今週は18日に神戸グラム染色研究会です
年に3回ほど、グラム染色に特化した研究会を実施してます。
近くの医療機関でグラム染色に興味ある方たちと共に学びます。
主に医師と臨床検査技師が参加してくれて、臨床検査技師さん向けの画像診断の考え方、医師向けのグラム染色の見方の2つの講義に加え、症例カンファがあります。症例カンファはかなり盛り上がります。施設内でディスカッションが無い方たちにとっては非常に濃厚な会になります。
セミクローズの会ですが、殆どオープン化しています。近隣で興味ある方は参加して頂いても構いませんよ。
クラウンプラザホテル神戸で19:15からですこういう研究会が全国に広がって欲しいものです。
さて、先日当直していると血液培養が陽性になりました。
いつものように、陽性になった時間を確認し、ボトルの外観を確認したところ『もしや!』と少し悪い予感。グラム染色で確認しました。そうです。溶連菌です。
直ぐに当直内科医師と病棟に電話して、溶連菌の可能性が高いことを知らせ、患者の状態を聞き、抗菌薬の検討をしました。とりあえずCLDMは追加することになりました。血液腫瘍の患者です。血圧も今は安定していますが、毒素性ショックを起こす可能性もあり、夜勤の看護師さんに観察強化項目としてケアしてもらう様にしました。結局ショック状態には陥らず、解熱し軽快しています。しかし、これからのケアが大変です。
私が当直していると、良くドラマが生じます。呼んでいるのでしょうか?
でも患者が早く治れば本望ですので眠気も吹っ飛びます。
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コメント
いつも勉強させていただいています。
この患者さんのグラム染色の連鎖球菌はどっしりとした感じで
たしかに悪そうですね。
さて、壊死性筋膜炎のときにペニシリン系とCLDMを併用すると勉強したのですが、この患者さんも壊死性筋膜炎を疑って併用したということでしょうか?
あるいは、壊死性筋膜炎に限らず、菌血症になるような重症な溶連菌感染症なので、毒素産生抑制のためCLDM併用を選択したということでしょうか?
基本的な疑問で申し訳ありませんが、お願いします。
投稿: のり | 2010年3月31日 (水) 12時13分
のり様
コメントありがとうございます。
当院ではストレプトリジンを産生する溶連菌(特にグループAとG)を疑う場合は症状に応じてCLDMを加えます。目的はイーグル効果です。毒素産生の抑制、PBPへの親和性増強、菌の蛋白合成阻害など色んな効果を狙います(確か7つほどあります)。The Journal of Infectious Diseases 1999;179(Suppl 2):S366–74
菌血症の場合は後々ショック症状を呈することがあるので事前に加えることが多いです。炎症反応の沈静化は違います。
投稿: 師範手前 | 2010年3月31日 (水) 19時10分
さっそくの回答ありがとうございました。
勉強になります。
イーグル効果ですか、知りませんでした。
文献も教えていただきありがとうございます。
さっそく読んでみます。
今後もよろしくお願いいたします。
投稿: のり | 2010年4月 1日 (木) 12時02分