで蓄えておくべき知識では無いのでオープンにしています。

中には共感できないものも多くあるでしょうし、検査室にいけばここまで分かるんだと思われて迷惑であるというお叱りを受けることもあります。グラム染色に関係する人口は非常に多いので色々な刺激を受けることは自分にとって良いことと思っています。

今後とも本ブログを飽きずに読んで貰い、意見交換をしていければと思います。

さて、グラム染色の初歩的な技術として多数菌種が確認された場合はどうやって見る(見方を習得)するのが良いのでしょうか的な内容を話することがあります。

グラム染色は漠然と見るものでは無く、描写される映像の中に

1.何菌種存在するのか?グラム陽性は?グラム陰性は?

2.特徴があり推定できる菌種は無いだろうか?

3.白血球、貪食像や生体由来物質はどういったものがあるだろうか?

簡単に説明するとこの3つである。

1は微生物検査をしていて最低限掴まないといけない情報であるが、初心者には中々難しい命題になると思います。私も微生物検査を始めたころはそうでした。

何菌種存在するのかという前に、グラム染色の染色性について分別する必要がありますが、グラム陽性菌はグラム陰性菌に比べて人間の眼には分かり易く写ります。それは、背景色が赤色(グラム陰性)であるため、同系色である場合には見難いからだと言われています。

なので、レクチャーの際には

『最初に見落としを少なくする方法は、グラム陽性菌と陰性菌は分けて見て行く。』というものである。陽性からでも良いですし、陰性からでも良いです。

例えば、グラム陽性菌に着目して、桿菌と球菌に分類する。形状から推定できる菌はその時点で挙げていく。同じくグラム陰性菌についても分類し推定できるものはする。

始めから複数菌を見れるのであれば問題が無いでしょうが、最初からそのような達人技を持つ人は少ないでしょうし、漠然と像のみ観察してしまい何がどうとか解釈が難しくなるのでは無いでしょうか。

染色の手順も、染色態度も至ってシンプルです。鏡検ももう少しイージーに考えても良いのでは無いでしょうか。

写真は肛門周囲膿瘍です。見るからに複数菌種が存在します。

Photo×1000

見て行くと、グラム陽性球菌は貪食像を中心に多く、細胞外にあるものはやや小さく染色性も悪く嫌気性菌を疑います。同じく、グラム陰性菌は桿菌に着目すると、太目で短い桿菌と細く紡錘形になっている桿菌が観察されます。紡錘状のものは特徴的でFusobacteriumですが、太いのは何でしょう?形状からは腸内細菌やBacteroidesを疑う所見なので、肛門周囲膿瘍の典型的な像となります。翌日、好気培養に発育しなければ全て嫌気性菌となり、太目の桿菌はBacteroidesの可能性が高くなります。

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