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2009年12月 2日 (水)

予想外の展開

救急患者を受け入れる中で予想外の展開がありますよね。それは感染症をしているとたまに見る事象の一つです。

ただし、その予想外も患者背景の収集不足、問診不足などの不足事項から来ることも多くあると思います。

これはその一つです。

こういうケースはどうでしょうか?

3か月の子が発熱があり来院されました。この時期なのでインフルのチェックをしましたが陰性。同居家族にインフルの家族は居ません。熱でしんどそうですが、意外に元気。

一応、不明熱時には血液培養、尿培養、咽頭培養の三種の神器が出てきます。状態が悪かったり、神経症状があれば当然リコール付きです。

翌日血液培養が陽性になり、下記のスメアが確認されました。

年齢や時期などに加え、菌の形態も考慮して推定菌を決めました。

レンサが長いですが、やや長細い球菌。一部双球菌に見えます。つまり肺炎球菌を強く疑う所見です。髄液穿刺をしたところ細胞数が1000ほどで有核細胞が多く、髄液糖は90と血糖比で2/3でした。髄膜炎の初期でしょうか?

抗菌薬はCTRXでしたが、pbp2x変異のことも考え、感受性出るまでPAPM/BPにしました。何と・・・夕方に、分離のため培養した血液寒天がβ-溶血しているでは無いですか?

そう、肺炎球菌はα溶血と言って緑になりますが、βは抜けて透明になる。これはラボで分かる減少です。臨床医が良く理解しなくても、菌の同定方法が変わったという情報は大切です。

驚いてラテックスをすると見事B型に。見たスライドはStreptococcus agalactiaeだったのです。CTRX変更要らなかったのですが、PAPM/BPでも問題無いので感受性出るまでそのままにしました。血清型はⅢ型と髄膜炎に多いものでした。

積極的な報告に加え、大きな間違いでは無かったので良しに出来るのでは無いか?と思います。でも、在宅の乳児の髄膜炎でB群溶連菌とは珍しい。そういった場合には、背景や家族の精査など実施しなければなりません。

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グラム陽性菌」カテゴリの記事

コメント

師範手前 先生
Streptococcus agalactiae感染症に遭遇しました。一か月の子が化膿性関節炎疑いです。膿性穿刺液のグラム染色を速攻で行いましたが、なんと菌が見当たりません。グラム陽性球菌(ブドウ球菌orレンサ球菌)を予想していたのに見当たらないので、5枚作って必死で探したところ菌らしいきものを数個発見しましたが、いまいち自信がありません・・・、Drにはとりあえず怪しいとは伝えておきましたが、結局培養待ちということで翌朝判定したところ、Streptococcus agalactiaeのコロニーが5個でした。
そのまま培養しておいた穿刺液、翌朝のグラム染色ではいくつかレンサ球菌が検出されました。やはり菌らしきものは菌だったのです。この程度の量だとグラム染色で菌を見つけるのも容易ではないようです。
患者背景からもある程度予想できたものの、難しい症例でした。
もっと積極的に報告すべきだったのかと反省です。
まだまだ指導員にはなれません。

投稿: 指導員手前 | 2009年12月 4日 (金) 19時07分

指導員手前さま

意思疎通が出来ている医師には、何かにつけて見えるような気がするなどの報告も十分になることも多いです。でも、関節炎の場合は状態が安定していれば経験的治療は要らない場所なので、培養が出てからでも良いのでしょうがね。
髄膜炎の抗原検査をしたら陽性になることもありますよ。ご参考に。

投稿: 師範手前 | 2009年12月 7日 (月) 20時56分

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