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2010年8月17日 (火)

やっぱりこれは無理だ

最近、感染症関連の研究会や症例検討で「グラム染色で見えたけど、生えないから○○を疑いました・・・」なんて発表があります。

例えば多いのが百日咳菌(Bordetella pertusis)。これは、遷延する呼吸器症状もあり、グラム染色で陰性短桿菌が沢山見えているのに発育しないので、ボルデジャング培地に植えたら生えた!!という症例です。この事例は「確かに・・」と思い、グラム染色が大きく貢献出来た症例だと思います。

次にあるのがレジオネラ症(Legionella)。

レジオネラ菌検出のためのヒメネス(Gimenes)染色では赤色に染まります。⇒Gimenes読めないよ~!

Photo ×1000(ヒメネス染色)

見たこと無い人は、レジオネラ菌だけ特異的に赤色になるのか?と思われますが、なんのなんの・・グラム陰性桿菌も赤色になります。特異度を上げるのは細胞寄生性細菌である性格を利用して、白血球内に貪食されている像を探します。でも、これって最初は言い難く、やはりこの結果が無ければ探す集中力の持続が違いますね。

Dsc01501 尿中抗原

と言うのは、グラム染色で見たらこのような菌がレジオネラ菌になります。

Photo_2 ×1000(グラム染色:レジオネラ菌)

どれが?と思うでしょうが、グラム陰性桿菌でやや染色性が落ちる菌で細胞内寄生のものになります。上部の菌塊のやつです。どこって言われないと分からないでしょう。

ちなみに下記は同日に来た誤嚥性肺炎の患者のグラム染色です。嫌気性菌が多く検出され誤嚥が疑える所見であります。これレジオネラ菌なんですと言われたら疑いませんよね。

Photo_3 ×1000(誤嚥性肺炎)

こう考えると、レジオネラ菌の検出にグラム染色が有用でしょうか?私はいつもこう思っています。

・グラム染色がレジオネラ発見のキーにはならない

・それより誤嚥性肺炎の証明をしっかりしたい(この方が頻度が高い)

・グラム陰性桿菌の発育が無い=嫌気性菌も当然ある

1年に何例レジオネラ症に合うのかどうかも一つの考えです。ただし、全く否定するのもダメなことなので、少しは念頭に置いてグラム染色も見ないといけないとは思っていますが。

グラム染色のパワーアップには市中肺炎の肺炎球菌やインフルエンザ菌、院内肺炎のMRSAに加え、誤嚥性肺炎を読む能力をもっと伸ばすのが先決だと思います。

染色液についてはここを見てください。http://blog.livedoor.jp/garjyusaiga/archives/51348562.html

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