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2009年9月15日 (火)

マクロライドが著効しない マイコプラズマ

先日、小児科の先生より相談受けました。市中肺炎を疑い、β-ラクタムにマクロライドを併用しているが効果が今一・・・。何が考えられるか?

難しい質問のように思えますが、紐解きが大切です。

胸のレントゲンを見ると両側に浸潤を伴うガラス状の陰影。葉間には胸水も貯留しています。他院でβ-ラクタムを2日処方されていたのですが軽快せず来院とのこと。

 温泉歴:1ヶ月前⇒これは貴重な情報かも?

 ペットの飼育歴:なし⇒Q熱やクラミドフィラは薄い

 尿中抗原:レジオネラ、肺炎球菌ともに陰性。

 喀痰が上手に出ないが、乾性咳嗽が出る。やはりマイコプラズマか?・・・。

マクロライドが著効しないし、耐性菌かも。IgM抗体は転院前にしたが陰性。

再度IgM抗体を実施しようとなりました。結果陽性です。驚きのようです。学校では習わない程の新ネタだけに、色々紹介に上がりました。こういった、若手医師に対するこまめのケアが重要なポイントです。

でもマイコプラズマのみで良いのでしょうか?という疑問につながります。わずかに採取した喀痰を見ると無数の白血球。ゲックラー分類で5である。

に混じって、マクロファージと繊毛上皮細胞。異型肺炎を示唆する細胞と上皮の剥離が多いことを確認。いつものように、フィブリン塊の状況を確認しましたがさほど無く。肺炎球菌は否定的とのコメントを。

マクロライドをテトラサイクリンに変更して2日目に元気になり始めた。やはりマイコプラズマなのだと思い、再度スメアを確認しました。

気づく点は多いが、グラム染色のみで確証を持つのは難しいのかも知れません。

200 白血球に混じる繊毛上皮の脱落+粘性のある気管支からの分泌物(×100)

400 間に見えるマクロファージは肺炎球菌やインフルエンザ菌では少ない(×1000)

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コメント

相原先生のグラム染色の鏡顕のてほどきを受け今頑張ってやってますがーマイコはわかりませんねー
今日も上咽頭培養で上皮細胞『繊毛上皮』の塊ばかりで好中球は少し!感染像は否定的と報告!んーそこらへんの見極めが難しい。
うちでは第一選択薬はミノマイなんですがーマクロライドがいんですか?
教えて下さい!

投稿: 小町 | 2009年9月15日 (火) 19時40分

小町さま

実際、相原先生と私とでは年季が違います。私も理解出来ない理論があります。でも、この考えを最初の段階で教えて頂いたのは相原先生(今から10年くらい前でしょうか?)。私なりのオリジナルに仕上げて今は活用しております。

さて、マイコプラズマは肺炎球菌を当てるのとは大きく違います。繊毛上皮が脱落する疾患などは山のようにあるからです。喘息などもそうです。マイコプラズマは気管支肺炎を起こすのでフィブリンの様な膿性の強い蛋白質はあまり無いのが特徴と思っています。好中球は多数出ますが、マクロファージのような大型白血球も散在しています。
この所見をあわせるのは、疑いの一つとしてしか理解出来ないのかもしれません。胸部れ線は非常に特徴的なものも多く、そちらの方が判断には持ち入り易いと私は考えています。
マイコプラズマは耐性化のこともありますので(http://idsc.nih.go.jp/iasr/28/324/dj3247.htmlとhttp://idsc.nih.go.jp/iasr/28/324/tpc324-j.html)
気になりますが、耐性化は15%。裏を返せば85%程度が感受性になります。臨床的に効かなくなったのかな?という程度の印象で、第一選択はマクロライドに」なるか、高容量キノロンに成ろうかと思います。ただし多く発生する小児はキノロンを使用出来ませんので、マクロライド耐性が示唆された症例の場合は、テトラサイクリンを使用することになろうかと思います。ただし、小児への適用も骨の問題もあり使いにくい抗菌薬の一つでもあります。
この例は結局A2063Gの変異がありました(岐阜大学の大楠先生のご協力もあり)。安心して医療の継続が出来ますし、患者家族への不信感が解消出来ます。

投稿: 師範手前 | 2009年9月15日 (火) 22時26分

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