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2010年5月19日 (水)

昨日は出稽古

昨日は第1回目の出稽古をさせて頂きました。過去に出題して回答を忘れている記事を中心にすることになっていましたので、検索してhttp://gram-stain-id.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_0b57.html の記事にしました。この出題はMoraxella catarrhalisと確定するまでの見方、M. catarrhalisが見える確率、市中肺炎で類似の菌が見えた場合の鑑別方法、臨床で使われる抗菌薬の内容と重症度、菌の病原性と培養・同定の特徴など。一通り菌を見てから想定される臨床検査上に必要な知識についてまとめた積もりですが、少し濃厚だったように思います。すいません。

特に強調したかったのは、M. catarrhalisは

①肺炎球菌やインフルエンザ菌との菌の形状、大きさの比較(意外にも桿菌に属しているインフルエンザ菌より大きく見えることが多い)

②貪食像(実際は細胞内寄生のようです)が一つのキーポイント

③小児と60歳以上の高齢者で保菌率が高いこと

④小児の肺炎や呼吸器系の基礎疾患を持っている患者(COPDなど)で重症化することがあること

⑤93%でβ-ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)が陽性、第一世代セフェムの耐性化が僅かに進んでいる、マクロライドとキノロンの感受性は良いこと。

⑥材料評価の悪い喀痰で無理に推定は要らない、また集族しているのは非病原性ナイセリアの可能性が高いこと。

参考文献

CLINICAL MICROBIOLOGY REVIEWS, Jan. 2002, p. 125–144

Clinical Infectious Diseases 2000;31(Suppl 2):S16–23

JOURNAL OF CLINICAL MICROBIOLOGY, Nov. 1990, p. 2559-2560

JOURNAL OF CLINICAL MICROBIOLOGY, Dec. 1990, p. 2674-2680

小児呼吸器感染症診療ガイドライン2004

成人市中肺炎診療ガイドライン

などです。

インフルエンザ菌との形状比較をしっかりすることと、混合で見えることが数%であるので、1つの推定菌が見えたからといって自分自身の中で結論つけて見ないことが大切です。

脱色も一つのポイントで間違えば、黄色ブドウ球菌と判断が難しくなることも染色手技上のポイントとなります。

当日のスライド1枚掲載します。

来月もしますので案内をまた見てください。少しディスカッション出来るように工夫します。

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