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2010年5月12日 (水)

小児の耳漏

小児患者の耳漏と成人の耳漏で見る菌は少し違います。

小児患者は肺炎球菌、インフルエンザ菌、Moraxella catarrhalisが多いので、球菌または短桿菌を中心に探します。肺炎球菌はグラム陽性なので、陰性のあとの2つと区別するためにコントラストを気にしながら見ていきます。耳漏の場合、肺炎球菌とインフルエンザ菌の多くが耐性菌であり、合併症も多く気になる所ですね。また、インフルエンザ菌などは見つけ難く最後に観察する起炎菌として考えると効率的にグラム染色を見ることが出来ます。

つまり、探す順序は肺炎球菌>M. catarrhalis>インフルエンザ菌 ±S. aureusでしょうか。

成人の場合は、ブドウ球菌や緑膿菌、腸内細菌も多く見えるため比較的はっきりと菌を確認出来ます。

菌の多くは貪食されているので、白血球を探し、細胞内に貪食されている菌を確認してから、周囲の菌を見ていきます。

でも、複数菌の感染もあるんで、1つ見つけたからと言って終わったら良くないですよ。

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グラム陰性菌」カテゴリの記事

コメント

師範手前様

いつも拝見し、勉強させていただいてます。
私は360床程度の総合病院で細菌検査に携わっている者です。

先日、このような症例がありました。
患者は帝王切開にて生まれた未熟児、哺乳の際にSPO2の低下が続き、経過観察のため入院していました。
日齢25日頃に右耳介に湿疹、耳漏を認め、外耳炎が疑われ、検体として耳漏が提出されました。グラム染色ではブドウ状の陽性球菌が多数、白血球が少数、培養ではMRSA が3+、K.oxytocaが1+でそのまま結果を報告。その後、すぐに主治医から「貪食像はありますか?起炎菌かどうか知りたくて・・・」と問い合わせがあり、スライドを再度見直してみましたが、はっきりした白血球が少なく、貪食されているようなされていないような、判断しきれずに、「はっきりした貪食像は認められませんが起炎菌でないとは言えません。」と苦し紛れに返答しました。
耳漏からMRSAが多数検出されても起炎菌でないこともあるのでしょうか?この場合、どのような返答をすればよろしかったでしょうか?また、この患者はベビーで免疫力が弱いと考えられます。免疫力が弱い患者では貪食能も弱かったりするのでしょうか?勉強不足でコメントというよりも、まとまりのない質問になってしまい申し訳ありませんが、ご教示いただければ幸いです。

投稿: 半人前検査技師 | 2010年5月12日 (水) 22時57分

半人前検査技師さま
コメントありがとうございます。

>耳漏からMRSAが多数検出されても起炎菌でないこともあるのでしょうか?

ありますよ。耳垢などはブドウ球菌の巣窟ですから。自分の皮膚からMRSAが出ても『あれ~』と思うくらいですよね。全ては症状ありきです、発熱がある、耳垂れが出ている、皮膚に発疹があるなど黄色ブドウ球菌特有の症状があれば起炎菌となるのでしょうが、この場合、培養結果だけでは何とも言えません。

>また、この患者はベビーで免疫力が弱いと考えられます。免疫力が弱い患者では貪食能も弱かったりするのでしょうか?

免疫力が弱いと言っても白血球は上がるし、熱も出れば免疫状態はそんなに悪く無いと思いますが。見るからに弱弱しい=免疫が悪いとは必ずしも成り立ちませんよ。

逆に症状どうですか?と聞いて見てください。迷うことはありません。培養検査はそんなに嘘は着きませんので。

投稿: 師範手前 | 2010年5月13日 (木) 18時51分

師範手前様

お忙しい中、ご返答ありがとうございます。
“全ては症状ありきです”のお言葉、よく研修会で耳にしますが
、培地一面に生えているMRSAをみると、ついその言葉を忘れがちになってしまう自分がいます。

日頃、ふと疑問を抱いたことがあってもその答えを導き出せる参考書等を見つけ出せず、そのままにしてしまっていることも多いのですが、師範手前様のブログを参考に、明日からまた勉強していきたいと思います。

投稿: 半人前検査技師 | 2010年5月13日 (木) 22時41分

 中耳炎のときに、中耳の中で悪さをしている細菌と、黄色い鼻漏がドロリと出ているその鼻漏を採って調べるのと、起炎菌は同じなのでしょうか?完全一致はしないにしても、参考にして抗生物質選択するだけの価値はあるのでしょうか?

投稿: 三省 | 2010年5月15日 (土) 13時38分

三省さま
そうですね。内部で交通しているので上咽頭の採取菌は中耳炎や髄膜炎のモニターにもなる場合があります。
しかし、先日面白い例がありました。中耳から出たインフルエンザ菌と喉から出たインフルエンザ菌の同定をしたらバイオタイプが違いました。当然感受性も違いましたが。気道内にインフルエンザ菌は数種居るのでしょう。
あと、髄膜炎の場合に咽頭材料の培養でみることもあります。抗菌薬を投与した後などは参考になることもあるようです。

投稿: 師範手前 | 2010年5月17日 (月) 01時22分

やはり、中耳の耳漏が採取されない時の(鼓膜切開か鼓膜穿孔していないと採れませんよね・・・)鼻漏の培養は、あくまでもエンピリックに治療する手前の“参考までの”検査、になるのですね。その中耳と咽喉のインフルエンザ菌のバイオタイプの違い・・・そんなことがあるのですね。グラム染色だけで見たら、当然どちらも一緒に見えるので、困りますね。
 咽喉のほうは、喀痰ですか?咽頭拭いの検体ですか?興味があります。咽喉のほうも黄色い喀痰が出て、P2,Geckler分類5で、グラム染色でGNCBで、耳漏も同じくGNCBで、とグラム染色で確認したら、間違いなく同じ菌だろう、と思ってしまいます。
 そのようなことがある、と言うのは頭に置いておかなければなりませんね。有難う御座いました。

投稿: 三省 | 2010年5月17日 (月) 18時15分

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