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2011年5月 1日 (日)

難問(かも知れない?)を出します

SNS上で勉強している毎日です。

GWと言うのに休日出勤、オンコールの呼び出しに加えて当直が入り普通の日が続いています。細菌検査室に従事されている方々は恐らく同じ境遇に立たされていると思います。結局同じ検査ですが内容が専門的になりますので、日当直者では対応出来ないことも多いので仕方ありません。また、この場面を放置すると重症化しますので「休み明けでも構わないや」などということも出来ませんし。臨床から愛されていることと考えて頑張ろうと思います。

さて、あんずの呼吸sara先生より、「後輩が頑張ってグラム染色を読んでいます」というお言葉を頂きましたので久々に質問を出すことにしました。これは先日来た6年生にも同じ質問をさせて頂いたものです。

患者は77歳、男性。主訴は呼吸苦。在宅で基礎疾患はDMだけです。

胸部レントゲン所見では左の気管支に沿った浸潤影にCPアングルは見えず。右は下葉にややベターとした末梢陰影が一つのみ異常。

喀痰を採取したので見て下さいという提出医のお願いを聞いての返答を想定して下さい。

あなたなら何と答えますでしょうか(だいたい下記の3つが分かれば問題無いですね)

・喀痰から得られえる所見より患者の病態は何が考えられるか?

・起炎菌が判る場合は何が想定されるのか?

・何か他の検査所見で有用なものがあれば何を参考にするのが良いのか?

100 弱拡大(100倍)

6001 強拡大(1000倍)その1 

6003 強拡大(1000倍)その2

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背景など病態把握」カテゴリの記事

コメント

いつも大変楽しく勉強させていただいております。Dr.saraの後輩でグラム染色好きのレジデントです。
師範手前先生からの問題、挑戦させて下さい。

まず、この標本は上皮が多く、白血球がほとんど見られません。Gecklerは1or2かと思います。
また陽性、陰性、球菌、桿菌が入り乱れ、コリネフォーム様の陽性桿菌、カンジダと思われる酵母様真菌も見られます。

次に経過から両肺に生じた急性の肺炎と考えられます。
それに高齢である事を考えると・・・

・喀痰から得られえる所見より患者の病態は何が考えられるか?
唾液(検体が悪い)or誤嚥性肺炎

・起炎菌が判る場合は何が想定されるのか?
不明(誤嚥なら口腔内常在菌)

・何か他の検査所見で有用なものがあれば何を参考にするのが良いのか?
誤嚥のエピソードや痰を取った状況が重要になってくると思います。
また陽性双球菌も見られ、唾液検体に混じった本物の原因菌の可能性もあるので尿中肺炎球菌抗原は念のためチェックすべきかと思います。

誤嚥にしては白血球が少な過ぎる印象ではありますが・・・
いかがでしょうか?

投稿: 0083@あんず | 2011年5月 1日 (日) 11時40分

初めてコメントさせていただきます。コメントされる方が上級者なので少し気が引けますがROMでは自分自身に進歩がないかと思い、がんばります。

・喀痰から得られえる所見より患者の病態は何が考えられるか?

EPが決して多いとはいえませんが口腔内の唾液が混在している可能性と菌体の形がいろいろあり誤嚥を疑います。

・起炎菌が判る場合は何が想定されるのか?

G陽性の短桿菌が多そうですが菌種は不明

・何か他の検査所見で有用なものがあれば何を参考にするのが良いのか?

WBCとCRP、CTも見たいです。

よろしくお願いします。

投稿: グラム染色の初心者 | 2011年5月 2日 (月) 15時34分

チャレンジさせていただきます。


・喀痰から得られえる所見より患者の病態は何が考えられるか?
弱拡では上皮多くWBC少ないので検体としては不適(G1-2)なので、口腔常在菌のみでしょうか。

・起炎菌が判る場合は何が想定されるのか?
強拡1では、ブ菌様、連鎖球菌、GPR、真菌が認められ、貪食像もないので起因菌不明ですが、連鎖球菌の集まっているのは肺炎球菌でしょうか。真菌はnon-albicansですね。GPRはコリネだと思います。強拡2では、コリネ様が貪食されていますが、少ないので何とも言えないのでは・・・、気になるのが連鎖球菌の集まっているところでやはり肺炎球菌に見えます。GNRも少量見えますがよくわかりません。

