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2011年7月28日 (木)

ハズレなんだろうか

j個人的に喀痰グラム染色所見を見た時のコメントは1検体ずつ分けることが多いです。

菌をそのまま推定した肺炎像(例えば、肺炎球菌性肺炎の可能性あり)とか、多菌種貪食像のため唾液誤嚥性肺炎を疑う、上皮や好中球が縮小し過ぎて雑多な菌が多いので逆流性誤嚥を疑うなど・・・

どこまで臨床で把握されているか分かりませんが、検査室内で翌日発育してくるだろう菌を想定してコメントを残すこともあります。培養でどの菌を引っ掛けて報告するのか考えるためです。

さて、先日は逆流性誤嚥?とコメントした喀痰グラム染色ですが、腸内細菌群の疑いと追加コメントをしましたが・・・・

翌日発育してきたのは、マッコンキー寒天培地に赤色集落。フムフム、腸内細菌なので同定・感受性と進めれば、更に翌日”Aeromonas hydrophila”と。してやられたとオキシダーゼ試験したところ(腸内細菌は必ず陰性なので)陽性になりました。

これでめげてもダメと思いグラム染色像を再確認しました。でも私にはこれが次に出てきてもAeromonas hydrophilaと言える器量はありません。でも、逆流性誤嚥と報告したまでは良かったのでは無いかと。

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2011年7月19日 (火)

グラム染色の研究会

なでしこジャパンW杯優勝おめでとうございます。

何か、やる気が出てきますね。

さて、グラム染色に関する研究会がありますのでお知らせします。

【その1】

7/28(木) 第10回 神戸グラム染色カンファレンス

今回は一般演題が2題と、基調講演『皮疹と感染症』を予定しております。

場所:クラウンプラザホテル新神戸 

時間:19:00~

会費:500円

詳しくは大日本住友製薬にお聞き下さい。

【その2】

8/21(日) 第4回GSSG研究会(注! 事前申し込み制)

今回も基本的なグラム染色の読みかたから、CPCまで取り揃えております。

場所:大阪市大医学部

時間:午後のCPCにやや空きあり。(職種を超えてのディスカッションあり)

会費:午後のみは2000円

詳しくは 西神戸医療センター 検査部 山本(ygogo2goアットgmail.com)まで

暑い夜はグラム染色で一層熱く語りましょう。

写真は先日撮影した便のスメアです。何か分かることありますか?

また後日解説をします。

本当に最近忙しく更新が進んでおらずすいません。

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解像度に難あるかも。

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2011年7月 5日 (火)

肺炎球菌ワクチン接種しましょうね

先日、当院の内部勉強会で、『ワクチンで防げる感染症』というテーマで勉強会を企画しました。内容は『肺炎球菌ワクチンとHibワクチン』が主ですが。

勉強会の主旨は、医療従事者としてワクチンに関する知識を付けて貰いましょうということです。ワクチン接種する場所に立ち会わない方にとっては特に経験の無い限りワクチンの知識はあまり十分とは言えず、『あんた、病院で働いているやろ?こういう場合ってワクチンは要るの?どうなん?』と家で聞かれたり、友人に聞かれたりして焦ったり、困ったことは無いでしょうか。

臨床検査技師に関してはワクチンの教育などは全くと言って良いほど無いに等しい医療従事者の一つだと思います(細菌検査室に従事しないと関わり無いんでね)。

肺炎球菌は良く見る感染症の一つですが、良く見る=注意しないといけない感染症 なんだと改めて感じました。中には、当院の侵襲性肺炎球菌感染症事例を中心にデータを示しながら解説していきました。少しご紹介します。

【当院の動向2005-2010】

肺炎球菌は2005年に298例の分離がありますが、2007年の353例をピークに、2010年は201例と減少してきている(これはインフルエンザ菌も同じ傾向に)。

補足:検査方法など変更ありませんので問題は無いと思います。

分離例は冬季に多く、夏季に少なくなる。

PSSPの分離率(CLSI髄膜炎カテゴリーで全て判断した場合)、2005年は32%だったんですが、2010年は42%と年々増加傾向=PRSPが減少中。

【小児の肺炎球菌性髄膜炎のサマリー1994-2011年】

10名の肺炎球菌性髄膜炎があった。死亡事例は0人。これは凄い良いと思った。後遺症は1名のみ(ちなみにHibは13人あり、死亡例はまたもや0人。後遺症は3名とやや肺炎球菌より多い。病原性が強いためかも)。

髄膜炎は5例だけ血清型の結果が残っており、うち4例は4型、6B型(2人)、19F型で80%がPCV7でカバー可能。

肺炎球菌が血液培養から検出された事例は62例。うち42例は6B(15人)、9V、14(4人)、19F(5人)、23F(4人)と69%がPCV7でカバー可能。

【MLSTの結果】

14例でMLSTを実施しST236が最も多く3人。問題のST320、ST3111は確認されなかった。

【考察】

・肺炎球菌の検出数は年々低下しているが、侵襲性株が多くなっている感じ(当院成人例で増えた)。

・ペニシリン耐性菌は減少傾向(抗菌薬の適正使用か?)。

・PCV7でのカバーは各報告通りで約7割。

・当院での小児細菌性髄膜炎では死亡例が無かった。

・集団発生と考えられるクローンの一致は無かった。

・6B型の発生が多かった。6Bに関しては再燃例の報告も多く、ブレイクスルーかワクチンを接種しても抗体が付き難い可能性が示唆される。特に6Bは注目。http://cid.oxfordjournals.org/content/37/8/1029.abstract

また新たな血清型による侵襲性感染症もある(当院では先日15Aが出ました)。

http://cid.oxfordjournals.org/content/47/11/1388.abstract

やはり、肺炎球菌ワクチンとHibワクチンは、まだまだ接種率が上がったとは言え、十分ではありません。小児の肺炎球菌感染症が減ると、成人の発症事例も減ったという報告がある(http://jid.oxfordjournals.org/content/201/1/32.abstract)ので、継続してワクチン接種を推進して行こうと思います。成人のワクチン接種でも肺炎が少なくなるというデータ(http://www.bmj.com/content/340/bmj.c1004.abstract?sid=570efa9f-24c2-4301-9cb2-4c07e53c0953)もありますので皆さんも頑張って勧めていきませんか?

写真は肺炎球菌の気管支肺炎を起こした患者さんから得られた喀痰スメアです。莢膜が見えています。この莢膜はキレイと思いがちですが、『悪そう・・・』と私は感じます。莢膜は貪食を回避しますし結構図太いですね。なので、このスメアで貪食され消えかかっている肺炎球菌は今後どうなるんやろと心配です。

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