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2010年3月 4日 (木)

福岡での講演 その③

今回は長期尿管カテーテル留置患者では何菌が出るかです。

CDCのCAUTIの診療ガイドラインにはグラム染色で多菌種確認出来るかどうかがひとつのポイントになります。

また、長期留置すると尿路感染を起こす可能性も日に日にあがり、30日間では100%尿路感染を起こす可能性があります。(CDC尿路留置カテーテルガイドライン)

どういった菌によるかですが、細菌検査を実施しているとブドウ球菌や緑膿菌などのバイオフィルム形成菌が多く検出される例を見ていると思います。これって起炎菌?と思っている人、菌量が多いから同定しなきゃと思う人、それぞれ居ると思います。

ただ、カンジダが出た場合は異常かどうか考えて、感受性まで進むのか?報告を急いでした方が良いのか?など深く考える必要もあります。

尿路感染の症状があるかどういかは、一般検査所見を見たりして考察するのは可能ですが、やはり臨床症状の聞き取りが大事です。そのためにも、報告がてら症状を聞くのも同定のプロセスを考える上で大事になるのでは無いでしょうか?

尿路カテーテル留置とコメントあれば、スライド上段のような多菌種か、緑膿菌が存在するのか、ブドウ球菌が多数なのか(特にMRSAキャリアの場合は注意)予測して見る。

通常の尿路感染を起こす菌(下段)もあわせて見るとよりグラム染色のダイナミックさを感じることになります。

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