大阪での質問③
その3です。
細菌感染を疑ったり、そうでない除外診断目的での便培養があると思います。
先日の記事で、白血球について書きましたが、白血球が出てくる疾患など山のようにあります。
少し写真を通して見て頂こうと思います。
①サルモネラの腸炎
白血球が出てくることが多いですが、菌自体には特徴も無く、サルモネラがどうかは分からないのが普通です。文献的に短桿菌との記載がありますが、便からのものは鑑別不能です。なので、白血球の有無を調べるのは少し有用性があります。
②出血性腸炎
白血球は出ます。出血があるんだから。細菌性かどうかも困難です。
③偽膜性腸炎
CD毒素によるものが殆どでしょうが、白血球や腸管粘膜のような残骸が多く見えることがあります。必ずしもそうではありませんが。
④潰瘍性腸炎
典型例で無いかも知れませんが、このように白血球多数に貪食が多く見られました。びらんがあり、粘膜上で貪食が激しく行われるようです。
いずれにしても、患者の臨床情報、医師との意思疎通など無ければ良い情報公開も出来ません。
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