毛羽立ち
番外編です。
グラム染色で菌の推定が出来る場合がありますが、もっと適切に判るのが培養結果です。同定まで行けば尚更ですが、そこまで待てない症例は多いです。
これは先日骨盤内膿瘍から検出された菌です。
赤いのは血液寒天培地と言って、どこの施設でも培養する際に使うものです。非選択性であり、グラム陽性菌から陰性菌まで幅広く検出可能です。
良く見てみると白く、集落の一つ一つが毛羽立ったように見えます。星の砂のようですね。
これはカンジダです。特に仮性菌糸を出していますので、このように集落のあちこちから角のようなものを出しています。慣れている人はこれでカンジダと判りますが、判らない場合は染色しましょう。
玄人好みになりますが、1日目でこのように血液寒天で発育し、毛羽立ったように見えた場合はCandida albicansが予想されます。つまり臨床が知りたいのはアゾール耐性かどうかであり、予想菌種として報告出来る場合もあります。
急ぐ場合はジャームチューブ試験をすると2時間で仮性菌糸の確認可能です。
特に通常の抗菌薬も無効例になるので、何だと思わず報告を直ぐすると喜ばれるケースもあります。
もしかして、培養道場も要りますか?
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コメント
培養道場、是非ともお願いいたします!!!
投稿: こたろう | 2009年9月 4日 (金) 01時30分
培養道場は間と間に入れます。
投稿: 師範手前 | 2009年9月 5日 (土) 00時28分