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2012年6月18日 (月)

道南感染対策セミナーに行きました

6/15は函館で開催された道南感染対策セミナーに行かせて頂きました。

会場となった函館中央病院には沢山の聴衆が参加して頂きありがとうございました。

さて、今回は『あれこれ使えるグラム染色所見-抗菌薬適正使用の指標として-』というテーマでお話させて貰いました。

ベースとなるのは当院のものです。

当院は耐性菌は少なく、各菌のアンチバイオグラムも良好な数値となっています。緑膿菌についてはMDRPはここ数年間お見かけしませんし、カルバペネムの感受性率も90%を超えています。カルバペネムが感受性だから使おうという風土は無く、出来るだけ使わないように心がける医療を展開しております。

他院から来られる医師に当院の微生物検査について尋ねると結果が返ってくるのが速いと嬉しいコメントを頂くことがあります。これも、グラム染色に基づいた検査結果の迅速な報告が背景にあるからだと思います。

グラム染色を通じて得られる検査情報をまとめて答えることをしています。

セミナーでは下記の点について強調しました。

1)検体採取がいい加減になると結果も明確なものが得られなくなる。

2)顕微鏡を覗かずに抗菌薬を選択するとはリスクを伴うし、広域抗菌薬の選択に走りやすくなる。

3)自施設のローカルデータは整理して、迅速な結果が必要な時に合わせてコメント出来る体制を予め整えておく。

4)特に感染症に造詣の深い医療従事者が少ないほどグラム染色の結果が活きる。

短時間しか話出来ませんでしたので少し内容が難しかったかも知れません。すいません。

1胸部単純撮影だけじゃ無く、グラム染色は見ないと不安です。

グラム染色は奥が深く、専門的にとらわれがちですが、やっぱり手付かずでは無く、1つ1つ症例を積み上げてものにしていくことが大切です。私も毎日50-60症例は見ていますが、ここが大事という症例は1割程度。でもその1割を大切に扱わないとスキルアップがありません。

培養結果が出たら見直しをする。数日後に検体が出たら前回との比較をしてみる。

何度も同じスライドを見ることは本当に大事だと思うこのごろです。

お世話になった先生どうもありがとうございました。

写真は連れて行って頂いた函館山の夜景(寒かった・・・)。

夜景は六甲山とはまた違う格別なものでした。

Cameraroll1340013319_059359 函館山の夜景

 

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