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2010年12月 9日 (木)

Staphylococcus aureusは由来が判らない?

Staphylococcus aureus が関与する感染症は奥が深いですね。

 先日、外来から濁った胸水が出てきました。恐々臭うと臭いがない!もう、ここでPeptostreptococcusやFingordia、Micromonas のようなメジャーな嫌気性グラム陽性球菌は除外できそうです。もし、陽性球菌が見えたら、菌の染色態度、大きさを見て、嫌気性菌なのか推測しましょう。

 単一菌の場合、臭いがない検体の中に、嫌気性陰グラム性桿菌があります。もし、陰性桿菌なら、紡垂状(F. nucleatum)や中央が膨れた菌(F. necrophorum)を探しましょう。F. necrophormの場合ならルミエール症候群も忘れずチェックですね。

 人工物が挿入されていたり、穿刺や術後の場合ならブドウ球菌は外せない代表菌でしょう。陰性桿菌なら緑膿菌は外せないので一部集塊が見える中型の染色性の悪いものを探しましょう。

 ブドウ球菌が見えたら、病原性の高い黄色ブドウ球菌かどうかの鑑別って大事ですが、やがり、培養を待たないと何とも言えない局面は多々あると思います。市中感染の場合で黄色ブドウ球菌が血液から検出されればどうでしょう。今回はコンタミの可能性がないと考えます。

 Arch intern med,2002,162,25-32.によると、市中感染では侵入門戸が不明な事が多く、皮膚病変を多くに認めたしうです。気付いたら血液培養陽性ですってこともあり、心内膜炎や骨髄炎なんて事例も多いようです。文面にはありませんが腸腰筋膿瘍なんて結果も招くかもしれません。一方、病院内感染の場合、CVラインが45%、術後創部感染が16%と意外にフォーカス探しは簡単かもしれません。

 死亡例を見てみると、感染源特定が出来ない、ショック、60歳以上の高齢者で多く、適切な抗菌薬にて14日以下の治療群で多く認めたようです。適切な感染源特定と抗菌薬治療にはしっかりとした診断が必要で、適切な検査でしっかりと菌検出することが重要です。

下記は、黄色ブドウ球菌の市中感染の膿胸でした。思わず連絡しました。

勘に頼る面もありますが、MRSAと思ったからです。同時に喀痰も見ました。同一のものと判りました。気道由来のものと照合してMRSAと思いますと報告しました。

培養するとMRSAでした。良かったのかな?

Mrsa_6001 胸水 Mrsa_6001_2 喀痰

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