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2011年8月16日 (火)

挑戦者 Come on!!

こんなスメアにも出くわします。

80歳代、男性。喘息、COPDがあるそうですが軽度であり画像上でも気腫性病変は顕著に認めず。

数日前より咳嗽があり夜も眠れず。横を向くとしんどくて、睡眠時間も少ない。呼吸苦を訴えて外来受診したところ、右膿胸を疑う所見があり、胸水のドレナージを実施した。白色の膿性胸水が出たところグラム染色をしました。ちなみに胸水のpHは7.1、LDHは2400IU/L、糖は54mg/dl。

さあ、どう読むのでしょうか?

原因菌は何でしょう?1つ?2つ?

ドレナージしたとして、使う抗菌薬は何を選択しましょうか?

ちなみに私、菌の類推は出来ましたが・・・。ゴニョゴニョ。

挑戦者お待ちしております。

10003 ×1000

今週は第5回GSSG研究会です。参加予定の方宜しくお願いします。

なお、当問題は会とは全く関係ありません。

悪しからず。

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グラム陽性菌」カテゴリの記事

コメント

はじめて投稿します。お手柔らかにお願いします。
白血球と粘液が背景にあり、グラム陽性球菌が多数見られます。グラム陽性球菌は莢膜を持たず、8割がたのものが大きさが均一ですが、小型のものも見られます。複数菌の感染が考えられます。
菌同士の接着は弱いですが、クラスターというより連鎖ではないかと思います。Streptococcus milleri group, Peptostreptococcus, Micromonas, Finegoldia magnaを起炎菌と考え、ペニシリン、アンピシリンでの治療を選択します。
(Bacteroidesを見逃している可能性と治療が外れれば手術へ移行しかねないリスクも考慮すると、スルバクタム・アンピシリンの方がよいのかなというチキンな思いもあります)

投稿: hazetemple | 2011年8月17日 (水) 00時43分

挑戦させていただきます。

でも難しいですね。正直、分からないです。
でも分からないなりに、グラム染色上はグラム陽性球菌で大小2つの菌が混在しているように見えます。
菌は連鎖している部分と双球菌ぽいところもありますが、ブドウ状ではなく孤立している菌も散見します。
また、この大小の菌は同じ菌か異なる菌か、読めません。抗菌薬入れた後なら同じ菌でもいいのでは?
その他、陰性菌は見当たりません。(染色ののムラ?みたいのはありますが)

鑑別は…
①肺炎球菌(抗菌薬投与後)
②嫌気性菌
③黄色ブドウ球菌

陰性菌は見たらないので抗菌薬としては、まずはSBT/ABPCを使って培養の結果を待つのが良いと思われます。

なんか「結局絞り込めずSBT/ABPCかよ…」と言われそうなオーダーですが、いかがでしょうか?

投稿: コソ染め太郎 | 2011年8月17日 (水) 00時51分

ペニシリンを1200万単位/dayと膿瘍できてるのでCLDMを600mg/dayかな。

投稿: 匿名技師 | 2011年8月17日 (水) 08時13分

ご無沙汰しております。

まずはグラム染色ですが、大きな陽性球菌様のものは真菌で多分クリプトコッカスではないでしょうか。小さいレンサ球菌も見えますが、嫌気性のレンサ球菌と推測します。
GPCにしては大きすぎで、夾膜がはっきりはしませんが、菌糸もなくクリプトコッカスと推測して墨汁染色などしてみます。
pH、糖は低く、LDHは高く、菌も検出されているので滲出液で間違いなし。
抗菌薬は上記コメントにあるもの+FLCZとなるのでは・・・
自信ありませんがそう見えてしまいました。
よろしくお願いします。

投稿: 指導員手前 | 2011年8月17日 (水) 11時02分

うーん、どうしても真菌に見えます。
菌糸っぽいのもないし、菌体も円形が多いし、やはりクリプトコッカス? 夾膜はないかとしつこく見ていたら左下のほうに周囲が薄っすらと赤く染まっているようなのがありました。もしかして夾膜じゃないでしょうか。
全然的外れでしたらすいません・・・

投稿: 指導員手前 | 2011年8月17日 (水) 16時56分

あっという間にコメント多数で感謝します。菌そのものを良く見て下さい。難しくは無いと思いますよ。大きさは白血球と比べると良いでしょう。特にクリプトコッカスなら小さく莢膜の糸引きが見えませんし、そもそも市中感染を匂わせるこの場合に膿胸になるんでしょうか。菌をジックリ見て下さい

投稿: 師範手前 | 2011年8月17日 (水) 18時59分

こんにちは。挑戦させて頂きます。染色写真からグラム陽性球菌と、酵母様真菌(もしくは大型陽性球菌)が見受けられます。膿胸からの検体である事、GPCがレンサしている事を考えると、streptococcus milleri group、peptostreptococcus等が疑われると思います。

大型陽性菌を酵母様真菌と見ると、正直難しくなんと答えようかと迷ったのですが、出芽が見られるが仮性菌糸がなく、菌体が丸いモノが多いのでCryptococcusかと思いました。ただ、写真をじっと見つめていると、極少数ですが楕円のモノも見られることから丸みを帯びたCandida の可能性もあるのかな?と思いました。

真菌でないと見ると、患者情報「数日前より咳嗽」、「呼吸苦を訴えて外来受診」という所と、大型陽性球菌の周りが薄っすらピンクに染まっており、尖っている菌体もある事から、肺炎球菌ではないかと考えました。

