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2011年12月 6日 (火)

第11回神戸グラム染色カンファレンス

この1カ月怒涛のように過ぎて行きました。ブログの更新は後進(どーん)しており、愛読家の方々にはご迷惑をおかけしております。漸く時間が出来るようになったと思いきや、病院システム更新のためハラハラドキドキの毎日です。

さて、グラム染色は一人で楽しむのも良いですが、半分は自慰行為まがいなので、たまには大人数でディスカッションするのも勉強になるでしょう。普段見えていなかったところを見れるようになる機会かも知れません。

神戸では『グラム染色カンファレンス』を実施しております。近隣の施設で寄り集まり、グラム染色についての話題から感染症の診断・治療まで幅広く行っており、最初は近隣施設だけだったのですが、最近の参加者は少し遠くの方も来て頂いているようです。

今回も下記の通り開催します。

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第11回神戸グラム染色カンファレンス

日時;平成23年12月15日 19:00~

場所;ANAクラウンホテル神戸 9階カモミール

演題は3つ

  その1)82歳男性高齢者肺炎の1例

  その2)88歳高齢者肺炎の1例

  その3)37歳MCTD患者の左下肢蜂窩織炎の1例

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本当にあるあるネタですよね。

単純に35歳、肺炎とすると結核菌か肺炎球菌かでしょうが、そうは問屋が下ろしません。持ち帰って頂くものは沢山あると思います。お時間のある方は参加下さい。

写真は以前に私、師範手前が報告したスライドです。

脳腫瘍術後で、ケモラジをしていました。縫合部分にニキビが出来て、痒いからと掻いていたそうで、だんだんと腫れて来ました。診察に来て穿刺吸引するとこんな菌が見えました。そうです。ニキビ=Propionibacterium acnesです。もともと、acmesにしようと思って届け出する際に”m”を”n”に間違えて申請したためこの名前になってしまったトリビアを持つ菌です。

血液培養から出たらコンタミ!と言われるこの菌も皮下膿瘍や涙小管炎から出れば原因菌MAXです。決して、コンタミでしょうと言わないで下さい。

特にこの菌は病原性が低く、グラム染色で確認出来ていなくても翌日培養で出ましたなどという事が多く、また染色性が悪い場合もあり、グラム陰性桿菌に間違われる場合もあります。貪食像など特に細胞質内への染色液移行が悪い場合も染色性が落ちる結果になります。陽性桿菌はまさに妖精の如く見る機会が少ないと思いますので、見えた場合はしっかりチェックすべき菌の一つです。

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コメント

グラム染色カンファレンス行きたいっす!
近畿地方が羨ましくなりました。

投稿: コソ染め太郎 | 2011年12月 7日 (水) 23時24分

コソ染め先生。お待ちしております。次は3月です。症例も募集します。

投稿: 師範手前 | 2011年12月11日 (日) 23時36分

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