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2010年10月13日 (水)

コモンな菌だがレアな症例と思われる培養結果の報告

更新滞っています。すいません。

これは先日お邪魔した中部地区微生物検査一泊研修会の中で話しさせて頂いた内容です。

日常的によく見る菌ですが、報告時にこれって起炎菌なのか?と思う症例があると思います。恐らく、それは検査室でもそうだが、臨床医もそう思うはずである。明らかに起炎菌が対象疾患と関連が無いとか、抗菌薬投与していないけど改善してしまったなど除外出来る要素があれば、起炎菌の可能性が低いと判断されるケースも多くなると思います。

下記のグラム染色は血液培養のものですが、同定の結果Staphylococcus epidermidisのメチシリン耐性でした。外来で1セットしか採取していない状態でしたので、翌日2セットを再採取をしました。更に2セットとも陽性になり同じ菌でした。

もうこれは起炎菌の可能性が大きくなる訳です。Lancetの報告(1995,346,15,191-192)でもありますように、S. epidermidisによる感染症の可能性は低い訳で、採取本数が少なければ少ないほど判断に迷うことになります。DukeのCriteriaを使うと、大分類でもはや起炎菌と疑う所見となり感染性心内膜炎も否定出来ません。

S. epidermidisが血流感染の起炎菌として検出されるケースの多くは、人工物の挿入患者で多く報告され、人工弁、CVカテなどの挿入者に見られます。ここで興味深いなのは感染性心内膜炎でもNative valveに感染を起こすケースがあると言う報告です。Clin Infect Dis. 2008 Jan 15;46(2):232-42.

少し戻ってみると、主治医とディスカッションしているとこの患者さんはCVも無く、人工弁も無く、他の人工物挿入も無かったことが判りました。さて?残るは、少ないも感染性心内膜炎の鑑別になります。心雑音も明確で無い状態であっても、心エコーは最低限必要でしょう。検査を提案して、受け入れて貰うと・・・ありました。

どうやら、点滴を頻回に受けている患者さんであるようです。恐らく感染源はそれだと言う事がわかり、しっかりと治療が出来たという例でした。

感染症は奥が深いのと、検出菌が弱毒菌の場合はフォーカス探しを濃厚にしないといけないな?と思った次第です。主治医とディスカッションを大いにしましょう。

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