細菌性結膜炎時のグラム染色
結膜炎を考えた場合どうでしょう?
滲出物が多いと培養に出すでしょう。術後の場合は当然皮膚常在菌が多く検出されますし、アクネ菌のような血液培養で出たら即コンタミの菌まで起炎菌になります。
菌は見えるとき見えない時が多く、何を見れば良いのでしょうか?
菌の探し方は一次性の場合は黄色ぶどう球菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌、稀に淋菌などを見る目で見ていきます。術後の場合はぶどう球菌やコリネ型グラム陽性桿菌。加えて好中球が多く検出されます。
鑑別では
・ウイルス性:濾胞が多く、滲出物はリンパ球優位。
・アレルギー:好酸球が多い。
好中球が多いものでは、培養出来ないクラミジアなどもあります。
上記の事項を考えてグラム染色を見ていきましょう。
下記は細菌性結膜炎のスメアです。好中球が多く何か出るとコメントしましたが、翌日溶連菌でした。Criticalデータとして即時報告です。
基本的に局所の抗菌薬投与で良いのですが、伝えて悪い情報ではなさそうです。
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コメント
師範手前さま、お久しぶりです、新型インフルエンザ発生後のご活躍は本当にすごいご苦労をされているご様子、想像させられます。
さて、眼科領域の原因菌検出には、毎回苦労させられ、臨床とのやり取りに苦労させられます。
たいてい広域抗菌薬投与後の、それも紹介患者さまで、増菌培養しても、なにも発症菌の証明を出来ない時は眼科領域とお互いの距離の遠うさをいつも感じさせられます。
眼科の先生の意気込みは,実際我々も痛いほど感じていると思っていますが、どうも期待どうりではないような印象を持ってしまいます。
臨床検査部としてもっとアプローチの必要があるのでしょうか?
眼科は、他科と少し具合の違いが気になります。
どのようなアプローチが付加価値につながるのでしょうか。
投稿: 倉敷太郎 | 2009年8月21日 (金) 22時04分
倉敷太郎さま
暑いですね?
さて、眼科のみならず結果を早く返すことをモットーに私の病院ではしています。急ぐ場合は手術であろうと外来であろうと直ぐ電話。検体提出の意味を聞く場合も直ぐ電話をしています。こちらの方に興味を抱かせるようにしていますが、叩いても響かない方も居ます。無関心層という分類です。
投稿: 師範手前 | 2009年8月25日 (火) 22時35分