・何か他の検査所見で有用なものがあれば何を参考にするのが良いのか?
尿中肺炎球菌抗原くらいでしょうか。

この程度しかわかりませんがよろしくお願いします。


投稿: 指導員手前 | 2011年5月 2日 (月) 17時43分

難しいですね ルーチンではあっさりスルーされている可能性が・・・

扁平上皮主体で、G1-G2の痰であることは問題ないと思います。喀出困難である可能性も。吸引して再度取り直してもらいたいところです。

皆さん指摘されているように、肺炎球菌を思わせるものを認めています。追加の検査ではやはり尿中抗原は押さえておきたいです(血液培養はすでに実施されているものとして)。ブ菌を疑うものを認めているので、白血球が少ないのはロイコシジンに破壊されている?なんていうのは考えすぎでしょうか。

吸引痰であれば、誤嚥の線も否定できないかとは思いますが・・・

投稿: いつも傍観技師 | 2011年5月 2日 (月) 21時56分

皆様

鋭すぎる読み方。問題出してみるもんですね。
未だ未だコメントありそうですので解答記事はもう少し後に出します。反論ある人居ないですか?

投稿: 師範手前 | 2011年5月 3日 (火) 12時40分

もう1つ気がつきましたので、書かせてください。

貪食の有無はこの視野だけでは何とも言えませんが細菌の数の割りにWBCがほとんど見られません。炎症症状があるときでもWBCはこの程度なんでしょうか?(初学者で分からないのです)

尿中の肺炎球菌抗原検査を・・・という方がいらっしゃいますがあの検査は起炎菌でなくても反応するとかでむしろ喀痰の肺炎球菌抗原の検査の方がいいのではと思うのですがどうでしょうか?

(ご無礼お許しくださいませ)

投稿: グラム染色の初心者 | 2011年5月 3日 (火) 22時19分

心不全の可能性あり。呼吸苦と胸水からね。感染あるかもしれないけど、今は誤えんくらいを考えていればいいのでは。このグラムじゃなかなか評価困難。

投稿: 技師 | 2011年5月 3日 (火) 22時46分

いつも勉強させて頂いてます。こんな感じの標本は、うちの病院ではよく見かけます。コリネが多くカンジダが目立つ場合は、すでに抗菌薬を使用して菌交代が起きてると、コメントしてしまいます。皆様の意見のように白血球がないのが、気になります。時間が経過しても壊れた残骸は残ると思いますが、古いのかなと少し疑います。それからドクターは必ず、貪食の有無を聞いてくるのですが、本当に大事なのでしょうか。(貪食=感染ときめつけられてしまうので怖いです)

投稿: ムヒョッホ | 2011年5月 4日 (水) 19時13分

 診療所の医師です。ムヒョッホさんの、『ドクターは必ず、貪食の有無を聞いてくるのですが、本当に大事なのでしょうか。(貪食=感染ときめつけられてしまうので怖いです)』で、自分自身の判断が少し心配になってきました。「貪食=起炎菌として強く疑われる」と思っていますが、違うのでしょうか・・・そうなると、なかなか悩ましいところです。確かに、いろいろな視野を探して探して、ポツッと1~2箇所だけ菌体が見えて、それが貪食されているように見えるときは、起炎菌としては数が少なすぎるな、とおもいますが。
 ムヒョッホさんの、貪食をされているけれども起炎菌としては判断しない場合は、どのような時なのでしょうか。差支えなければ、ご教示いただけましたら幸いに存じます。

投稿: 三省 | 2011年5月 9日 (月) 00時00分

三省さま。だれもコメントしてないのでコメントさせてください。
喀痰のグラム染色を始めて3週間のものです。
先輩に「喀痰のグラム始めたんです。」というと「えらい難しいもんから始めはったんやね」と言われました。ムヒョッホさんの貪食もそうですが技師によっては喀痰のトマツほど不安定なものはなく「出口と入口」(つまり喀痰と便のこと)は培養したらトマツと大分食い違うことがあるから専門家でも難しい・・・・と。
僕が今日染めたグラムも誤嚥の疑いでまとめたかったのですが可能性はあっても採取状況によるんで扁平多数とWBCプアー、非病原性のG(-)球菌だけではな・・・と言われてしまいました。
貪食にももちろん慎重です。なんかグラム役に立つのか不安ですわ・・・。

投稿: グラム染色の初心者 | 2011年5月13日 (金) 18時22分

初心者さま

先日解説で書き下ろしたのを見ていただけましたか?大体のことを解説しております。

http://gram-stain-id.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-ce2d.html

誤嚥でまとめたかった場合は扁平上皮が多数であること、典型的な肺炎の起炎菌が見えないだけでも大きな収穫だと思いますが。

必ずしも貪食=起炎菌という訳では無く、貪食は起炎菌の可能性を示唆するパラメータにしかありません。貪食をし難い部位、貪食がし難い病態、貪食しようにも白血球が無いなどもあります。若い成人市中肺炎で白血球が沢山あり貪食を認めるのであれば起炎菌に間違い無いと判断出来るでしょう。また膿の場合は普通貪食がありますので貪食像を頼りに白血球を中心に見ると簡単です。

