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2010年4月 8日 (木)

難しい?グラム染色所見

免疫能が下がった人、慢性の誤嚥性肺炎が続く人、菌交代症などなど、膿性の喀痰が採取された時に見えるグラム陽性桿菌。中でもこんな菌は良く見えますよね。

形状的には特徴的であっても複雑なのは病原性と薬剤感受性(初期治療の抗菌薬選択)です。グラム染色は、起炎菌かどうかの判断に加え、菌種が特定出来る情報が得られることが重宝される理由の一つでもあるのでしょう。薬剤感受性は抗菌薬投与下では凡そ推測(というか耐性菌か判るかも)出来ますが、細かい感受性は同定や感受性成績を見ないと何とも言えませんね。

でも、そういう時にも種が判らなくても、属レベルでの報告が必要な症例もあります。

下記のスメアは重症肺炎経過中に採取された喀痰スメアです。経過中に呼吸状態が悪化したとかで・・・。

どうなんでしょうか?どう報告していますか?

Photo ×1000

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グラム陽性菌」カテゴリの記事

コメント

師範手前さま

写真を含め、免疫能が低下したヒトなどの膿性痰から検出されるGPRとなるとCorynebacteriumでいいんですよね。
誰も書き込みしないのでちょっと不安なんですけど・・・
コリネといっても抗菌薬に感受性のものから、耐性の多いものまであると思いますが、重傷肺炎となるとC.pseudodiphtheriticumを疑うべきなのでしょうか?
その他、C.propinquumなども疑われるのかも知れませんが、抗菌薬となるとよくわかりません。
上記菌は抗菌薬に感受性と思われますが、その他の耐性菌の可能性もあると考えてカルバペネム等になるのでしょうか?
写真はWBCはそんなに多くなく、貪食像もないなどから抗菌薬は効いているとみるのでしょうか・・・
いろいろと推測はしてみましたが、正直かわかりません。
師範手前さまの解説お願い致します。

投稿: 指導員手前 | 2010年4月 9日 (金) 19時14分

院内肺炎の吸引痰でよくみられますがーコリネ単独はあまりみません。
白血球も多くないので感染像としては弱いと思いますがー抗生剤を使用しているせいでしょうか?となればコリネが耐性だということでしょうか?
院内の長い治療の患者さんの喀痰難しいです。
どこから道筋をたてればよいか、耐性菌がでても感染か保菌かも判断が難しい、いつもいつも悩んでます、

投稿: 小町 | 2010年4月 9日 (金) 20時32分

すみません、またまた書き込みしました。
誤嚥性の炎症像『白血球、上皮、口くう内常在菌』でGNRを認めた場合、推定菌GNRを中心とした誤嚥性炎症像と報告してますがいかがですか?

投稿: 小町 | 2010年4月10日 (土) 10時42分

指導員手前さま、小町さま コメントありがとうございます。
非常に難しいですよね。
ようはこのスライドだけでは肺炎の起炎菌になっているかどうかはっきりしたことが言えないことです。
>貪食ですが
患者は易感染者で、貪食機能が落ちているかも知れません。

膿性の喀痰であり、気道感染症を伴っている場合は起炎菌と結びつくかも知れません。しかし常在菌なので起炎菌なしか常在菌叢ありで済まされるかも知れません。

今回のポイントは患者が易感染者で膿性の痰が持続している中単一菌で検出されているということです。つまり起炎菌としての要素があるからです。弱毒性かも知れないが患者にとっては違う場合もあり、患者背景を確認して主治医とディスカッションをする機会を増やすべき症例です。

ただ、グラム陽性桿菌と返すのかコリネバクテリウム様と返すのかは違うと思います。薬剤耐性傾向が強い菌であるからです。
コリネバクテリウムの場合は菌種によってVCMやMINOしか感受性が無い場合もあります。感受性試験も確立されたものも無いため余計に細かいやり取りが必要になります。発育も遅いので困ります。

コリネバクテリウム様の中にはVCMも耐性となる菌もあり血液培養から検出例の報告もあるようで、気が抜けない場合もありますよね。

投稿: 師範手前 | 2010年4月10日 (土) 23時15分

師範手前様

ご丁寧なお返事ありがとうございますupやはり患者背景がいかに大事かがわかります。易感染者の場合はとくに患者の状態をしっかり把握しグラム染色鏡検にのぞむのがベストなんですね、自分の日々の検査姿勢を振り返ると時間を追われいつもベストの状態でグラム染色鏡検にのぞんでいるかといえばー反省despairすることばかり、喀痰難しい!

投稿: 小町 | 2010年4月11日 (日) 09時48分

師範手前さま

ありがとうございます。
やはり難しいです。
小町さまもおっしゃる通り、患者背景を知るということは非常に大切なのですね。また、主治医と気軽にディスカッションができるように、日頃からのコミュニケーションをとっておくことが重要だと思います。
一部のDrとはばっちりなんですが、まだ足りないないのが現状です・・・

投稿: 指導員手前 | 2010年4月12日 (月) 17時02分

言い忘れです
>誤嚥性の炎症像『白血球、上皮、口くう内常在菌』でGNRを認めた場合、推定菌GNRを中心とした誤嚥性炎症像と報告してますがいかがですか?

この場合ですが、材料の質が良い場合にしか誤嚥像と報告しない事が多いです。明らかに腸内細菌もしくは緑膿菌様の染色像が確認され貪食がある場合は不顕性誤嚥を含み誤嚥像として返答します。細い陰性桿菌などは口腔内の衛生環境が下がれば直ぐに出現しますので、一概に=(イコール)は成り立ちません。
吸引痰の場合も痰の質を見てから判断します。
あと多菌種の貪食があれば誤嚥にしていますが。院内肺炎の場合は貪食能が低下するもしくは白血球自体少ない患者も多く幅が広いので難しくなります。
ただ、グラム陰性桿菌を染色では見つけ難く、培養で発育した・・・なんて結果を招きます。
侵襲的な痰採取の場合は信憑性が上がりますが、そうで無い場合はカンジダなど雑菌が増えるという報告も多いです。

投稿: 師範手前 | 2010年4月12日 (月) 20時46分

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