もうすぐ臨床微生物学会
毎年1月末から2月始めにかけて臨床微生物学会総会が開催されます。
今年は24回目の開催で、2月2、3日の2日間にパシフィコ横浜で開催されます。
今回のメインテーマは『多剤耐性菌への挑戦』ということです。
私は一般演題にエントリーすることにしました。
要望演題の『塗抹検査の活用法』ということで誤嚥性肺炎の診断について発表することにしました。この要望演題にエントリーできた兵どもは僅か6名です。グラム染色で有名なN田さんも控えていますよね。今から緊張してきます。
私のテーマは恐らく喀痰グラム染色で誤嚥性肺炎を診断することは永遠のテーマになるのでは無いかと個人的に思っています。日常的にそうじゃ無いかなと思うスメアに出会った時に臨床診断と合致する症例はどれくらいあるのだろうと思っていたのでそれを形にしました。
例えば、誤嚥性肺炎と推定するのはどういう時でしょうか
・嫌気性菌と推定される菌が多く見つかる
・膿性痰にも関わらずGeckler分類で低いグレードとして分類される
・口腔内常在菌と思われる多数菌が見られ貪食像がある
などなど。
今は風説のように誤嚥性肺炎と推定することがありますが一体どうなんでしょうね。自分自身も解釈に困っているので皆さんで意見をして欲しいと思っています。
過去にASMのポスターセッションでRobinson氏が誤嚥性肺炎の診断を下記のように行っています。Cumitechにも載っています。
・扁平上皮 10個/視野(100倍)
・多核白血球 25個/視野(100倍)
・口腔内常在菌 50個/視野(1000倍)
上記を満たした場合に感度79%であった。
当たっているようでどうなんだろうという感触ですね。
今回はこれに対抗するようなデータを提示したいと思いますが、恐らく会場の方は今の私の感触と同じようになるのでは無いでしょうかね。
でもジックリ診ると誤嚥にも種類があり、逆流性誤嚥や肺膿瘍など多彩な染色所見はグラム染色で展開されます。
やはりグラム染色なしでは肺炎の診断は語れないのであろう。
皆さん宜しくお願いします。
追伸;小さな夢ですが、今回ではありませんが、この学会の前夜祭としてグラム染色カンファレンスをしてみたいと思っておりますがどうでしょうか。
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