好中球は血管外に遊走してきた場合見境無く食べる習性を持っているので起炎菌=は成り立つか採取時期なども含め慎重に考えるのが良いのかと思います。

投稿: 師範手前 | 2011年5月13日 (金) 20時39分

師範手前様
コメントありがとうございます。スライドをたくさん染めてたくさん読みます。ところで貪食ですが桿菌でも起こるんでしょうか・・・

投稿: 初心者 | 2011年5月14日 (土) 12時32分

菌種というか異物は全て貪食します。

投稿: 師範手前 | 2011年5月14日 (土) 22時37分

師範手前様
ありがとうございました。このブログはすごく矯めになります。
レスポンスも早いですね。初心者が不審者にならなようしっかりと勉強します。
ところで、Dr.Harumi GomiがMRSAに対するバンコマイシン投与の話を講義されたとき第一選択薬であり、他の抗生剤の使用はstaticではないので・・・という話をされていました。確かに教科書ではそうですがハベカシンの使用が一番多く、次にバンコだと思うんです。院内でバンコのTDMも行っているんですがバンコは敬遠されてます。腎機能障害も1970年代の古い製造工程のものではない限りほとんど起こらないとのこと。なぜバンコは日本では利用されにくいんでしょう?師範手前様以外でも結構です。御教示くださいませ。

投稿: 初心者 | 2011年5月15日 (日) 06時22分

三省様、師範手前様。いつも勉強させて頂いてます。
私が貪食で悩ましいのは、白血球が多いのにその中に貪食してるのがあるかないか探す手間と、正確に有無をいえるかどうかです。カタラリスや誤嚥性では多くの白血球が貪食されており、手間もかからず、はっきり貪食とわかります。困るのは、白血球が多数あるのに全視野に1~2個貪食してるのがある場合です(三省様はうまく表現されてましたが)。MRSAを保菌している人の喀痰でも、わずかに貪食してるのが見られることがないでしょうか。また、常在菌が多い人の場合でも、貪食か上にのってるか判らない時があります。貪食は明確でない場合は不明で返却しています。以前、質問箱で読んだものを引用させて頂きます。http://www.jarmam.gr.jp/situmon2/tomatsu-donshoku.html

投稿: ムヒョッホ | 2011年5月15日 (日) 21時45分

ムヒョッホさま。コメントありがとうございます。質問箱の件は理解出来ますが私の考えは少し違います。1個でも貪食見えたら貪食像と考えるのが普通でしょう。理由はグラム染色とはある場所、タイミングで採取され実施された検査だからです。実は2枚作ったら、2枚目が貪食2個だったらどうするか?です。見えたものを報告し、それに基づいて考えるのが妥当性があると思います。少し違うような事象を例に取ると、喀痰で1コロニーMRSA が出たからどうしよう?っていう論議です。喀痰じゃ無く関節液だと解釈が楽になります。というのは検体は無菌の材料か?常在菌が沢山居るなかの材料か?周囲菌汚染が考えられる材料か?というものにより結果の解釈がバラツクからです。自分の身内の検体と考え1枚づつ読んでいくことが大切と思っています。

投稿: 師範手前 | 2011年5月16日 (月) 13時05分

初心者さま。
VCMのくだりに返信するの忘れておりました。
VCM以外はstatic…というのはどういう理由か解りませんが、当院ではVCMしか使いません。ABKもたまに使用しますが使うのはグラム陰性桿菌感染症が混合している時、VCMが使えない症例のみです。TEICはありません。VCMは腎障害ありますが殆ど発生しません。TDMがなされない場合に血中濃度が上がり腎後性に不良となる場合が多いです。VCMで問題は無いと思います。ABKは一部で耐性菌があるので訴訟には弱いと以前何かの講演会で聞きました。確かにBPが正確に確定していない抗菌薬なんで使いにくいように感じてます。しかし、
適切に抗菌薬を使えば何もダメというものは無いと思います。
併用すると良いよってペーパーもありますしね。

投稿: 師範手前 | 2011年5月24日 (火) 19時42分

師範手前さま
ご指導いただきましてどうもありがとうございました。最終行の「併用すると・・・」はVCMとの併用でしょうか?FOMとの併用でしょうか?よろしくお願いします。
それから腎盂炎の時にVCMかABKか悩ましいことがよくあります。サンフォードも参考にしますが悩ましいですね。

投稿: 初心者 | 2011年5月29日 (日) 19時00分

FOMで全身感染症は治さないと思いますので範疇からは外れますよ。

投稿: 師範手前 | 2011年5月30日 (月) 18時16分

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