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2010年1月18日 (月)

尿路感染症診断のためのグラム染色①

尿路感染症を疑うため、尿が提出されます。

一先ず、グラム染色をしますが、どういった点に注意して見ていくのが良いのでしょうか?という疑問を持っている方は多いと思います。

細菌検査室で毎日培養結果を見ている人は本当に良く分かっていながら大事な点を見逃している方も居ると思います。また、臨床の第1線で染色をしている方は培養を目の当たりにしない点もあり、文献的もしくは経験に合わせた見方になっていると思います。

尿のグラム染色を見る場合ですが、やはり最も気をつけるのは大腸菌に代表される腸内細菌群でしょう。腸内細菌は染色態度が良く中~大型のグラム陰性桿菌に見えるものが多く、慣れてくると、他グラム陰性桿菌である緑膿菌やインフルエンザ菌との違いが分かります。

緑膿菌はやや細めの菌体で、染色性がやや悪く、両端が細く見えます。また、単体で見えるより塊形成をしたりします。

あと、尿からインフルエンザ菌が出てくる頻度は非常に少なく、もし鏡検で確認されたとしてもインフルエンザ菌だろうという予測は付きにくいと思います。

言わば、グラム染色はその臓器特異性を加味した検査前確率の高い起炎菌の推定を肉眼的に行い、検証をする手段の一つであることです。

下記は尿から出た大腸菌と緑膿菌のワンカットです。見比べると少し違いに気づくはずです。患者背景も大切ですが次に話します。

600 ×1000 大腸菌

6002 ×1000 緑膿菌

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