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2010年5月 7日 (金)

ローカルデータの活用

連休明け、外来には人の山、山、山。通常診療を予定していた人、連休中に救急を受診して再診に来た人、症状が優れないので新規に診察をしに来た人などが居たようです。

細菌検査も重症者は少ないですが、外来治療可能な感染症患者の検体が多く来ていました。皆さんの病院はどうでしたか?

連休明けと言っても、また土日がやってきます。結果は早く返さないといけませんが、培養には時間が掛かる。グラム染色で経過が予測出来そうなものはすべて細かいコメントを付けて返すことになります。

下記の場合(関節液)は、どう考えコメントしますか?

白血球が新鮮で、中にはグラム陽性球菌(ぶどう状)の貪食。

患者は軽症のため外来通院による治療継続となりました。特にインプラントの挿入も、入院暦も無い若年者です。

こういった場合は殆どMSSAと考えれるので、外来でβラクタムの点滴をして、帰宅時にセフェム系経口薬の投与で経過を観察するのでしょう。

この考え方がローカルデータの活用です。もし、入院患者であれば軽症でも同じ考えではいけませんね。それは、入院患者で検出される黄色ブドウ球菌の中でMRSAの検出率が高いからです。

私たちが、感染委員会に定期的に提出していると思いますが、菌の検出率(材料別、部署別)、感受性率などは非常に有用なデータとなります。でも、単純に検出率を外来・入院の区別無く出していませんか?より有用に活用するのであれば、外来と入院は区別するべきです。

外来と入院では抗菌薬の種類、投与経路や投与量が異なります。そのため薬剤耐性菌の検出率も違ってきます。もし、外来患者が多く、統計で感受性傾向の強い抗菌薬があった場合、その統計をローカルデータとして入院患者の初期治療薬に用いた場合には有効に働かない可能性があるからです。

細菌検査室では日常的に行っている検査内容が知らずのうちに脳裏に叩き込まれています。しかし、臨床医にとっては1例1例は単独で、新鮮なために同じ考えでは無いことを覚えておかなければなりません。

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コメント

師範手前さま

ローカルデータの活用は非常に重要だと思います。
例えば、師範手前さまのところではS,pyogenesのマクロライド耐性はどのくらいでしょうか? 溶連菌のマクロライド耐性がかなり進んでいるという話しをいくつか聞いたことがありますが、当院ではほとんどありません。これもローカルデータということでしょうか。やはり、アンチバイオグラムや菌検出率などのデータ作成は重要と思います。もちろん入院、外来別に作成しています。
せっかく作成したデータをしっかり臨床に提供できるようにするのも大切だとおもいます。

ところで、みなさんはどのようにデータ解析を行っているのでしょうか。AccessやExcel、または部門システムなどでしょうか。
当院ではWHONETを用いておりますが、このソフトかなりのすぐれものです。細菌検査データ解析用ソフトでしかもWHOで無償提供していますので、興味のある方は一度みてみるといいですよ。

投稿: 指導員手前 | 2010年5月13日 (木) 16時50分

指導員手前さま
>師範手前さまのところではS,pyogenesのマクロライド耐性はどのくらいでしょうか?

だいたい、5%以下を推移しています。今年になり少し多いかなとも思います。マクロライド誘導耐性も確認していますが、先日漸く1例陽性になり、CLDMをSからRへ変換しました。少し感動しましたが患者はそれどころでは無いでしょうね。

投稿: 師範手前 | 2010年5月13日 (木) 18時54分

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