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2010年8月19日 (木)

【速報です】 NDM-1の件

twitterや某MLでも話題になっていますNDM-1。ニューデリーメタロβ-ラクタマーゼの頭文字を取りNDM。

新種の細菌感染と報道がされています。

http://sankei.jp.msn.com/world/europe/100816/erp1008162133003-n1.htm

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=29524

細菌を知っている方々は”新種?”と思うでしょうね。

このNDM-1型が検出されている菌種で大腸菌にしても、肺炎桿菌にしても別に今で存在した菌種です。薬剤耐性遺伝子が導入されて菌種が変わる訳でも無く”新種”という表現が的確かどうかは疑問視されますね。

確かに今回報告されたNDM-1とはAmbler分類でClassBに含まれるカルバペネマーゼ産生菌であり、Dongeun Yongらが2009年にAACに報告した(ANTIMICROBIAL AGENTS AND CHEMOTHERAPY, Dec. 2009, p. 5046–5054)のが最初で新しい薬剤耐性菌の一つです。この論文のabstractには

①ニューデリーの尿路感染症を起こした事例から検出された肺炎桿菌で新しいMBLを持っていた。

②遺伝子相同性はVIM-1/VIM-2に32.4%しか無かった新たなMBL。

③キノロンとコリスチンを除き殆どの抗菌薬に対して耐性であった。

との記載。今回のLancet Infectious disease(http://www.thelancet.com/journals/laninf/article/PIIS1473-3099(10)70143-2/abstract)にはtigecyclineとコリスチン以外は耐性とのこと。問題なのは今回死亡事例は初めてだったことです。確かに薬剤耐性は病原因子の一つにあげられるので新種の耐性菌と表現されるべきですね。

しかし、日本にはIMPやVIMなどのClassBのMBLが既に蔓延しています。この方がよっぽど怖い。

http://www.kcgh.gr.jp/simin_annai/mrsa.pdf

http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k02_g1/k02_17/k02_17.html

これは、2-MPA法により容易に検出(推定)が出来ます。

1 2-MPA法

最近話題になっているKPC型カルバペネマーゼはホッジ変法試験とボロン酸試験により推定が出来ます。

2 ホッジ変法テスト

NDM-1の情報収集も必要ですが、どういう菌種で、どういった患者層に発生している。既存の情報でどういう抗菌薬に感受性を有するのか?など、医療従事者や患者さんが混乱しないような情報を細菌検査室から提供することは肝要ではないかと思います。このことは昨年の新型インフルエンザで嫌というほど教えられたもんです。

今回は腸内細菌群でカルバペネム耐性ですし、知っていれば検査室では可笑しい感受性結果に対する精査は出来るかと思います。

まだまだ、NDM-1よりKPCやOXAの同定の方が優先されるべき耐性菌と思います。既にamblerのClassBはNDMとIMP、VIMの他にSIM、KHM、GIMとSPM。まだまだ学ぶべきことは多いです。ClassBの場合はEDTAや2-MPA法による阻害がかかるかも知れませんので検出可能だと思われます。何か情報ありましたら更新します。

ESBLにしてもTEMやSHVは既に100種類以上。しかもTEMと名前が付くがESBLにならない菌もあるようで複雑化しています

また、どうしても英文読解は避けられないので、頑張って読まないといけませんね。英語だからな~と延ばし延ばしにしている人は居ませんか?

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コメント

こんなに読みにくいブログも珍しい。白のバックに橙色の文字。2~3行でギブアップ!

投稿: | 2010年9月 8日 (水) 14時24分

申し訳ありません。開設当時からこのスタイルでして…。たまに黒字入れます。味気無い

投稿: 師範手前 | 2010年9月 8日 (水) 20時45分

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