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2010年10月24日 (日)

第8回神戸グラム染色カンファレンス

21日は第8回神戸グラム染色カンファレンスがありました。

いつものように一般演題は2題ありました。

1例目は動物咬傷ということでCapnocytophaga canimosusの事例。血液培養のグラム染色でどう考えるか?単純にグラム陰性桿菌で返していないか?というポイントでした。また議論の対象は少しずれて、咬傷部分のグラム染色はどうなったか?動物のCapnocytophagaの場合は膿瘍など形成されないまま、重症化するので基本的には血液培養がポイントになるとのことでした。

2例目は私たちの施設です。頭部の皮下膿瘍の事例です。術後のケモラジ中に皮下に膿瘍が貯留したという事例です。調度ルチンを担当してくれた後輩はしっかりと対応してくれました。優秀ですね。

検体外観とグラム染色を掲載します。

何と返せば良いでしょうか?抗菌薬の提案も兼ねて考えてください。

次回は3月を予定しています。宜しくお願いします。

201010 

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グラム陽性菌」カテゴリの記事

コメント

師範手前さま
ご無沙汰しています、久しぶりコメントします。
>頭部の皮下膿瘍の事例です。術後のケモラジ中に皮下に膿瘍が貯留したという事例です
頭部、ケモラジ中(コンプロマイズドホスト)、膿瘍悪臭無し、不定形不染色性、菌体同士の絡み方などから、Actinomycesを疑います。
しかし、好中球の破壊像はそれほどでもなく分岐部も見られない、たぶん膿瘍中に硫黄顆粒が認められれば放線菌なのでしょうね。
抗菌薬は高用量PCG。

投稿: 倉敷太郎 | 2010年10月28日 (木) 15時48分

師範手前さま

ご無沙汰しておりました。
久しぶりにコメントさせていただきます。

ケモラジ中の患者さんからの皮下膿瘍という事ですが、染色像からは、Nocardiaを疑います。免疫低下もあると思われ日和見感染なのではないでしょうか。
染色像ではグラム陽性桿菌で、あまり分岐は見られませんがNocardiaではないかと思います。
Actinomycesだともっと細くて染色性ももう少し弱い感じだと思います。また、Propionibacteriumにも似ていると思いますが、患者背景等から考えますとやはりNocardiaと推測します。
あまり経験がないので自信ありませんがいかがでしょうか
よろしくお願い致します。

投稿: 指導員手前 | 2010年10月29日 (金) 13時54分

脳外科感染症のポイントは、原発性か二次性かが大切です。術後であれば医原性に発生する感染症を考慮するのがスムーズです。また、頭皮に関連した細菌も特異的に検出されるので、元々ある細菌叢は大きく影響します。脳外科領域で検出される細菌はブドウ球菌が最も多く、次は意外にもアクネ菌です。また、もう一つ注意したいのがアクネ菌は放線菌やコリネバクテリウムと鑑別が難しい細菌です。アクネ菌と思っても次の日コリネで、βラクタム耐性だよおってこともあるので、培養や同定中間報告でいつになったらアクネとコリネが分けれるか報告するのも臨床にとって大切なメッセージになります。

投稿: 師範手前 | 2010年11月 2日 (火) 13時20分

師範手前さま

アクネ菌だったんですね。ありがとうございます。
陽性桿菌はどうも苦手意識があります。
ノカルジアや放線菌、コリネバクテリウムなど典型的な染色形態だとまだいいのですが、短めだったり、分岐がほとんどなかったりなどとにかく難しくて悩みます。
当院は脳外科はないんですが、アクネ菌が多いんですね。勉強になりました。
もっとたくさん知識と経験を積まなくていけないようです。
頑張ります。

投稿: 指導員手前 | 2010年11月 2日 (火) 15時18分

膿性状が明瞭だけども臭いなし、アクネ菌は最初から除外して
しまいました。(アクネ菌が作る臭い、感じると思っていました)
しかし、好中球の破壊がそれほどでなかったですね。

投稿: 倉敷太郎 | 2010年11月 2日 (火) 17時04分

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