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2010年4月13日 (火)

では、もう少し難しいかも

こんな症例ではどうでしょうか?

脳神経疾患の再術後、入院時の鼻腔分泌物からMRSAが検出されています。痰量の増量を認め、微熱が続きます。胸部レントゲン所見では下肺野にやや陰影がある。白血球は正常値ですが、CRPは3.0です。

主治医からコメントを求められ・・・。

グラム染色は下記のようになりました。

2 ①×1000Photo ②×1000

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グラム陽性菌」カテゴリの記事

コメント

師範手前さま

今回は単一菌ではなくて、コリネ様とブ菌ですね。
標本の背景は、前回と同じようにWBCも少なく貪食像も認めないので、グラム染色からは感染症とは言えないのでは・・・
貪食能がおちているのでしょうか・・・
MRSA保菌者ということもあり、注意する必要はあるのかもしれませんが、抗菌薬投与は必要ないのではないでしょうか。
するとすれば、コリネも耐性、ブ菌もMRSAの可能性もあるのでVCMになるのでしょうか。
いろいろと推測はしてみますが、よくわかりません・・・
よろしくお願いします。

投稿: 指導員手前 | 2010年4月14日 (水) 12時35分

いつもは「読む」専門ですが、
指導員手前さまが頑張ってコメントされているのを拝見して、
勇気が沸いてきましたので、頑張ってコメントしてみようと思います。

基本的には指導員手前さまと同じ意見です。
脳神経疾患があるとの事ですので、
私なら、誤嚥などないか主治医に尋ねてみると思います。
白血球正常で、CRPも3.0ということですが、
痰量の増加や微熱があるとの事ですし、
下肺野に陰影があるのも気になります。

主治医には、
グラム染色では、明らかな貪食像が認められませんが、
誤嚥の可能性があるのであれば、治療を勧めます。
と、コメントすると思います。

いかがでしょうか?

投稿: saikin`s1号 | 2010年4月15日 (木) 16時38分

指導員手前さま、saikin's1号さま コメントありがとうございます。

さて、答え・・・この場合はどれが正解かは判断が難しいのが正直の答えです。

まず、下肺野の陰影
これは、細菌が関与しての陰影なのか、胸水貯留または痰が原因の気道閉塞のため無気肺になっているのかディスカッションする必要があります。必要であればCTなど参考にすることになります。ある程度陰影のコントラストや浸潤の仕方で判ることもあります。

痰の増量
これは明らかな生態反応です。痰の増量はADLが低下している患者で肺炎予測の観察項目として有用になります。多くなってきた場合はグラム染色をするだけでも突然の場合に対処できることが多いです。特にこの間じゃは術後で微熱と軽度CRPの上昇があるからです。

最後にグラム染色、先日もそうですがグラム陽性桿菌で一部葉の字になっている像を認めます。加えてグラム陽性球菌が散在しています。グラム陽性桿菌はCorynebacteriumに特徴な形態なので、コリネバクテリウム様などとコメントするのが良いでしょう。グラム陽性球菌はMRSAのキャリアとのことなのでMRSAが最も注意しないといけないものです。まれにnecrotizing pneumoniaを起こします。

おそらく、この場合は双方治療の対象とは判断し難いので患者の状態など考慮してVCMの投与を検討することになります。Corynebacteriumは薬剤耐性が強いものもあり、しっかりした方法ではありませんが、薬剤感受性で推測する必要があります。
あと院内肺炎を疑う場合は培養によりグラム陰性桿菌の発育を確認することが大切です。VCMを使う時は更に慎重になりますね。

投稿: 師範手前 | 2010年4月17日 (土) 08時48分

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