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2011年12月13日 (火)

外科感染症学会にて

12/1-2と三重県にある合歓の里で第24回外科感染症学会総会がありました。http://www.ccs-net.co.jp/kansensyo24/index.html

 

私は朝の8時半からのシンポジウムに参加させて頂き、ICT活動の中で微生物検査室の立場から、日常行っている活動内容について紹介させて頂きました。

 

感染症の専門学会で、しかも外科領域に特化していることもありネタの仕込みに苦慮しました。一体何をどう話せば良いのだろうという事です。

 

普段ある、『アウトブレイク調査をしてPFGEをしました』とか、『菌の検出状況を作成して臨床現場に役立てています』という内容は当たり前であり、少しネタばれのことも考えて当院で行っている、患者を大切にする微生物検査について話を作ることにしました。

 

というのは、その数日前に遡るが、廊下を歩いていると元ICTの外科医師と出くわしまして、唐突に『うちの細菌検査室の良い所って何かと言われると先生は何と思います?』と聞きました。まあ、大胆不敵。

 

でも親切にその外科医はこう答えてくれました。

 

『なんせ、結果が早いので処置にしても、投薬にしても対応し易い。』とのこと。併せて、『抗菌薬の投与量とか選択幅の話も付加されていることは臨床医からしても非常に有難い。』と言って頂けました。日常からグラム染色の腕を磨き、迅速に結果報告すること、尚且つ患者ごとにこれはCriticalな結果なのかどうか意味づけて報告していることが良いアウトカムを迎えているのであるという事を改めて気付かせて頂いた一面でもありました。

当日の内容は、検査をしていて材料の外観やグラム染色像から『これはCritical dataだから早く報告が必要』とか、『大まかなデータを電子上に報告するだけで十分であろう』とか、どう勘付き対応しているかについてまとめて報告しました。

結果、結構ウケが良かったのか、終了してから色々な先生に意見を求められました。朝早いシンポジウムでしたが参加して良かったと思えました。

当院では外科の術後は以下のことを気をつけて見ていきます。特に発熱を来たした場合は、相談の有無に関わらず下記の点。

1)術後肺炎の発生は無いのか?

 特にお腹に力が入らなかったり、イレウスなどで誤嚥性肺炎が無いのかどうかグラム染色にて所見の確認をしてみる。特にグラム陰性桿菌が多くなっているかどうかが大きなポイント。

2)術後の腹膜炎は無いのか?

 縫合不全を含めて、二次性の腹膜炎は無いか?特に、腹水やドレーン内容物のグラム染色にてグラム陰性桿菌の形状や染色性から緑膿菌や嫌気性菌の存在を確認するのがポイント。

3)尿路感染症は起きていないのか?

 バルン留置されている場合もあり、in-outのバランス、残尿測定、VURなどなど尿路感染のリスクを絞り、1世代、2世代セフェム耐性菌(自然耐性を含む)の有無を確認。勿論グラム染色像の迅速な報告あります。

4)CV感染は大丈夫なのか?

 栄養ルートの確保が困難なケースが多く、基本抜去の処置が見送られる例も含めて、抹消とCV採血の陽性時間の差を見る、CVルート採血からの直接グラム染色、カテーテル抜去直後の集菌操作によるグラム染色の結果解釈。

などなど。発表時間は15分しかありませんでしたがコンパクトにまとめ話しました。

やはり、基本は感染源の検索であり、原因菌の検索とともに適切な感受性抗菌薬をいかに早期導入が出来るか?そりゃ決着が早い方が耐性菌の蔓延も阻止出来るだろう。当院は出来るだけカルバペネムを使わずにどの程度対応出来るのかいつも考えております。

結果、カルバペネム耐性菌の発生は少ない、使いたい時にスムーズに導入可能(ただし、後で変更すること前提)となっているようです。

下記は当日のスライド。上の1)から4)のポイントについて話した時のものです。

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