ちょとだけ捻り技
11月になり、少し肌寒くなりました。この時期より流行風邪が増えてきます。インフルエンザの鑑別をどうしようか?と悩みも増えます。
ただ、問題なのは細菌性肺炎も増える時期です。我々のような健常人でも肺炎を起こすリスクは十分にあります。ただ、基礎疾患を有する者とは若干違い出てくる菌はおおかた一定の傾向があります。当然、胸部レントゲン像やその他の臨床検査値を含めての検討も必要ですが。
このスメアもそうです。レントゲン上では明らかな肺炎。一部区域性もあり大葉性?と思わせる像。ならばグラム染色と尿中抗原を。
尿中抗原はレジオネラと肺炎球菌共に陰性。グラム染色は下記のよう。
言い切れるかどうかの問題もそうですが、尿中抗原陰性の解釈は臨床研修医の教育には欠かせないものです。検査室の方、是非とも聞かれたら即答しましょう。
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コメント
中小規模の病院勤務しております臨床検査技師です。今年後半からですが勉強させていただいてます。さて、グラム染色像では肺炎球菌感染症と思われますが、”尿中抗原陰性の解釈”が???です。明日出勤して尿中肺炎球菌抗原キットの添付文書を熟読してみようと思いますが、ヒントをいただければ幸いです。今後とも宜しくお願いいたします。
投稿: ゾウリムシ | 2009年11月13日 (金) 00時15分
ゾウリムシ様。そのネーミングが気になります。どうですか?添付文書役に立ちましたか?尿中抗原よりグラム染色の方が役立つこと、または逆はあり得る事です。研修医教育には欠かせない事項ですよね。
投稿: 師範手前 | 2009年11月14日 (土) 01時08分