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2012年3月17日 (土)

CAPD腹膜炎の検査って

CAPD排液の培養ってたまに来ます。皆さんの施設もありますか?
自分自身、いつも疑問に思ってることがあります。
それは、検査依頼の方法が提出医によって、結構統一性が無く、結果報告の方法について悩んでしまうことが多いからです。
CAPD腹膜炎を疑い検査依頼されるのでしょうが、下記のような内容で提出なものがあります。
1)カルチャーボトルに入れて提出してくる。
これじゃグラム染色出来ないよ。と、培養が陽性にいませんで待つ。
2)スピッツに入れて提出。
嫌気性菌大丈夫かな?そもそも、量ってこれで良いの?という疑問。
3)ケンキポーターで提出
この検体量が大丈夫かな?嫌気もカバー出来るので問題なさそう?
4)チューブの先を出して来る
どういう結果を期待しているんだろう?デバイスそのままって。
そもそも、CAPD腹膜炎を考えた培養検査をしたいけど、提出方法について聞かれることは無いように思います。また、学会、研究会や技師会の勉強会でも、腹水の培養方法はたまに議論の対象にはなりますが、CAPDの培養方法や結果解釈について論議になることは少ないのかなと思います。
でも、培養方法って基準ってあるんだろうか?って思う方もおられるのではないでしょうか?
スタンダードな方法は実はあるのですが、検査室含めて知らない人が多いように思います。
ISPD GUIDELINES/RECOMMENDATIONSというものがあります。
Peritoneal Dialysis International, Vol. 30, pp. 393–423
そこには、下記のような事が書かれています。
1)CAPD排液は50mlを採取し、3000gで15分間遠心する。
2)遠心後の沈渣はをグラム染色に用いる。
3)残った沈渣に滅菌生理食塩水を3-5ml分注し、寒天平板と血液培養ボトルに接種する。
そうすると検査感度は95%と良い結果が得られえる。
排液を直接カルチャーボトルに接種する方法もある。排液50ml採取して、5-10mlを2本のカルチャーボトルに採取する。院内で培養していない場合などは使えるかも知れませんが、既に排液が混濁し結果を急ぐため、グラム染色が必要だと思われますが、未実施または出来ない場合にはこの方法が良いのでは無いかと思います。採取後は6時間以内に37℃で培養を開始することが条件になります。
ただし、この方法は80%程度の感度しかなく、遠心集菌した方法の方がより感度が良いことは念頭に置き結果解釈は必要だと思います。
上記の方法を実施すると、培養陽性の場合は24時間以内に75%もの検査感度が期待出来るようです。培養は3-4日間継続して行い、発育の遅い酵母様真菌を疑う場合はさらに継続して培養を行う方が良いようです。ここには記載は少ないですが、稀な疾患としては抗酸菌(特に迅速発育菌)、ノカルジア、アスペルギルスがありますので、何を疑い検査しているのか、検査室は提出医に確認し、提出医は検査室へ伝えることが、この検査の意義を高めることになりますね。
最近はブロードレンジPCRも用いられてきたので、出来る施設では採りいれていくと良いと書かれています。
原因菌は何でしょうか?グラム陰性桿菌の場合は予後が悪いことが知られています。
検出が多いのは、黄色ブドウ球菌、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、緑膿菌などのブドウ糖非発酵菌群、大腸菌などの腸内細菌群など。多くはデバイス関連の原因菌、横隔膜下臓器感染を起こしやすい細菌になり、通常の腹膜炎から検出される菌とは何ら変わりありません。排液とありますが白く透明がかっていますが、濁ると重症です。結果を急いであげましょう。
結果によって、投与する抗菌薬は大きく変わります。
当然、グラム染色は急いだ方が良いでしょう。
グラム染色で見えるのか?という疑問ですが、見えるか見えないかは見てみないと何とも言えません。見ないより見た方が得だと私は思っています。
染色で見えなくても、白血球の数をカウントすることで診断基準の一つがあります。
白血球数が100個以上/μLで好中球が50%以上を占めることが一つの指標だそうです。
色々知らないことが多く、改めて見直してみると不勉強が露呈されるのでこの辺にします。
最後に、出口部感染は、発赤や腫脹といった炎症所見を認めることが多く、一部膿瘍が出来ますので、そこの膿をグラム染色で染めてあげるのが大事です。
写真を掲載しますね。
Capd400 ×1000(菌は確認出来ませんが、白血球が多い。後ほど増菌でS. maltophilia)
Capd10003 ×1000 Streptococcus Viridans
Capd2 ×500 珍しいAspergillus
Capd ×1000 出口部膿瘍 MSSA

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コメント

お疲れ様です。
CAPDはたまに出ますが、まさか量も必要とは考えませんでした。
さらに残った沈渣物を滅菌生食水に入れてから、寒天培地に培養とは・・・
かなり勉強になりました。ありがとうございます。

投稿: のんべ~ | 2012年3月19日 (月) 13時07分

のんべー様 ガイドライン上に記載があるのは少なく、これはどの程度推奨されるものか自分も?って感じですが、今のところ準拠するのが良いのかと思います。うちでは寒天平板には沈渣のまま塗るようにしてますし、生食浮遊ではなくカルチャーボトル内容物を3ml採り混和して戻すようにしてます。

投稿: 師範手前 | 2012年3月21日 (水) 09時32分

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