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2009年8月 4日 (火)

化膿性脊椎炎

背中が痛いと言って来てみたら尿路感染症だったなんてことは良くあることです。

背中が痛いという主訴で細菌感染症と言えば何でしょうか?

細菌性髄膜炎、化膿性脊椎炎などでしょうか。

化膿性脊椎炎の菌と言っても多様にあります。でも大きく違うのは起炎菌によってフォーカスがやや変わることです。

黄色ぶどうが球菌血行性に転移して化膿性病巣を作るのが一般的では無いでしょうか?

じゃ、腸内細菌の場合は?緑膿菌の場合は? 

患者背景を聞くうえで、必要なのは年齢、既往の他に手術歴などでしょう。

古い文献ですがNEJMには下記のような事項が記載されています。コンパクトにまとまっていて勉強会などにはもってこいのものです。

Photo_2

Enterobacteriaceae species or Pseudomonas aeruginosa=Common in nosocomial infections

この場合、抗菌薬の選択はどういうのでしょうか?

1st.:Fluoroquinolone  2nd.:Third-generation cephalosporin

キノロンの注射用材の選択幅が少ない日本においては3世代セフェムで対応するしかないのでしょうか?キノロンの経口をプラスした方が良いのでは?という疑問に当たります。

こういう場合はキノロンなのでしょうが、キノロン耐性の腸内細菌も多く検出されているため3世代セフェムが多様化されるのでしょう。そういう意味での感受性試験は重要です。

仮に3世代セフェムを使用していた例で化膿性脊椎炎の治療が最後の最後で奏功しないなんて症例もあると思います。移行の問題もあるのでしょうが、膿瘍形成している場合などは抗菌薬も届かないのでしょう。

生検して下記のスメアが見えています。でも菌は居ません。(培養は陰性です。)

この場合はどういう解釈をしてあげると良いのでしょうか?皆さんも考えましょう。

答えは後日・・・。

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