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2011年3月10日 (木)

第9回グラム染色カンファレンス 終了

本日は第9回グラム染色カンファレンスでした。送別会などある中、かなりの人数が参加して頂きましてありがとうございました。内容は下記のとおりです。

1.『腹痛、嘔吐で救急受診した80代男性の1例』 

  内容はKlebsiella pneumoniaeの続発性細菌性腹膜炎の事例。特発性細菌背性腹膜炎(SBE)の多くは単一菌種であり、腹水の白血球増多が少ないことが多いというものでした。続発性のものかどうかを鑑別する必要がありますよね。

2.『Nadir期に発生したり腸炎の1例』 

 内容はNon-Typhi SalmonellaとP. aeruginosaが混合した腸炎⇒菌血症と肺炎の事例。ナリジクス酸耐性であり、感受性をどう捉えて治療に生かすのか?という内容です。結局、喀痰から出たSalmonellaとP. aeruginosaをどう肺炎と診断するのか?という内容です。肺外Salmonellaの治療は難しいですね。ちなみに感染性動脈瘤は見つかりませんでした。

3.『インフルエンザAの60代男性』

 内容は肺炎桿菌の眼内炎の事例。肝膿瘍か前立腺膿瘍からの血行性転移の可能性あり。肺炎桿菌って怖いですよね。今回は莢膜多量産生菌について検討がありました。String testについて詳しく解説してくれました。勉強になったのではないでしょうかね?

String testとは肺炎桿菌のコロニーを白金耳でさわり粘性を確認するものです。

http://cid.oxfordjournals.org/content/45/3/e25.full

magA遺伝子の有無により莢膜多量産生が決めるほか、病原性も強く、侵襲性疾患が多いという感染症と臨床微生物学的な考察も入れていました。性活動が活発という言葉にも引っ張られました(淋菌やクラミジアの眼疾患との鑑別?)。

活発過ぎる討議ありがとうございました。次回は7月28日です。場所は同じです。

我こそはと思われる方、聞きたいこと一杯だけどなどグラム染色を気になる方、是非発表をお願いします。

写真は肝膿瘍由来の肺炎桿菌(血液培養)とβ-ラクタム作用後の肺炎桿菌性肺炎の喀痰像です。

元々大型の桿菌なので、β-ラクタムが作用すると大きすぎる(延伸する)くらいの像で確認出来ます。真菌?グラム陽性桿菌?と間違えそうですが、陰性桿菌なのと莢膜をきっちり読めば肺炎桿菌と鑑別出来るでしょう。莢膜の過剰産生も解りやすいですが、あまり見かけませんが覚えておく必要があるでしょう。日々精進です。

Photo ×1000 莢膜過剰産生の肺炎桿菌(血液培養)

Photo_2 ×1000 β-ラクタム作用後の肺炎桿菌(喀痰)

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