長くなり申し訳ありません。御教授の程、宜しく御願い致します。

投稿: k | 2011年8月18日 (木) 13時23分

確かに印象としてはクラスターに乏しく、連鎖様に思えますが
単純に、黄色ブドウ球菌単独感染のように思えます。
膿瘍もかなり時間経過のたったものを感じます。
分葉核球もほとんど影が見られず、単核球の残骸が認められます。
高LDH値はこの好中球融解を反映しているものと思われます。
しいて陽性球菌の混合感染を考えるなら同じく組織壊死の強い
α連鎖球菌なども考えられるのかなと思いますが連鎖の長さからは
違うように思われます。
時間経過のたった為か球菌の大小不同もあるのかなと思います。
抗菌薬は培養結果が出るまでセフャゾリンでもいいかなと思います。

投稿: 倉敷太郎 | 2011年8月18日 (木) 15時12分

クリプトコッカスではありませんでしたか・・・
となるとCandida?となり仮性菌糸もなくC.glabrataかと思いますが、菌体がどうも丸すぎるような気がします。
第一印象が真菌?と思ってしまったせいかやはりブドウ球菌には見えないんです。肺炎球菌とするにも菌体が丸すぎるし・・・
むずかしい。よろしくお願いします。

投稿: 指導員手前 | 2011年8月18日 (木) 16時23分

先にも書きましたが、抗菌薬投与後の肺炎球菌の可能性はいかがでしょうか?

GPCの大きい奴は抗菌薬により膨化したもので、それが進むと壊され小さい奴になっているのではないでしょうか?
また一見出芽しているように見えるのは(写真左下のWBCの左側にある菌)双球菌の一方の球菌が壊されている状態ではないかと思います。

抗菌薬入れてここまで菌が残るかという事に関しては膿胸だから移行性が悪いという事で矛盾でしょうか。

的外れだったらすいません。

投稿: コソ染め太郎 | 2011年8月18日 (木) 18時59分

正解は.......
肺炎球菌でした。コソ染太郎。当たりましたよ。
酵母にしては小さい、一部菌周囲が紅いとなると莢膜あり。陽性球菌とすれば肺炎球菌であろうか?と推測出来そうです。カンジダにも類似しますが大小不同もあることから置かれている状況が悪いという風に考えることも出来て、肺炎球菌が頭から離れませんので、嫌気性菌も考えます。嫌気性菌なら抗菌薬も絞れますし。培養にも時間がかかる事を念頭に進めるようになりますね。
莢膜過剰に産生する肺炎球菌はこのように丸々と見える事もあるので覚えておきましょう

投稿: 師範手前 | 2011年8月18日 (木) 23時56分

common is commonだということ、それぞれの菌体周囲もよく観察すべきとのことですね。勉強になりました。

投稿: hazetemple | 2011年8月19日 (金) 01時37分

肺炎球菌でしたか・・・
肺炎球菌もたしかに丸く見えるものもありますが、今回のはちょっと難しかったです。
第一印象は大事だと思いますが、それに固執してしまうとダメですね。勉強になりました。
ありがとうございます。

投稿: 指導員手前 | 2011年8月19日 (金) 08時02分

一枚の写真で推測するのはなかなか難しいですね。いつも全体像をみて判断してるので余計に。当院では染色画像を電子カルテで見れるようにしていますが、とっておきの一枚を撮るのに結構時間を要します。こちらの意図をなるべく正確に伝えたいですからね。

投稿: 匿名技師 | 2011年8月19日 (金) 09時41分

肺炎球菌の単独でしたか。写真右下に連鎖球菌もいると思っていたのですが、たまたま菌が集まっていただけなのですね。
菌体周囲が薄っすらピンクなのは気づけましたが、患者情報の「咳嗽、呼吸苦で外来受診」がなければおそらく肺炎球菌という考えはスルーしていたと思います。

それにしても、大きくてかなり丸い肺炎球菌でしたね。。。

投稿: k | 2011年8月19日 (金) 11時47分

今回のグラム染色像とは関係ありませんが、質問させていただきます。以前、CLDM誘導耐性 の 記載がありました。
耳鼻科領域で使用されますRKM ですが、 EM、CAM耐性、CLDM誘導性菌の場合、 感受性結果はそのままでよいのでしょうか。 ・・・・誘導耐性を考慮してからのRKM投与だとは思いますが、よろしくお願いいたします。


投稿: 七転八起 | 2011年8月22日 (月) 13時24分

いつも勉強させて頂いてます。喀痰をグラム染色したときに、肺炎球菌が赤くグラム陰性に染まっている場合があるのですが、これは何が原因なのでしょうか。

投稿: ムヒョッホ | 2011年9月 1日 (木) 21時35分

七転八起様 マクロライド誘導耐性はermになるので14と15印環のことを指すと思いますのでRKMでは見れないと思うのでダメです。
ムヒョッホさま、紅く染まる莢膜は特に意味は無いと思います。莢膜の産生量が多いと紅く染まる傾向にあるので、この場合は3型の可能性があることになります。実際、3型でした。

投稿: 師範手前 | 2011年9月 4日 (日) 23時06分

いつも参考になるお話ありがとうございます。
丸々とした肺炎球菌と思われるスメアに遭遇しました。
培養1日目の培地では、肺炎球菌と思われるコロニーが発育してきませんでした。
もう一日血寒とチョコをCO2培養した方がよいのでしょうか?
莢膜過剰産生菌だと発育が悪いのでしょうか?

教えてください。よろしくお願いします。

投稿: テスト太郎 | 2013年11月12日 (火) 18時40分

テスト太郎様。嫌気条件で培養してみて下さい。出来なければ炭酸ガスでも良いかと思います。自己融解が進み発育が悪いのでしょう。
肺炎球菌は見えても多くが発育できていないものは多くあります。
莢膜産生菌が悪いというか肺炎球菌の発育が悪いんだと思います。

投稿: 師範手前 | 2013年11月12日 (火) 23時06分

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