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2010年8月 7日 (土)

その2は市中肺炎です

8月2日のブログの件です。(http://gram-stain-id.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-617a.html

その1は誤嚥性肺炎を疑う所見で、その2は肺炎球菌とインフルエンザ菌との混合感染を疑う所見でした。

その1に関しては、三省さまのおっしゃるとおり、雑多な多菌種の貪食像を認めることが一つの鑑別点です。ただし、すべてが誤嚥性肺炎を疑う訳ではありません。痰がしっかり採取され非常に膿性で、染めれば多菌種が確認されること。扁平上皮が確認されること。白血球の核が不鮮明で慢性的な感染を繰り返すものが確認出来ることなどが要素として挙げられます。この標本の場合は、白血球がやや古く、多数認められ、一部(右下)に扁平上皮がある。多菌種確認されるため誤嚥を疑う所見です。しかし、口腔衛生が悪い患者からの唾液混入の場合は、所見を間違う場合があるので、痰の性状確認は大変大事なことです。この場合は患者の既往や医療ケア関連肺炎との関連を考えますが、唾液誤嚥を強く示唆する所見のため市中であればABPC/SBTが第一選択になることが多くなるでしょう。

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その2は少し引っ掛け問題のよなものですが。

肺炎球菌もそうですが、一面の菌に目を奪われると、周囲の色々な菌が見えなくなり、見落とす可能性があるという教訓です。グラム染色は炎症像が強いほどじっくり読まないといけません。で、インフルエンザ菌は矢印で示しました。

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休日も色々とあります。

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コメント

 その①のほうは、核の見えなくなっている白血球⇒古くなった白血球という考え方を少し間違ってしまっていました。炎症が慢性持続的に続いている、と考えるべきなのですね。扁平上皮は、見落としてしまいました。喀痰を調べる時に、いかにも黄色い痰でも、表面が唾液にまみれていたら、上手に膿性部分だけをすくい取ったつもりでも扁平上皮や常在菌がたくさん見えてしまいますね。標本をつくるときに、「あ~、これはいまひとつ、扁平上皮だらけなんだろうな・・・」という予測が、自分で染めていると分かる気がします。(あくまでも気のせいかもしれませんが・・・)Miller&Jones分類による肉眼的評価も大切なのですね。このあたり、顕微鏡でみる側の立場になると、いかに有効な検体を採取するか提出側の検体採取技術も大切になってくると思います。唾液まみれのもので、「これで何とかみてください。」といわれると・・・それでもみれるというのが、プロの腕の見せ所なのでしょうが・・・検査室依存ではなく提出する側も良質な検体を採取する技術と努力が必要なのだろうと思います。
 その②、完全にしてやられました。冷静にみれば、そうですよね。H.influenzaeにしてはすこし大き目のGNRにも見えるものがありますが、いずれにしても、P3の痰でGeckler分類5でこのような痰が見えていたら、僕は間違いなく培養で同定をお願いします。
 とても勉強になります。いつもいつも、有難うございます。

投稿: 三省 | 2010年8月 7日 (土) 12時59分

師範手前さま
難しいですね。その②は単純に考えてしまいました。陽性菌がいるとついつい、そちらのほうに目がいってしまい他の情報に気がいかなくなってしまいます。
これからも勉強させてよいただきますのでよろしくお願いいたします。

投稿: こたろう | 2010年8月 8日 (日) 21時58分

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