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2009年8月27日 (木)

第16回日本臨床微生物学会教育セミナー

今週の29日と30日に第16回日本臨床微生物学会教育セミナーが開催されます。

今回は、京都大学で開催があります。申し込みは早期に満員になったようで80名ほどの参加者で賑わいそうです。

医師と臨床検査技師の連携について、色々と講義とグループディスカッションなどが入ります。

私も実務で参加させて貰いますが、皆さんの熱気に負けないように頑張りたい(何を?)と考えています。

やはり、臨床検査技師ですので、受け取った検体を正確に質の高い結果として報告するのか大事なところです。検体を受け取る前の採取から臨床検査技師(認定やICMT)が問われるところです。

写真は吸引痰です。こういう検体が提出された場合の結果をどうアレンジするのかは、皆さん次第です。

扁平上皮が多いからと言って質が悪いというと、せっかく吸引して上手に採取してくれた看護師さんの意識向上が望めない場合もあります。

これは、吸引痰でしっかりと吸引してきている痰です。院内肺炎を疑わる所見で誤嚥も絡んでいます。膿性が強いと思わせる炎症細胞の集積と周囲に散在する扁平上皮ですので、経気道的な感染が無いか強拡大で見てほしい一面ですね。

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コメント

 久しぶりに書き込みます。僕が駆け出しの医者だった時、寝たきりの患者さんが発熱と湿性咳嗽をしている時の痰培養は、苦労しました。医者がオーダーを出すのは簡単ですが、それを受けて看護師さんが患者さんをあっち向けこっち向け背中を叩いて、時にはネブライザーを吸わせて、やっと吸引器で採った痰。新人でしたので、看護婦さんと一緒に背中をポンポン叩きながら、吸引した記憶がよみがえります。唾液やら色々交じりながら、当時は不勉強で、「こんなつばみたいな痰を出して、意味あるのかな?」と思いながら出したことでした。案の定、培養結果では4種類も5種類も菌体が出て、一体どれをターゲットにするの?3+とか菌量の多いヤツかな?念のため全部に効く薬を使ったほうがいいのか、そうすると・・・ないぞ・・・みたいな記憶がよみがえってきます。
 今でこそ、それらの啓蒙・啓発が進んできてはいるでしょうが、まだまだ痰のオーダーを出すのは医師の仕事、痰の採取は看護の仕事、それを検査するのは臨床検査技師さんの仕事、その結果を見るのは医師の仕事で、「これはコンタミが多いから、看護の採取の仕方が悪い!」といってしまうと、現場のNsの士気は低下する一方でしょうね。
 臨床現場でグラム染色をする医師が増えれば、唾液交じりの痰を染色して、脱落上皮細胞がたくさんみえて、こりゃあいかんな~と言うのを目の当たりにして気がつくようになれば、Nsの採取した痰から膿栓部分をすくいあげて、生食洗浄をして、それを喀痰培養に提出することが出来れば、精度が高まるのでしょうね。
 DPCの病院なら関係ないでしょうが、診療所で痰を採取して、検体によってはそのように生食で洗浄して提出しています。その際に、処置でコレコレこういう理由でこのように痰を洗浄して出したことを明記してレセプトに出せば、生食もきちんと今まで算定できて、削られてきません。セコイようですが・・・
 さて、このような痰。脱落上皮が多いからといってあきらめてしまわないで、あちらこちらを見回して、vividな好中球に貪食された所見を見つければ、やはり起炎菌と判断していいのですよね?

投稿: 三省 | 2009年8月29日 (土) 13時31分

三省さま
お久振りです。暑いですね。夜は涼しいですが。

さて、「あちらこちらを見回して、vividな好中球に貪食された所見を見つければ、やはり起炎菌と判断していいのですよね?」の質問ですが。私は賛成です。

中々痰を採取するのは容易では無く、提出する側も安易な気持ちで採取していないケースも多いと思います。それは毎日の教育が何所まで行き届いているか?になります。こんな痰はだめか?と思うのは、普段から指導をしているが頑張ってもこれくらいしか採取出来ない・・・と思って出して頂いているケースもあるということをしっかり認識することも必要です。でも、ダメな時はダメとはっきり言うべきです。日ごろのコミュニケーションが大切にもなってきます。
私はスメアの起炎菌判定を一部分のみで判断しません。特に呼吸器感染の場合は、菌量も多く、同じ像が散見されるのでそれを確証として決定していきます。見る部分の問題もありますが、貪食は数か所に必ず確認されます。
ただ、採取して時間の経った(大体2時間限界)痰の場合は色々考えないといけませんがね。

投稿: 師範手前 | 2009年8月31日 (月) 19時42分

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