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年度末に差し掛かり、診療報酬改正や年度のまとめなど、非常に忙しい日々が背中を押しています。出来る限り更新して行きますので引き続きご愛顧お願いします。
さて、先日『連鎖球菌は怖いなあ・・・』という思う症例に遭遇しました。
30歳代の女性ですが、下腹部痛で来院し子宮に膿が貯留しているとのこと、一部は骨盤内まで浸潤しているようです。主治医より情報貰いグラム染色を。
まずは何を探しましょう?
若年者のPIDで気にしないと行けないのは淋菌です。淋菌はグラム陰性なので、どちらかというと陽性菌より発見し難いため注意して見ないといけません。
気にしながら見ると無く、替わりにグラム陽性球菌?しかも連鎖状。これは・・・と思い連絡しました。婦人科疾患なのでGBSも気にして見ないといけません。しかし、PIDのような急性疾患まで進行するのでしょうか?A群またはG群のような毒素産生菌、はたして腸球菌も当然想定内です。
やはりこういう場合は一応臨床へ連絡を。CTRXを初期に投与していた関係で、VCM足さなきゃということになります。
良く見ると周囲が紅くなっていますが、貪食細胞内で良く判りません。翌日培養で出てきたのはA群溶連菌でした。淋菌は陰性です。血液培養も陰性です。
結局VCMは終了して、経過良好のため退院となりました。
オーバーなアクションでしょうか?とも取れますが万が一に備えてのグラム染色でしょうね。
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