多職種との交流は明日への活力になる
多職種の方と交わると自分の無力さを思い知ることが多くあります。今までの自分の努力が全く打ち消されることもたまにあります。でもそれは明日からの勉学に励む活力に変えて行こうといつも思います。
昨日はICNJ近畿支部で多剤耐性菌について話しました。グラム陽性球菌とグラム陰性桿菌の感染管理は同じでも、グラム陰性桿菌の制御は難しく今後疎かにしていると大変なことになるという事で、市中感染型グラム陰性桿菌のクローン分布について話しました。食肉媒介のESBLは遺伝子が移るが大腸菌自体はそんなに問題が無いことが多いというあまり知られていない知見についても触れて話しました。感染管理色が強くなると遺伝子やプラスミドに興味が走り菌の制御という根本的な内容が薄くなる可能性があるからと思っていたので内容に入れました。
今日は医療薬学学会年会でした。薬剤師の学会で一番大きな学会だそうで、そんな栄誉のある学会でプレゼンさせて頂くことは自分でも刺激になります。
今日の内容は微生物と話そう、微生物検査に行こうという内容について話しました。少し抱いていた思いと違った方すいません。
1)微生物検査は材料が大事で、いい加減な材料は成績を悪くする。
2)薬剤感受性結果の作られた意味を知る。特に投与量と回数との比較をする。
3)MICが低いからと言って全て成功する訳では無く、低い場合は失敗する可能性が下がることは明らかである。
4)微生物検査をしている人はMICは言えるが、投与量、回数に加え相互作用、腎機能、臓器移行などは言えない人が多い
5)菌の病原性は病原因子と感受性の悪さによって決まるが病原因子の検査は日常的に行われない
6)耐性菌をいち早く察知出来るのは微生物検査室でしょうね。
などです。
是非、嫌がられても微生物検査室に行って下さいね。
当日、薬の効果が分かるグラム染色も1枚提示しました。
会場は熱気ムンムンで立ち見が沢山でした。少し着座の方から見難かったと話を伺ったのでPDFハンドアウトを公開することにします。当日会場に居たけど見難かったという方がお近くに居たら教えてあげてください。多分、アーカイブ用の資料はまた会員には行くと思いますが先に。学会関係の人すいません。
このURLからダウンロード可能です。2.5MBくらい。http://xfs.jp/1FfAV
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